天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

文字の大きさ
40 / 46

染色体異常がある子の妊娠 1

しおりを挟む
“倉沢さん、助けて”

“赤ちゃんが殺される”

“安達病院に来て”

日曜日の昼過ぎ、一輝先生とNICUに入院してる患児の回診をしてランチでもして帰ろうと思ったら綾音先生からLINEがきた。

「とにかくかけつけようか」

一輝先生とタクシーを拾い、安達病院に急ぐ。
母に“安達病院に来て”とLINEでヘルプ要請を送った。

日曜日で休診日だから、病院の入り口は開いてなく、一輝先生が涼真先生にLINE通話かけるも出なくて、焦る。


****

「瀬戸と心愛さん?」

「お前、どこ行ってたんだよ!!」

「スポーツジム。何かあった?心愛さん、また粘膜下筋腫できて手術しに来た?」

「違う!!綾音先生からLINEきたから来たの」

「綾音?今日は呼んでないはずだけど……」

「とにかく、院内に入れろっ!!」

一輝先生が涼真先生を脅し鍵を開けさせ院内に入る。
診察室には誰もいなく、3階の婦人科病棟に向かう。

「ウッ、グッ!!」

病棟の診察室から声にもならない小さい唸り声が聞こえ、一輝先生と涼真先生と急いで駆けつけた。

「か、母さん、何やってるんだよ!!」

綾音ちゃんが産婦人科診察台に座らされ、ロープで体をぐるぐる巻きにされ逃げられなくされ、口を包帯で塞がれ、涙を流していた。
左腕を見ると点滴の針が刺さっていて、高濃度と思われる陣痛促進剤が入ったブドウ糖液注射点滴をされていた。

「……羊水検査の結果、お腹の中の赤ちゃん、21トリソミーだったの。21週と6日以降は中絶できなくなるし、猶予が無いのよ」

脚が開脚され、綾音先生は子宮頸部を開く処置がされている途中だった。

綾音先生の腕から針を抜き、包帯とロープを外して、婦人科診察台から下ろした。

「真弓、貴女って人は!!」

私のヘルプ要請で瀬戸父先生を連れて急いで駆けつけくれた母。
肩で息をしながら、真弓副院長を睨みつける。

「綾音、大丈夫か!!」

点滴を落とす速度も早く、綾音先生の体が小刻みに震え呼吸困難を起こしていた。

「涼真先生、綾音先生を特別個室に連れて行って、血液内のプロスタグランジンの濃度を下げるための点滴する」

投与された陣痛促進剤で綾音先生は軽い陣痛が起きている。

涼真先生は空気読めない所があるけれど、悪い人ではないと思う。
だけど、涼介院長と真弓副院長の血を引いてるから警戒してしまう。
涼真先生が綾音先生を抱き上げ特別個室のベッドまで連れていき寝かし心配そうに見つめる姿を見ると、子供目当ての結婚ではなく綾音先生の事が好きなんだと思った。

「CRL(頭殿長)が16.8cm、が子宮底長が20.3cm、体重は198g。あくびしたり手足をバタバタしてるし赤ちゃんは問題無しだね」

最新の4D超音波検査機器で経腹エコーをし、赤ちゃんの様子を念入りに確かめる。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...