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あなたとずっと一緒
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兄の住んでるマンションにお世話になるようになってからの2ヶ月。
平日も休日も兄と紗香さんは早朝から明け方まで帰ってこなかった。
父が社長の座から降り、兄が社長となり、紗香さんが社長秘書として兄のサポートをしているから2人は多忙極まりない生活を送っていた。
「愛伽、ここに署名して」
拓海さんが署名した離婚届を兄から渡された。
直ぐに署名し、印鑑を押す。
離婚にあたり、わたしの父からマイホームを建てる資金を贈与し、そして盗作の建築設計なのに社長賞で総額300万円を与えたとかで、兄が弁護士を立て、財産分与でマイホームはわたしが権利を持ち、慰謝料も貯金の半分をわたしに渡す事が決まったらしい。
そして、拓海さんは浮気相手と子供と拓海さんの地元神戸支社に異動する事になった。
拓海さんの仕出かした事は許される事ではない。
けれど父によって付き合っていた彼女と別れさせられわたしと結婚させられた。
兄的にわたしが妬まれて拓海さんに危害を加われたら怖いからと、拓海さんを支社に飛ばし監視しそこで仕事をさせるのが最善と考えたようだった。
兄から財産分与と拓海さんに対する法的な制裁について説明を受けた。
「これを出したら拓海さんの扶養から外れる。
独身に戻ると保険や税金とかかけないといけないから、愛伽、一条ホームでインテリアプランナーとして働くか?
大学時代に専門的な事を学んで資格も取ってる」
「……わたし、2ヶ月前から大学時代の先輩に声をかけて貰って大島建設でフリーランスのインテリアプランナーとして扶養内で昼間に働いてるの。
だから一条ホームで働けない。
それとその先輩がずっとわたしを支えてくれてて彼と一緒になりたいと思ってる。
お兄ちゃん、いい?」
恋人と暮らしてる兄の家でお世話になるのが気が引けていて、アパートを借りて出ていきたいと思った。
拓海さんと離婚したからとすぐに志貴と一緒になる事はいけない事のように思う。
でも志貴と生活を共にして側にいたいという想いが募っていた。
「……3月20日までの1ヶ月間はここで暮らしなさい。拓海さんが神戸に行くまではそういう行動は自粛するように。
それ以降は愛伽の好きにしていい。
……調べはついてる。
大島建設の創業者血筋の良いセンスを持った建築士の東堂志貴だろ。
愛伽が大学時代からずっと付き合ってる相手だろ。
愛伽も不貞行為を働いていていたから拓海さんだけを責める事ができないでいた。
……まあ、全て解決した。
仕事に行ってくる。夜に彼の家に行くのはいいが外を2人で歩いたりするなよ」
兄はそう言うと紗香さんと家を出て行った。
7時過ぎてたから志貴にモーニングコールで電話をかけた。
Oneコールで志貴が出た。
「おはよう。さっき、兄から拓海さんとの離婚に関する話があったてね今日は行けなかった。
あのね、さっき離婚届にサインした。財産分与について拓海さんへの制裁についてと今後のわたしの生活について話があった。
電話で話すのもあれだから、後で話す。
今から志貴は会社に行かないといけない入れ違いになるけどわたし、マンションに行ってそこで待ってるね」
志貴の出勤時間が迫ってたから伝えたい事だけを話した。
『……今日、来ないし連絡がなかったから心配したよ。そろそろ時間だなと思って待っててもいつになっても来ない。
今日のクライアント先は横浜だから行きの車内で話を聞く。
じゃ、そろそろ出るから後でな』
電話を切り、服を着替えてメークをし、志貴のマンションへ向かった。
「問題ない。親父とお袋には愛伽の事はもう話してる。親父とお袋も恋愛結婚だし、お互い仕事とプライベートでパートナーになる人ならどんな境遇でも受け入れると言ってる。
3月20日に元旦那が東京を離れたら、一緒に暮らそう。
そして、結婚しよう」
志貴が信号待ちの時間に、わたしの頭をポンと撫でてプロポーズをしてくれた。
3月の終わりに志貴の家に引っ越したわたし。
そして、4月からフリーランスとしてでなく正社員として大島建設でインテリアプランナーとして勤めるようになった。
「11月22日に結婚式を挙げて夫婦になろう」
