契約結婚に子作りは入ってません!!

鳴宮鶉子

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結婚の経緯

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寝起きの男子あるあるなのか?
盛った雄犬みたいに、私を押し倒して欲望をぶつけてきた樹部長だったけど、出し切ると冷静さを取り戻し、機嫌を害してる私との温度差に気づき、土下座して謝ってきた。

『杉原の事が好きなんだ。幸せそうに食べる姿とか料理してる姿とか、見ていて癒される。俺の奥さんになって欲しい』

『……無理です!!出てって下さい!!』

今日は木曜日。
やらないといけない仕事が山積みにある樹部長はすぐに出ていってくれた。

「会社に行きたくないなぁ……」

仕事を休もうと思ったけど、季節限定メニュー開発のミーティングがあり、頼られてるのもあり、サボる事ができなかった。

足取りが重いけど、会社に向かう。


「樹部長、杉原さん、結婚、おめでとうございます!!」

部署に入ると、同僚達が駆け寄ってきて、私にクラッカーを鳴らしてきた。

「……結婚、取り辞めましたけど!?」

酔っ払っていたから記憶が曖昧だけど、飲み会の最中に、私は樹部長に差し出された婚姻届にサインした。

「えっ!?樹部長、結婚届提出したって言ってたけど……」

「あっ……、朝イチに役所に行って、回収してきました。さすがに酔った勢いで結婚なんてできないですよ」

婚姻届は365日、24時間、いつでも提出ができるが、手続きは後日行われるため、開庁してすぐに窓口に駆けつけたら、取り消しができる事もある。

回収した婚姻届をバックから取り出し、部署のみんなに見せる。

「……保証人のサインが、社長!!」

婚姻届の保証人欄をみると、社長の名前が書かれていて、顔が引き攣る。
樹部長は、事前に社長と一花ちゃんのお兄さんにサインして貰っていた。

「社長が新ブランド立ち上げに成功したら結婚は好きにしていいって言ったって、樹部長が言ってたの覚えてないの?」

飲みの席での事を必死に思い出す。

『社長に杉原との結婚を許して貰うために、新ブランド立ち上げを頑張った。父から許しは出た。俺と結婚してくれ!!』

と、婚姻届を目の前に置かれた。

『このままだと俺、お袋に相手決められ強制的に政略結婚させられる!!俺は好きになった女と結婚したいんだ!!お願いだ、俺の奥さんになってくれ!!』

新ブランド立ち上げプロジェクトメンバーが大勢いる中で、必死に求婚された。

『……杉原と家族になりたいんだ!!』

家族という存在に飢えている私は、樹部長のその言葉に堕とされ、サインしてしまった。

「樹部長が可哀想だよ。杉原、責任とれ!!』

同僚達からのブーイング。
樹部長と結婚しろとはやしたてられる。

私と樹部長は異母兄妹。
戸籍上は赤の他人だけど、半分同じ血が流れている。

「来望、社長と副社長に結婚報告してきた。それと、総務から提出書類貰っ……ハッ!!なんで、婚姻届を持ってるんだ。

私と夫婦になったと思っていた樹部長。
私が手に持っている婚姻届を奪いとり、挙動不審になる。

「樹部長……ごめんなさい。結婚は無理です」

「これにサインしたんだから応じろ。これを提出さえすれば、俺と来望は夫婦だ!!もう一度、出してくる!!」

樹部長が婚姻届を持って、部署から出ていく。
追いかけてとめようとするも同僚達が身体をはって出口を塞ぎ、15分後、樹部長が婚姻届受理証明書を持って帰ってきた。

「来望、諦めて俺の妻になれって、残念ながら、もう俺の妻だから!!」

不可抗力により、私は樹部長の妻にされてしまった。


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