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恋愛対策外【回想】 side 神崎拓海
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凛子の自由恋愛を邪魔したらいけない。
そう約束を交わしたけれど、探偵に彼女を尾行させ、恋人ができないよう邪魔をした。
女子大に通ってたのもあり、学校内で恋人ができる事をまずない。
できるとしたら学校外。
サークルには入らず建築系の企業にインターシップでバイトに入っていた凛子。
建築関係の資格取得のために夜間の専門学校に通っていて、それなりに出会いがあり、邪魔をするのに骨が折れた。
探偵から凛子が告白されて付き合い始めたと言う報告を受けたら、その相手に合コンを持ちかけ、他の女の子に乗り換えるよう持っていく。
不幸中の幸い、凛子が付き合った人がゼネコンもしくはデペロッパーで働いてる男だったら共通の知り合いがいて、合コンのセッティングができたかろ別れさせる事ができた。
月に1度は凛子と会っている。
婚約者として交際してる事を親父に報告入れないといけないため、義務として凛子に会うよう伝えた。
「拓海は付き合っている人いないの?」
「仕事が忙しいから女と遊んでる暇なんてない」
大学院修士課程修了後、デベロッパー御三家のトップ七井不動産に就職した。
大学時代に進学振り分けでトップの成績を取り、1年間、ケンブリッジ大学とユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンに交換留学で行ってきた。
その時に現地の大学生と共同設計したタワーマンションが過大な評価を受けた。
実際に建築された事で俺の名が建築業界で有名になり、七井不動産からスカウトを受け、大学院修士課程の時から正社員として雇用されていた。
「仕事ができるんですね。凄いです」
七井不動産のビル建設開発部で設計の仕事に携わってるのは俺ぐらい。
外装と内装のデザインについて口出しをし、設備に関しての決定権はあるが、施工会社のゼネコンに丸投げする。
「凄いと思ってないだろう」
「思ってますって」
「あっ、夏休みに七井不動産にインターシップでバイトに入ります。拓海さんの部署に配属されると思うので、会っても親しくして来ないで下さいね。間違っても婚約者だとは口が裂けても言わないで下さい」
夏休みにインターシップでバイトにきた凛子。
本人の基本で新築マンションの住宅設備の発注業務を2ヶ月間、任された。
バイトだけど研修扱いなのもあり、開発担当者に同行し、建築中のマンションの設備発注受け取りの業務を手伝ったりしていた。
「あの子にくれぐれも手を出さないで下さいね」
「な、なんで!?」
「……妹みたいな子なんです」
凛子が大学卒業するまでの辛抱。
大学卒業したら、彼女も結婚に向けて歩み寄ってきてくれるだろう。
凛子は俺と仮面夫婦になるつもりだが、俺は仲睦まじい夫婦になりたい。
建築関係の資格取得で分からないところを教えたり、恋人に振られて気落ちしてそうな彼女を食事に誘ったりし、俺の事を恋愛対象に思って貰えるよう努力した。
だが、
「拓海ってお兄ちゃんみたいです」
「……」
5歳年が離れていても、25歳と20歳の今なら恋愛対象として見られると思う。
待ちに待った凛子の大学卒業式。
卒業を祝いたいと次の日に彼女を食事に誘い、
「結婚に向けて付き合おう」
と伝え、真四角のジュエリーケースをスーツのポケットから取り出し、ハリーウィストンのエタニティデザインの婚約指輪を見せた。
「社会人として自由恋愛を楽しみたいので嫌てます。3年は待って欲しい」
「凛子、俺と恋愛しよう」
「嫌です。拓海さんは恋愛対象には見られません。そんな事言うなら、帰ります。ご馳走様でした」
デザートを食べ終え、食事のコーヒーを飲み干すタイミングだったから、凛子は俺を置いて帰って行った。
そして、LINE送っても既録でスルー。
通話をかけても無視された。
「しつこいと思われても歩み寄るしかないか」
彼女の職場は分かってる。
