10 / 23
結婚した理由
しおりを挟む
「樹兄さん、来望ちゃんの事、溺愛してるね!!溺愛…‥通り越して、狂愛!!」
樹部長と戸籍上夫婦にされた日の夜。
終業後、一緒に帰ろうとしてくる樹部長を撒き、タクシーで一花ちゃんの家へ避難した。
「樹部長、私と異母兄妹って事、知らないから結婚なんか考えたんだ。半分、同じ血が流れてるんだよ。社長に報告したって言ってたけど、社長、何も言わなかったのかな?」
一花ちゃんと一緒に夜ご飯を作る。
ふるさと納税で取り寄せた海老と豚バラブロックをレンジで解凍し、エビチリと酢豚、豚の角煮を作る。
「……樹兄さん、おじさんと血、繋がってないよ」
「えっ!?」
一花ちゃんのカミングアウトに、包丁を持つ手がとまる。
「DNA親子観点したら血縁関係なかったらしいよ。おばさんの不貞の子」
長谷一族の異常な家族関係。
樹部長は副社長派ではなく社長派で、経営赤字を解消しようと最善の行動を起こしてる。
あーくらいくのために必死に働いていて、社長にも仕事ぶりを認められてる。
「……来望ちゃんがおじさんの血縁ある娘と知っていて、あーくらいくの血縁を守るために結婚企てたとかないかな?そんな気、するな。本人に直接聞いてみる?LINEでここに呼びつけようか?」
新入社員で花形部署の店舗開発本部に配属された事は異例中の異例。
同じ部署で仕事をしていたとはいえ、社長と副社長の代行も務めている多忙な樹部長がいち新入社員の私にちょっかいかけてきたのもおかしすぎる。
「お願いしていい?」
「いいよ。料理作り過ぎたし、兄さんにも声かけさせて」
2人分のはずが10人分以上用意してしまった。
私が大食いとはいえ、さすがに味が飽きて、食べきれない。
15分後に、樹部長が一花ちゃんの兄、大雅さんと一緒にやってきた。
「銀座万疋屋のフルーツタルトとプリン買って来てくれたんだ!!さすが、樹兄!!」
手土産のフルーツタルトを樹部長から受け取り、大喜びな一花ちゃん。
「さて、樹兄さん、来望ちゃんと強引に結婚したの、来望ちゃんがおじさんの隠し子であーくらいくの株を45%保有してる筆頭株主だからだよね」
「はっ!?」
リビングテーブルを囲み、食事を始めてすぐに、一花ちゃんが樹部長を問い詰める。
「何……それ!?えっ、来望、社長の隠し子!?嘘だろ!!株45%所有!!」
目を見開き立ち上がった樹部長。
持つ箸が震えてる。
「……知ってた癖に。白々しい」
「……大雅っ!!」
「隠し通せる事ではないだろ。あーくらいくの立て直しとおじさんとおばさんを地獄に堕とすのに、彼女が必要なんだろ」
樹部長と大雅さんは従兄弟の関係だけでなく、なんでも話せる無二の親友らしい。
「樹兄さん、来望ちゃんをお家騒動に巻き込むの辞めて!!強引に結婚に持ち込むとか、最低なんだけど。すぐに離婚して、解放してあげて!!」
一花ちゃんが樹部長にビシッと言ってくれた。
同僚達の前でのあのプロポーズと演技での溺愛はなんだったんだろう。
全身至るところにつけられた紅い痣と、胎内に繰り返し注がれた欲望の白濁。
私を利用するための行為だったと思うと、虚しくなる。
「くそばばあがあーくらいくの筆頭株主が来望だと気づいて、株を奪うためにスカイシーの常務と結婚させようと企てようとしてた。だから、俺が来望と結婚した。来望を守るためでもあるんだ!!」
「やっぱり、あーくらいくの株が目的か」
「違う!!」
一花ちゃんと樹部長が言い合いを続ける。
「樹部長、私が保有しているあーくらいくの株、全て買い取ってくれませんか?そしたら、結婚する価値無くなるから、離婚に応じられますよね」
「……全て買い取る資金がない。1億2千万株だろ?株価今1680円だから2千億円も来望に払えない」
「……少しずつでいいので、私が所有してる株式を自社株として株式譲渡してください。で、全て移転できたら、私と離婚して下さい。それでいいですか。あーくらいく、好きだから、経営立て直したいですし、夫婦にはなる気はないですが、協力します」
あーくらいくは私にとって居場所。
店舗開発本部とメニュー開発部の社員達は大切な仲間。
スカイシーに吸収合併は嫌。
経営立て直しをして、もっと居心地がいい場になって欲しい。
話していても埒が明かず、あーくらいくの株を手放したいのもあり、樹部長に協力する事にした。
樹部長と戸籍上夫婦にされた日の夜。
終業後、一緒に帰ろうとしてくる樹部長を撒き、タクシーで一花ちゃんの家へ避難した。
「樹部長、私と異母兄妹って事、知らないから結婚なんか考えたんだ。半分、同じ血が流れてるんだよ。社長に報告したって言ってたけど、社長、何も言わなかったのかな?」
一花ちゃんと一緒に夜ご飯を作る。
ふるさと納税で取り寄せた海老と豚バラブロックをレンジで解凍し、エビチリと酢豚、豚の角煮を作る。
「……樹兄さん、おじさんと血、繋がってないよ」
「えっ!?」
一花ちゃんのカミングアウトに、包丁を持つ手がとまる。
「DNA親子観点したら血縁関係なかったらしいよ。おばさんの不貞の子」
長谷一族の異常な家族関係。
樹部長は副社長派ではなく社長派で、経営赤字を解消しようと最善の行動を起こしてる。
あーくらいくのために必死に働いていて、社長にも仕事ぶりを認められてる。
