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流された結婚
大晦日の武道館でのラストライブ。
「応援して下さってる皆様にご報告があります。いつも側で支えてくれた彼女と結婚します!!」
何か企んでるなとは思っていたが、まさかラストライブの最後の最後にファンに結婚すると言い出すとは思っていなかった。
「えいとーー、おめでとう!!」
「お幸せに!!」
会場内に祝福する声があがる。
熱愛発覚当初はファンが遠ざかっていったがラストが近づくにつれ、戻ってきた。
瀬川社長が私との交際を隠す事なく、外出時に手を繋いで歩いたり、レストランで食べさせあったりと仲睦まじい姿をわざとらしく見せしめるからか理想的な恋人同士と注目を受け、結婚に関して祝福ムードになった。
「瀬川社長、私、結婚承諾してませんが」
「公言しちゃったし、これで結婚しなかった方がファンを裏切る事になり、叩かれるよ」
ライブが終わり、NHKへ向かう。
すかいばーどの歌い手全員が紅白歌合戦に出場する。
「えいとさん、件の彼女と結婚されるんですね。あっ、お隣の秘書さんがその彼女ですか?」
ライブが終わってから1時間も経って無いのに、瀬川社長の結婚発言はもうネットニュースになっていた。
「はい。私の妻になる伽音です」
司会をされてるお笑いタレント有坂さんに紹介され、苦笑いする。
「常に隣りに居させるって噂、本当なんだな。せっかくだ紅白でも結婚報告しないか?」
「いいですね、させて下さい」
「了解、あっ、行かないと」
ラストライブだけでなく、紅白歌合戦でも結婚報告をすると聞き、漠然とする。
“くりすた”は大トリでラストを飾る。
年明けと共に活動を停止する。
医師に弁護士、大企業に勤めてるエリートなメンバー達。
「明日からは一般人に戻ります!!」
過去の名曲を含めて5曲をメドレーで歌いきり、年越しカウントダウンになった。
「“くりすた”のえいとさんから皆様にご報告があります」
有坂さんに指名され、瀬川社長がマイクを持つ。
「かねてよりお付き合いしておりました一般女性の方と結婚する運びになった事をご報告致します」
「おめでとう!!」
幸せそうな笑みを浮かべる瀬川社長。
これで結婚しなかったら、破局報道でかなり叩かれそうだ。
「伽音、群馬の実家に俺も行くから。結婚の承諾を貰わないといけないし」
元旦。
実家に帰る支度をしていたら用意万全の瀬川社長に声をかけられた。
「……嫌」
「車出すから。行くよ」
毎年紅白歌合戦を見て年越しをする両親。
“くりすた”のファンな母、えいとの結婚報告を見て感動してたと思う。
まさか、相手の一般人女性が私だとは思ってないはず。
「あら、お帰り。早……え、えいと!!」
玄関を開けて中に入ると母が出てきて、瀬川社長の姿を見て、歓喜する。
「お母さん、初めまして。瀬川英翔と申します。娘さんとの結婚を承諾して頂きたくご挨拶に参りました」
「えっ、お相手の一般人女性って伽音の事だったの……」
母は混乱している。
「えいとくんにスカウトされたって“すかいばーど”に入社して、推しの社長と恋仲になるなんて、伽音、やるわね。どうぞどうぞ、伽音を貰って下さいな。えいとくん、どうぞ上がって下さい。大したおもてなしはできませんが!!」
ヒル⚫︎ン東京の豪華御節をいつのまにか予約し、持参した瀬川社長。
高価な日本酒まで用意し、父と酒を交わしてる。
「泊まって行ってね。ふふ、伽音の部屋を見たらたまげるわね」
アパートの部屋以上に見せられないオタ部屋。
引きこもりだったから、部屋中を“えいと”のグッズで埋め尽くし憩いの場にしていた。
「アパートの部屋より……凄いな。嬉しい」
2次元と2.5次元の“えいと”グッズで埋め尽くされた部屋。
雑誌の切り抜きもラミネートして壁に貼り付けていて、狂気だと思う。
「限定グッズもほぼ全て手に入れてるんだな」
飲食店とのコラボグッズ。
母に付き合って貰って制覇した。
「伽音、俺の事、相当好きなんだな」
「……」
好きだった。
そして、また好きに成りつつある。
「3月に海外で2人だけのウェディングを挙げよう」
「……うん」
結婚するつもりはなかったけど、流されて承諾してしまった。