わたしと志貴が出会い付き合い始めた記念日の4月17日に銀座のグランドルーツインホテルの最上階にあるフレンチレストラン ソレイユ で正式なプロポーズをされた。
志貴とずっと一緒に歩んでいける幸せに涙した。
平日も休日も兄と紗香さんは早朝から明け方まで帰ってこなかった。
父が社長の座から降り、兄が社長となり、紗香さんが社長秘書として兄のサポートをしているから2人は多忙極まりない生活を送っていた。
「愛伽、ここに署名して」
拓海さんが署名した離婚届を兄から渡された。
直ぐに署名し、印鑑を押す。
離婚にあたり、わたしの父からマイホームを建てる資金を贈与し、そして盗作の建築設計なのに社長賞で総額300万円を与えたとかで、兄が弁護士を立て、財産分与でマイホームはわたしが権利を持ち、慰謝料も貯金の半分をわたしに渡す事が決まったらしい。
そして、拓海さんは浮気相手と子供と拓海さんの地元神戸支社に異動する事になった。
拓海さんの仕出かした事は許される事ではない。
けれど父によって付き合っていた彼女と別れさせられわたしと結婚させられた。
兄的にわたしが妬まれて拓海さんに危害を加われたら怖いからと、拓海さんを支社に飛ばし監視しそこで仕事をさせるのが最善と考えたようだった。
兄から財産分与と拓海さんに対する法的な制裁について説明を受けた。
「これを出したら拓海さんの扶養から外れる。
独身に戻ると保険や税金とかかけないといけないから、愛伽、一条ホームでインテリアプランナーとして働くか?
大学時代に専門的な事を学んで資格も取ってる」
「……わたし、2ヶ月前から大学時代の先輩に声をかけて貰って大島建設でフリーランスのインテリアプランナーとして扶養内で昼間に働いてるの。
だから一条ホームで働けない。
それとその先輩がずっとわたしを支えてくれてて彼と一緒になりたいと思ってる。
お兄ちゃん、いい?」
恋人と暮らしてる兄の家でお世話になるのが気が引けていて、アパートを借りて出ていきたいと思った。
拓海さんと離婚したからとすぐに志貴と一緒になる事はいけない事のように思う。
でも志貴と生活を共にして側にいたいという想いが募っていた。
「……3月20日までの1ヶ月間はここで暮らしなさい。拓海さんが神戸に行くまではそういう行動は自粛するように。
それ以降は愛伽の好きにしていい。
……調べはついてる。
大島建設の創業者血筋の良いセンスを持った建築士の東堂志貴だろ。
愛伽が大学時代からずっと付き合ってる相手だろ。
愛伽も不貞行為を働いていていたから拓海さんだけを責める事ができないでいた。
……まあ、全て解決した。
仕事に行ってくる。夜に彼の家に行くのはいいが外を2人で歩いたりするなよ」
兄はそう言うと紗香さんと家を出て行った。
7時過ぎてたから志貴にモーニングコールで電話をかけた。
Oneコールで志貴が出た。
「おはよう。さっき、兄から拓海さんとの離婚に関する話があったてね今日は行けなかった。
あのね、さっき離婚届にサインした。財産分与について拓海さんへの制裁についてと今後のわたしの生活について話があった。
電話で話すのもあれだから、後で話す。
今から志貴は会社に行かないといけない入れ違いになるけどわたし、マンションに行ってそこで待ってるね」
志貴の出勤時間が迫ってたから伝えたい事だけを話した。
『……今日、来ないし連絡がなかったから心配したよ。そろそろ時間だなと思って待っててもいつになっても来ない。
今日のクライアント先は横浜だから行きの車内で話を聞く。
じゃ、そろそろ出るから後でな』
電話を切り、服を着替えてメークをし、志貴のマンションへ向かった。
「問題ない。親父とお袋には愛伽の事はもう話してる。親父とお袋も恋愛結婚だし、お互い仕事とプライベートでパートナーになる人ならどんな境遇でも受け入れると言ってる。
3月20日に元旦那が東京を離れたら、一緒に暮らそう。
そして、結婚しよう」
志貴が信号待ちの時間に、わたしの頭をポンと撫でてプロポーズをしてくれた。
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そして、4月からフリーランスとしてでなく正社員として大島建設でインテリアプランナーとして勤めるようになった。
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