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最愛の女性 side 相馬涼羽

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『えっ、勘弁して下さいよ。相馬社長は無いです!!』

最愛の女性、鈴原奏音からの拒絶の言葉。

『モラハラされる結婚生活しか思い浮かばないから無理です!!』

社長の権限で運営メンバーとのリモート会議を盗み聞きをし、ショックを受ける。

鈴原に対してパワハラモラハラに当たる事をした覚えはない。

なのに、俺は彼女に嫌われていた。


鈴原と出会ったのは、15年前の秋。
母方の祖父が代表取締役を務めるツバサコムに同じタイミングでバイトに入り、WEBサイトやアプリ、企業の社内システムの企画や開発を一緒に行っていた。

高専1年の彼女と私立大学3年の俺。
ダブルスクールでIT系の夜間専門学校を卒業してるけど、彼女の方が俺よりもシステム開発の知識が上だった。
プログラミングも速くて正確で、タッグを組んでプロジェクトを進める事がやり易く、最高のパートナーだった。

彼女に恋心を抱いたのは3年前。
俺が初めてコロンウイルスに感染した時。
高熱で意識が朦朧として連絡が途切れた俺を心配して独り暮らしをしているマンションに駆けつけくれて、コロン感染を疑って病院に電話をかけてから俺の車を運転して病院まで連れて行ってくれた。
そして、完治するまで、泊まり込んで甲斐甲斐しく看病してくれた。
それで彼女にコロンウイルスをうつしてしまったが、不幸中の幸い彼女は高熱は出るも症状は軽症で在宅で仕事をしてくれた。

「……新規の男とまた会う気か」

鈴原の会社携帯とプライベート携帯、会社支給のiPadとデスクトップパソコンとiPadに盗聴器と監視カメラを仕込んでいる。

それだけではない。

借上社宅なのをいい事に彼女の仕事部屋とリビングに監視カメラを取り付けた。

オフィスフロアにも防犯目的を名目に監視カメラを取り付け、彼女の顔認識機能で行動を録画している。

社長だからできる事。

GPSで鈴原の居場所を常に監視し、マンションとオフィス以外を出歩いてる時は仕事を投げ出し尾行する。

30歳の誕生日の日に母からの電話で結婚を急かされたのもあり、マッチングアプリに登録した鈴原。

マッチングアプリのアカウントとパスワードはわかっている。
マッチング相手のプロフィールから相手を突き止め、知り合いならデートに乱入し、彼女の恋路を邪魔する。
知り合いでなかった時は彼女との関係が進展しないようにLINE番号を交換する前に勝手にブロックして強制的に終わらせた。

「ウォ、生着替え!!」

寝室の壁面クローゼット内のタンスから出勤用のフォーマルな服を取り出した鈴原。

ウニクロのルームウェアを脱ぎ捨てブラジャーとショーツ姿を晒している鈴原の姿をiPadの大画面で堪能する。

ズーム機能で胸の谷間と脚の付け根を拡大し、出社前に彼女をおかずに自慰行為に耽った。


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