天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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初めての一人暮らし 1

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「心愛さん、実家出たの?」

「うん」

母が再婚するのを期に4月から一人暮らしを始めた。

「瀬戸先生、明日、京都に来るんだっけ?」

「はい」

東京大学病院の小児外科の教授をしている瀬戸先生の父。
3月末まで東京で医師として勤務し4月2日に京都にくる予定だったのが、退職前に執刀した患児の状態が安定せずくる日が伸びた。

LINEビデオ通話では何度か会って話した。
瀬戸先生に似た眉目秀麗な顔立ちをした白髪の男性で、65歳とは思えないぐらい若々しい人だった。

4月28日にやっと京都に引っ越してきて籍を入れて母と暮らし始める。
GWのどこかで家族全員で集まって食事会をと話が出てるけど、私と瀬戸一輝先生は病院勤務の関係で顔見知りだから顔合わせの必要はなく、せっかくだけど断った。
だから、母と瀬戸先生の父は新婚旅行で7泊8日でアメリカに旅行するらしい。
個人クリニックや外来診療が休みに入るロング休暇は夜間休日救命救急センターに患者が殺到し多忙になるから、オンコールで呼び出されるのが目に見えてわかる。


****


「心愛ちゃん、1人暮らし慣れた?」

「は……、はい」

真弓副院長に訊かれ、少し焦る。
部屋の中が荒れてるなんて知られたらまずい。
ダブルワークで家には寝に帰るだけだから、リビングダイニングは全く使ってないからきれい。
ロボット掃除機がリビングのフローリングは掃除してくれてるからかろうじでそこは人を通せる。

だけど、寝室とウォーキングクローゼット、洗面室内は衣服が床に散らかり足の踏み場がなく、開かずの間化していて、母にさえ見せられない。

家事を母任せにして全くしてなかったからする習慣ができてなく、洗濯物を回して干すのを忘れて着る物がなくなりAmazonで新しい衣服を買って着てる。
食事も平日のランチは安達病院の賄い食だけど、朝ごはんと夜ご飯はコンビニ頼り。
一人暮らししているマンションの1階フロアにいつでも捨てられるゴミ捨て場があるから部屋内がゴミ屋敷にはなってないけれど、衣服の山ができてしまった。

「ダブルワークしてるから家事する時間取れないよね。医者の不摂生で倒れないようちゃんと食事をとって体を休ませる時間とってね」

4月28日から5月6日まで安達病院もお産以外の診療は休業する。
府立病院の救命救急センターと産婦人科と小児科、小児科外科の当直医でロングバイトだけだから、溜め込んだ洗濯物を片付け、布団カバーを替えて干して、部屋の埃とりをした。


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