恋愛対象に見えないと言われたけど、諦めるわけにはいかない。
婚約者だからいつかは夫婦になる。
互いに愛し合う夫婦になるためにも凛子とコミュニケーションをとる事にした。
そう約束を交わしたけれど、探偵に彼女を尾行させ、恋人ができないよう邪魔をした。
女子大に通ってたのもあり、学校内で恋人ができる事をまずない。
できるとしたら学校外。
サークルには入らず建築系の企業にインターシップでバイトに入っていた凛子。
建築関係の資格取得のために夜間の専門学校に通っていて、それなりに出会いがあり、邪魔をするのに骨が折れた。
探偵から凛子が告白されて付き合い始めたと言う報告を受けたら、その相手に合コンを持ちかけ、他の女の子に乗り換えるよう持っていく。
不幸中の幸い、凛子が付き合った人がゼネコンもしくはデペロッパーで働いてる男だったら共通の知り合いがいて、合コンのセッティングができたかろ別れさせる事ができた。
月に1度は凛子と会っている。
婚約者として交際してる事を親父に報告入れないといけないため、義務として凛子に会うよう伝えた。
「拓海は付き合っている人いないの?」
「仕事が忙しいから女と遊んでる暇なんてない」
大学院修士課程修了後、デベロッパー御三家のトップ七井不動産に就職した。
大学時代に進学振り分けでトップの成績を取り、1年間、ケンブリッジ大学とユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンに交換留学で行ってきた。
その時に現地の大学生と共同設計したタワーマンションが過大な評価を受けた。
実際に建築された事で俺の名が建築業界で有名になり、七井不動産からスカウトを受け、大学院修士課程の時から正社員として雇用されていた。
「仕事ができるんですね。凄いです」
七井不動産のビル建設開発部で設計の仕事に携わってるのは俺ぐらい。
外装と内装のデザインについて口出しをし、設備に関しての決定権はあるが、施工会社のゼネコンに丸投げする。
「凄いと思ってないだろう」
「思ってますって」
「あっ、夏休みに七井不動産にインターシップでバイトに入ります。拓海さんの部署に配属されると思うので、会っても親しくして来ないで下さいね。間違っても婚約者だとは口が裂けても言わないで下さい」
夏休みにインターシップでバイトにきた凛子。
本人の基本で新築マンションの住宅設備の発注業務を2ヶ月間、任された。
バイトだけど研修扱いなのもあり、開発担当者に同行し、建築中のマンションの設備発注受け取りの業務を手伝ったりしていた。
「あの子にくれぐれも手を出さないで下さいね」
「な、なんで!?」
「……妹みたいな子なんです」
凛子が大学卒業するまでの辛抱。
大学卒業したら、彼女も結婚に向けて歩み寄ってきてくれるだろう。
凛子は俺と仮面夫婦になるつもりだが、俺は仲睦まじい夫婦になりたい。
建築関係の資格取得で分からないところを教えたり、恋人に振られて気落ちしてそうな彼女を食事に誘ったりし、俺の事を恋愛対象に思って貰えるよう努力した。
だが、
「拓海ってお兄ちゃんみたいです」
「……」
5歳年が離れていても、25歳と20歳の今なら恋愛対象として見られると思う。
待ちに待った凛子の大学卒業式。
卒業を祝いたいと次の日に彼女を食事に誘い、
「結婚に向けて付き合おう」
と伝え、真四角のジュエリーケースをスーツのポケットから取り出し、ハリーウィストンのエタニティデザインの婚約指輪を見せた。
「社会人として自由恋愛を楽しみたいので嫌てます。3年は待って欲しい」
「凛子、俺と恋愛しよう」
「嫌です。拓海さんは恋愛対象には見られません。そんな事言うなら、帰ります。ご馳走様でした」
デザートを食べ終え、食事のコーヒーを飲み干すタイミングだったから、凛子は俺を置いて帰って行った。
そして、LINE送っても既録でスルー。
通話をかけても無視された。
「しつこいと思われても歩み寄るしかないか」
彼女の職場は分かってる。
恋愛対象に見えないと言われたけど、諦めるわけにはいかない。
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