ハイスペック上司からのドSな溺愛

地元に帰らせて頂きます

年末年始休暇が始まり、今年は大晦日から3日間休みがとれ1年半ぶりに地元京都へ帰省した。

私の兄が3年前に結婚し、この秋に第1子の息子が産まれた。
祝いに赤ちゃん用品と祝金を現金書留で送ったけど、仕事で休みがとれず産まれてまもない甥っ子に会いにいけてなく、この年末年始に会いにいきたいと須藤さんに伝えてた。

須藤さんは何かトラブルが起きた際の対応のため、東京から離れられず、私とこの年末年始休暇をゆっくり過ごしたかったみたいだけど、帰省を許してくれた。

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「和弥くん、可愛い！！」

大晦日、実家に帰ると兄夫婦が来ていて、生後3ヶ月の甥っ子を抱っこさせて貰った。

「莉愛、1年半ぶりだな。いまだにブラック企業に勤めてるんだな。ＰＭの資格が取れたんならブラック企業辞めて転職しろよ！！」

任天社でゲームクリエーターをしてる兄の将弥。
スマッシュシスターズ、スプライトチューンなどのアクションゲームの開発に携わってる。

「下請けシステム開発会社でも莉愛ちゃんが勤めてるとこはブラックすぎるわ！！私が勤めてるとこ、福利厚生しっかりあるし労働時間は守られてるよ」

奥さんの紗和さんはインターネット関連事業を手がけてる地元で勢いがあるベンジャー企業クエッションで、任天社関係のアプリゲームとWEBサイトの開発をしていて、出産後もリモートワークで1日5時間、無理なく仕事をしてる。

「あっ、うちの会社、今、中途採用を募集してる！！即戦力になる人を探してるし、莉愛ちゃん、おいでよー！！その気あるから、人事部に話しとくよ！！」

「紗和さん、ありがとう！！お願い！！」

紗和さんからありがたい申し出に感謝する。

ブラック企業は入社したら最後。
辞めたくても辞めれない……。

退職届をだしても、引き継ぎ云々以前に後任社員として採用した新入社員が育たず辞めていくために、ずるずる働かされ続ける。
それ故に、一方的に退職届を提出し姿をくらます社員が続出する。

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「須藤さん、スミマセン。実家の母が倒れてしまい地元に戻りたいのですが……」

年末年始休暇明けに、嘘は方便で須藤さんに退職の相談をする。

「……そっか。1月いっぱいで退職できるよう調整してみる」

私の退職を須藤さんは絶対に引き留めると思ったけど、理由が理由なだけに受け入れてくれた。

1月いっぱいでシステム・クリエーターを退職し、地元京都へ戻り、3月イッピからクエッションに勤める事になった。