辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子

文字の大きさ
3 / 10

天才建築士の仕事ぶり 2

しおりを挟む
「サウジアラビアのメッカで1192mの超高層ビル建築決定、イェーイ!!」

アラビア語を勉強する気がない私は隣の席でテレビ会議をしている須賀くんの話している言葉が全くわからない。だから、何を話していたかわからない。

「佐倉、終業後今日は残業せずに飲みに行こう!!」

次々とクライアントとテレビ会議で建築デザインを仕上げ手書きでささっと設計図を仕上げている須賀くんのスピードに私はついていけてない。

休日返上、毎日社内のシャワー室を使い、洗濯は週1でクリーニングに頼り、社内に泊まり込んで仕事をしてる。
残業時間に上限あるから、CAD設計でパソコンを使用している時はオフラインにし、社畜化して仕事をしてる。

「仕上げないといけない設計図面が溜まってるから無理です。1人で行くか、ファンクラブの子達に声をかけて付き合って貰ったらどうですか?」

眉目秀麗で頭脳明晰、成績優秀な須藤くん、独身女性なら誘えば80%ぐらいが恋人がいても着いていくだろう。

「佐倉と飲みに行きたい。こんな図面、瞬殺で片付くだろ。貸せっ!!」

溜まり溜まった12案件を見事なタイピングマウス捌きで4時間で社片付けた。
ちなみに私はなんとか3社片付けた。

「後は納期はまだ5日先だからなんとかなるだろ。飲みに行くぞっ!!」


終業時間がきて、設計CADで図面を作成していたら中途半端なところで保存され、パソコンをシャットダウンされてしまった。

「銀座の帝王ホテルの鉄板焼きの店を予約した。コース料理食った後、とびっきりのBARに連れて行ってやるよ!!」

設計図面作戦はクライアントに確認を仰ぎつつ、4~5人で2~5ヶ月かけて行う仕事。
同時進行で3~5案件受け持ち、時間をかけて行うのが本来あるべき姿。

施工は行わず設計だけなのもあり、須賀くんは設計図面をハイスピードに仕上げていくから、私は毎日仕事に追われ、睡眠不足なだけでなく運動不足、栄養不足で倒れそうだから家に帰って休みたい。

事務担当の派遣社員の女の子は須賀くんに誘って貰いたく、そわそわしてる。

「須賀くん、私、体調悪いからお酒飲んだら悪酔いしそうだから、他の子誘って行ってきなよ!!」

「俺はお前と行きたいんだ。奢ってやるからつべこべ言わずに着いてこい!!」

目の下隈子で女子力底辺な私と酒を飲んで何が楽しいのか理解不明。
超高層ビル建築の設計に憧れこの仕事に就いたけど、毎日仕事に追われて夢で魘され仮眠から覚めているのもあり、酒を飲みながら話が弾み楽しい時間が過ごせると思えない。

そんな私を強制的に自社ビルから連れ出し、タクシーに押し込み、飲みに連れ出す須賀くん。

須賀くんのマニアックな超高層ビル建築設計の話をひたすら聞かされる事が嫌で堪らなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

逃げても絶対に連れ戻すから

鳴宮鶉子
恋愛
逃げても絶対に連れ戻すから

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

凄腕ドクターは私との子供をご所望です

鳴宮鶉子
恋愛
凄腕ドクターは私との子供をご所望です

一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。

青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。 その肩書きに恐れをなして逃げた朝。 もう関わらない。そう決めたのに。 それから一ヶ月後。 「鮎原さん、ですよね?」 「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」 「僕と、結婚してくれませんか」 あの一夜から、溺愛が始まりました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...