「……来望ちゃんがおじさんの血縁ある娘と知っていて、あーくらいくの血縁を守るために結婚企てたとかないかな?そんな気、するな。本人に直接聞いてみる?LINEでここに呼びつけようか?」
新入社員で花形部署の店舗開発本部に配属された事は異例中の異例。
同じ部署で仕事をしていたとはいえ、社長と副社長の代行も務めている多忙な樹部長がいち新入社員の私にちょっかいかけてきたのもおかしすぎる。
「お願いしていい?」
「いいよ。料理作り過ぎたし、兄さんにも声かけさせて」
2人分のはずが10人分以上用意してしまった。
私が大食いとはいえ、さすがに味が飽きて、食べきれない。
15分後に、樹部長が一花ちゃんの兄、大雅さんと一緒にやってきた。
「銀座万疋屋のフルーツタルトとプリン買って来てくれたんだ!!さすが、樹兄!!」
手土産のフルーツタルトを樹部長から受け取り、大喜びな一花ちゃん。
「さて、樹兄さん、来望ちゃんと強引に結婚したの、来望ちゃんがおじさんの隠し子であーくらいくの株を45%保有してる筆頭株主だからだよね」
「はっ!?」
リビングテーブルを囲み、食事を始めてすぐに、一花ちゃんが樹部長を問い詰める。
「何……それ!?えっ、来望、社長の隠し子!?嘘だろ!!株45%所有!!」
目を見開き立ち上がった樹部長。
持つ箸が震えてる。
「……知ってた癖に。白々しい」
「……大雅っ!!」
「隠し通せる事ではないだろ。あーくらいくの立て直しとおじさんとおばさんを地獄に堕とすのに、彼女が必要なんだろ」
樹部長と大雅さんは従兄弟の関係だけでなく、なんでも話せる無二の親友らしい。
「樹兄さん、来望ちゃんをお家騒動に巻き込むの辞めて!!強引に結婚に持ち込むとか、最低なんだけど。すぐに離婚して、解放してあげて!!」
一花ちゃんが樹部長にビシッと言ってくれた。
同僚達の前でのあのプロポーズと演技での溺愛はなんだったんだろう。
全身至るところにつけられた紅い痣と、胎内に繰り返し注がれた欲望の白濁。
私を利用するための行為だったと思うと、虚しくなる。
「くそばばあがあーくらいくの筆頭株主が来望だと気づいて、株を奪うためにスカイシーの常務と結婚させようと企てようとしてた。だから、俺が来望と結婚した。来望を守るためでもあるんだ!!」
「やっぱり、あーくらいくの株が目的か」
「違う!!」
一花ちゃんと樹部長が言い合いを続ける。
「樹部長、私が保有しているあーくらいくの株、全て買い取ってくれませんか?そしたら、結婚する価値無くなるから、離婚に応じられますよね」
「……全て買い取る資金がない。1億2千万株だろ?株価今1680円だから2千億円も来望に払えない」
「……少しずつでいいので、私が所有してる株式を自社株として株式譲渡してください。で、全て移転できたら、私と離婚して下さい。それでいいですか。あーくらいく、好きだから、経営立て直したいですし、夫婦にはなる気はないですが、協力します」
あーくらいくは私にとって居場所。
店舗開発本部とメニュー開発部の社員達は大切な仲間。
スカイシーに吸収合併は嫌。
経営立て直しをして、もっと居心地がいい場になって欲しい。
話していても埒が明かず、あーくらいくの株を手放したいのもあり、樹部長に協力する事にした。
0
あなたにおすすめの小説
練習なのに、とろけてしまいました
あさぎ
恋愛
ちょっとオタクな吉住瞳子(よしずみとうこ)は漫画やゲームが大好き。ある日、漫画動画を創作している友人から意外なお願いをされ引き受けると、なぜか会社のイケメン上司・小野田主任が現れびっくり。友人のお願いにうまく応えることができない瞳子を主任が手ずから教えこんでいく。
「だんだんいやらしくなってきたな」「お前の声、すごくそそられる……」主任の手が止まらない。まさかこんな練習になるなんて。瞳子はどこまでも甘く淫らにとかされていく
※※※〈本編12話+番外編1話〉※※※
彼と私と甘い月 番外編 ーその後の二人の甘い日々ー
藤谷藍
恋愛
白河花蓮は26歳のOL。フィアンセの、橘俊幸、31歳、弁護士とお互い一目惚れし、結婚を前提のお付き合いのラブラブ生活を送っていたが、早く花蓮と結婚式をあげたい俊幸にブレーキをかけるのも大変で・・・
このお話は、前に掲載された「彼と私と甘い月」で、リクエストを頂いた番外編です。「彼と私と甘い月」の話の続き、短編となります。楽しんでいただけると嬉しいです。
この作品はムーンライトノベルズと同時掲載されました。
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。
【完結】 女に弄ばれた夫が妻を溺愛するまで
紬あおい
恋愛
亡き兄の恋人を愛し、二年後に側室に迎えようと政略結婚をした男。
それを知りつつ夫を愛し、捨てられないように公爵夫人の地位を確立しようと執務に励む女。
そんな二人が心を通わせるまでのお話。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
雨音。―私を避けていた義弟が突然、部屋にやってきました―
入海月子
恋愛
雨で引きこもっていた瑞希の部屋に、突然、義弟の伶がやってきた。
伶のことが好きだった瑞希だが、高校のときから彼に避けられるようになって、それがつらくて家を出たのに、今になって、なぜ?
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる