天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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緊急手術 1

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『倉沢先生、妊娠28週の328gの13トリソミーの女児なんですが心臓の血液の逆流から心拍が弱くなっていて緊急帝王切開で新生児手術を行いたいんですが、できませんか!!』

新生児科の医局で症例レポートをまとめていたら産婦人科の看護師から内線がかかってきた。

瀬戸父先生は超超未熟児の予定新生児手術を数件請け負って東京の総合病院へ行っているから今日はいない。
一輝先生も23週推定胎児248gの18トリソミーの男の子の新生児手術をしていて、執刀が終わるのに後30分はかかる。

「500g満たない13トリソミーの子の手術は私には荷が重いです。一輝先生が手術を終えるのを待たれた方が……」

「一刻の猶予がありません。一輝先生、もうじき手術終わられますよね。緊急帝王切開で取り出すのにも時間がかかります!!」

13トリソミーの超超未熟児の新生児出産はかなり緊張する。
母体から取り出し、臍の緒がついたまま、鼻孔開放術を行い鼻腔内に挿管チューブを入れないと窒息死してしまう。

緊急帝王切開が行われる手術室で赤ちゃんが取り上げられるのを待つ。

「やはり呼吸ができてません!!」

経鼻的にレーザーを用いて両側後鼻孔開放術を行い、吸引チューブをステントとして留置し、経鼻呼吸、経口哺乳できるようにし、高酸素をチューブから入れ込む。
その後、臍の緒を切断し、ハイブリッド手術へ急ぎ、カテーテル手術で心房中隔欠損症と大動脈ステントグラフトを行う。

「横隔膜ヘルニア、容態が安定しているから手術をする」

胸に入り込んでいる臓器をお腹に戻すためにお腹にメスを入れ、ぐちゃぐちゃになっている内臓の位置を戻し、横隔膜の孔を縫合して閉じる手術を行う。

一輝先生が手術がすぐに駆けつけてきて下さったから、手術は無事に成功し、産まれた女の子の容態も安定していてほっとする。


「そういえば、心愛、婦人科健診行ったのか?」

「………」

一輝先生と2人で時々ご飯を食べに行く。
新生児手術に一緒に入った後の反省会に私が執刀したオペ動画を見てからのアドバイスで食事に誘ってくれる。

「月に5日間、顔色が悪い時がある。だいたい同じ周期できてるから、生理が重いんだろう」

ほぼ毎日顔を合わせてるから、バレてしまう。
出血過多を起こしているから鉄分とビタミンCのサプリメントを毎日飲んでいるのに、生理の時に貧血を起こしてしまう。

「産婦人科で診て貰えって言ったのに。くらさか小児科クリニックの超音波機器の腹部エコーで診てみるか。行くぞっ!!」

食べ終わったら府立病院に戻ろうと思っていたのに、一輝先生に左手を掴まれ、実家に連れてかれた。

アポ無しで実家に戻り、いきなり一輝先生が母にクリニックの鍵を貸して欲しいと言ったから母は驚く。
夕食の準備をしていた母が手を止め一緒にクリニックに入り、診察ベッドの上でまな板の鯛状態になり、スカートとショーツを足の付け根の高さまで下げ、骨盤のあるエリアを腹部エコーで検査する一輝さんを見つめる。

「……やっぱり子宮筋腫か。子宮頸部付近にある3cmから5cmの粘膜下筋腫だからギリギリ子宮鏡下手術できる。今から安達病院に行って手術しよう!!」





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