「応援して下さってる皆様にご報告があります。いつも側で支えてくれた彼女と結婚します!!」
何か企んでるなとは思っていたが、まさかラストライブの最後の最後にファンに結婚すると言い出すとは思っていなかった。
「えいとーー、おめでとう!!」
「お幸せに!!」
会場内に祝福する声があがる。
熱愛発覚当初はファンが遠ざかっていったがラストが近づくにつれ、戻ってきた。
瀬川社長が私との交際を隠す事なく、外出時に手を繋いで歩いたり、レストランで食べさせあったりと仲睦まじい姿をわざとらしく見せしめるからか理想的な恋人同士と注目を受け、結婚に関して祝福ムードになった。
「瀬川社長、私、結婚承諾してませんが」
「公言しちゃったし、これで結婚しなかった方がファンを裏切る事になり、叩かれるよ」
ライブが終わり、NHKへ向かう。
すかいばーどの歌い手全員が紅白歌合戦に出場する。
「えいとさん、件の彼女と結婚されるんですね。あっ、お隣の秘書さんがその彼女ですか?」
ライブが終わってから1時間も経って無いのに、瀬川社長の結婚発言はもうネットニュースになっていた。
「はい。私の妻になる伽音です」
司会をされてるお笑いタレント有坂さんに紹介され、苦笑いする。
「常に隣りに居させるって噂、本当なんだな。せっかくだ紅白でも結婚報告しないか?」
「いいですね、させて下さい」
「了解、あっ、行かないと」
ラストライブだけでなく、紅白歌合戦でも結婚報告をすると聞き、漠然とする。
“くりすた”は大トリでラストを飾る。
年明けと共に活動を停止する。
医師に弁護士、大企業に勤めてるエリートなメンバー達。
「明日からは一般人に戻ります!!」
過去の名曲を含めて5曲をメドレーで歌いきり、年越しカウントダウンになった。
「“くりすた”のえいとさんから皆様にご報告があります」
有坂さんに指名され、瀬川社長がマイクを持つ。
「かねてよりお付き合いしておりました一般女性の方と結婚する運びになった事をご報告致します」
「おめでとう!!」
幸せそうな笑みを浮かべる瀬川社長。
これで結婚しなかったら、破局報道でかなり叩かれそうだ。
「伽音、群馬の実家に俺も行くから。結婚の承諾を貰わないといけないし」
元旦。
実家に帰る支度をしていたら用意万全の瀬川社長に声をかけられた。
「……嫌」
「車出すから。行くよ」
毎年紅白歌合戦を見て年越しをする両親。
“くりすた”のファンな母、えいとの結婚報告を見て感動してたと思う。
まさか、相手の一般人女性が私だとは思ってないはず。
「あら、お帰り。早……え、えいと!!」
玄関を開けて中に入ると母が出てきて、瀬川社長の姿を見て、歓喜する。
「お母さん、初めまして。瀬川英翔と申します。娘さんとの結婚を承諾して頂きたくご挨拶に参りました」
「えっ、お相手の一般人女性って伽音の事だったの……」
母は混乱している。
「えいとくんにスカウトされたって“すかいばーど”に入社して、推しの社長と恋仲になるなんて、伽音、やるわね。どうぞどうぞ、伽音を貰って下さいな。えいとくん、どうぞ上がって下さい。大したおもてなしはできませんが!!」
ヒル⚫︎ン東京の豪華御節をいつのまにか予約し、持参した瀬川社長。
高価な日本酒まで用意し、父と酒を交わしてる。
「泊まって行ってね。ふふ、伽音の部屋を見たらたまげるわね」
アパートの部屋以上に見せられないオタ部屋。
引きこもりだったから、部屋中を“えいと”のグッズで埋め尽くし憩いの場にしていた。
「アパートの部屋より……凄いな。嬉しい」
2次元と2.5次元の“えいと”グッズで埋め尽くされた部屋。
雑誌の切り抜きもラミネートして壁に貼り付けていて、狂気だと思う。
「限定グッズもほぼ全て手に入れてるんだな」
飲食店とのコラボグッズ。
母に付き合って貰って制覇した。
「伽音、俺の事、相当好きなんだな」
「……」
好きだった。
そして、また好きに成りつつある。
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「……うん」
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