ardent love〜ハンサムでハイスペックな同期と〜

鳴宮鶉子

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アンドロイド主任に恋したかも!?

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「トミタから電話でブィッツのハイブリッド車に乗せるシフトバイワイヤアクチュエーターの試作に不具合が見つかったって。で、ハードが原因かソフトが原因か至急調べて欲しいって」

真宮主任と社内会議に出ていたわたし。
戻ってきて同僚の澄川さんから言われ、頭が白くなる。

「ハード担当のメンバーとトミタに向かう。新田も来い」

真宮主任がシフトバイワイヤアクチュエーターのハード開発部署に社内電話をかけ、合計5人でトミタに駆けつける事にした。

「ソフトは問題ないと思います。たぶん、部品メーカーにいい加減なところがあってそれでだと思います」

工場で生産する前段階の施策による不具合で、車に乗せない形での実験では問題はなかった。

「新田、心配するな。お前の仕事に関して、俺は確認してるから、原因はお前には無い」

真宮さんが運転して、わたしは助手席に座ってた。

トミタに着き、ブィッツの製造部に行き、シフトバイワイヤアクチュエーターの不具合についての検証を始めた。
うちで試験したシフトバイワイヤアクチュエーターで試したら稼働した事から、施策でブィッツに送られたシフトバイワイヤアクチュエーターに問題があるとわかり、ハード開発部署の人達の言ってた通り、部品に問題があった。

「前に部品メーカーに視察に行ったらかなりいい加減でげんなりしたんだよな。あそこには任せられないわ」

帰りの車の中でハード開発部署の3人が嘆いてた。

社に戻り、職場に戻っても不具合について引きずっていたわたし。
不具合でメーカーに呼び出された事が始めてで、メーカーに駆けつけて仕事をするなんて初めての事で、わたしはノートパソコンでシステムの確認などを真宮主任に指示された事しかできなかった。

「すぐに対応したから取引停止とかにはならないと思うけど、エンジン部品の不具合は生産開始して販売した後に何か問題が起きたら人の命を脅かす事になる。それにリコールになったらメーカーの信頼が落ちうちの賠償問題にも発展する。いい加減な気持ちで開発業務なんてできない。部品メーカーに関しては見直しされるだろうな」

真宮主任はボソリとそう呟き、その後パソコンの電源を付け別の仕事を始めた。
わたしもパソコンを付け、頭の中の切り替えができてないけど、他の車種のシフトバイワイヤアクチュエーターのシステムのプログラミングを始めた。

真宮主任は複雑なハイブリッド車のシフトバイワイヤアクチュエーターのシステムをしながらわたしや他の部下のシステムのプログラムの確認をしてる。
大学院博士課程卒業でもわたしと同期入社なのに、シフトバイワイヤアクチュエーターのシステムに関し新技術を開発をしたりと功績を残している。

無表情で淡々と仕事を熟してるアンドロイドみたいな真宮主任に対して、尊敬とは違う胸が高まる感情を、わたしは抱いてしまった。


「よくあるよ。量産に入る前のトラブル。下請けの部品メーカーいい加減な事をするとこあるから。トミタでバイトしてる時によくあった。だから気にしなくて大丈夫だよーー。
シフトバイワイヤアクチュエーターだとデンタが1番信頼性高いしーー」

仕事から帰って、先に帰ってた理子ちゃんに今日会った事を報告した。

「アンドロイドが率先と動いて対応したんだ。あの人、クライアントに対して誠意ある対応ができたんだね」

「……丁寧に謝罪していて、テキパキ動いて対応していてかっこよかった」

トミタのブィッツの製造部での真宮主任の姿を思い出し、胸がときめく。

「もしかして心菜ちゃん、アンドロイドに恋した!?その顔は恋に落ちた顔だ!!」

理子ちゃんがわたしの表情を見てニヤリと笑い、わたしに肘打ちして冷やかしてきた。

「……恋なのかな?」

「恋でしょ!!心菜ちゃん、大学時代から彼氏いなかったよね。告白されても即断ってたし」

「……だって好きじゃないのに付き合うなんて無理だし、友達として一緒にいるのも疲れそうだったんだもん」

大学時代、理子ちゃんほどじゃないけど、わたしも大学の先輩もしくは同級生の男性からよく告白されてた。

でも、どうしても好きになれる気がしなくて断ってた。

「心菜がアンドロイドを好きになるとはねーー。心菜の初恋、わたし、応援するから!!」

理子ちゃんがわたしの両手を掴んでぶんぶん振り回して楽しそうだった。

「ありがとう……」

時計の針を見たら11時過ぎていて急いでシャワーを浴びに行く。

そして、お布団の中に潜り込んだ。
眠ろうとしても頭の中で真宮主任の事ばかり思い浮かべてて、寝付けない。

完全に、わたし、真宮主任に恋してるーー。

「心菜ちゃん、この服、着てみて?」

朝、目覚まし時計が鳴り起きると今朝は早起きの理子ちゃんがわたしの部屋をノックして入ってきた。

「このワンピース、わたしが着ると胸が強調されるから心菜ちゃんにあげる。着てみて!!」

いきなり渡されたのはたぶん理子ちゃんがネットで購入したアピワイザーリッシェの細身のワンピース。
前に理子ちゃんが胸がきついと買ってお蔵入りしていたホワイト✖️桜色の清楚な感じのワンピース。
理子ちゃんはいわゆるボディーコンシャスな体型で、でも手足は細く、ウェストはくびれていて、温泉旅館に行くといつも理子ちゃんのスタイルの良さをみて自分の貧相な身体に溜息をついてるわたし……。

「心菜、着替えたらわたしがメイクするからそのまま出てきて」

いつもわたしが起こしに行かないといつまでも寝ている理子ちゃんが今朝は6時半には起きてて着替えてメイクをしていた。
わざわざわたしにおしゃれをさせようと早起きしたんだと思うと嬉しかった。

理子ちゃんから渡された服を着てみた。
可愛いデザインのワンピース。
部屋から出てリビングに行くと理子ちゃんがメイク道具を一式机の上に出して待っていて、わたしにメイクをしてくれた。

そして、ストレートの黒い髪を高い位置でポニーテールをして、ピンク色のバレッタをつけてくれた。

「心菜、めっちゃ綺麗!!スーパーモデルみたい!!」

理子ちゃんに全身がうつる鏡の前に連れて行かれ、今までと比べて見違える姿に変身したわたしに思わず見惚れてしまった。

「理子ちゃん、凄い。魔法を使ったみたい!!」

「心菜ちゃんの元が良いからだよ!!女は磨けば美しくなる。週末に一緒に服を買いに行こう」

「うん!!」

理子ちゃんのおかげで大変身を遂げたわたし、いつも通りの時間に家を出て、会社の側にあるカフェでモーニングを食べ、会社に向かう。

真宮主任に早く、この姿を見て貰いたかった。

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