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仕事中に株トレードしてるのがバレた
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ーー 土曜日 夜 9時
毎週土曜日の夜9時は宗司さんとFXに関するチャットをしてる。
“取引銘柄を2つに絞り、購入する株数を増やそうと考えてます”
“遥華の狙う銘柄はリスクは低いが購入株数を増やすと損が出た時に痛いぞ”
“前場は株価が上昇する傾向だから200を300に変更し、後場はそのまま100で株価が上昇する傾向がある銘柄を購入しようと思ってます”
“安全な銘柄でいくなら問題ないとは思うが、銘柄はどうするんだ?”
“前場は緩やかに株価上昇してる銘柄をランダムに購入し、後場は株価が急上昇してる株価がそこそこの銘柄を狙うつもりです”
“後場こそ慎重にいく方がいいと思うが、ハイリスクな取引に手を出さないようだから安心した。
てか、遥華は大学卒業して本業があるんだろ?
生活には困らないだろうし、FXで稼ぐのゲーム感覚だから儲けを考えずにできる時にやるぐらいにしたら?」
“本業があるのは宗司さんもでしょ!!
貯蓄したお金で思い切って都心のタワーマンション中層階をキャッシュで買っちゃいました。
だから、本業だけでは生活が厳しくなりそうだからデイトレーダーとして毎日目標10万円稼ぐは続けたい!!”
その後、宗司さんに購入する銘柄についてを相談していき、来週の株トレードの作戦が決まった。
宗司さんと知り合ったのはわたしがデイトレーダーを始めてすぐの事で、ブログを関して都内の経営学部に通う危なっかしい女子大生のわたしにめをかけてくれた。
今はわたしも宗司さんもブログはしてない。
当時、株トレードに関するブログでNo.1だった宗司さんがひよっこのわたしに『知識がない奴がハイリスクに手を出すな。破滅するぞ!!』とメッセージをくれて、それから毎日のようにメッセージのやりとりを交わし、今の関係ができた。
“ハイリスクには手を出すなよ。危なっかしい”
そう宗司さんがいうから、わたしは安全第一で売り買い繰り返し戦法で稼いでる。
宗司さんはかなりリスキーな取引もしていて、平日に家にいる時は1日で1千万円稼いだりする。
でも、その方法はわたしには教えてくれない。
宗司さんと1時間ぐらいチャットを楽しんだ。
毎週、土曜日の夜 9時にわたしのために時間を作ってくれる宗司さん。
文章からわたしと歳はあまり変わらない気がする。
本業を別に持ち、FXで年収2億はいってる男だからモテると思う。
なのに、土曜日の夜にわたしのために時間を作ってくれる宗司さんに、わたしは会った事はないけど……恋してる。
でも、『会いたい』と伝えたらこの関係が壊れそうだから、いえない。
20歳になる直前に、付き合ってた彼氏の二股がわかり、別れて、女1人で生きていくためのお金を稼ぐ方法としてデイトレーダーに目をつけた。
FXの世界にのめり込み、気づいたら、わたしは8年間、彼氏がいない。
でも、デイトレーダーの師匠 宗司さんがいるから寂しくなかった。
でも……、実家からそろそろ結婚するよう圧がかかってきて、困ってた。
お見合いさせられて、無理矢理結婚なんてしたくない。
一生を添い遂げるなら宗司さんとがいいと思い、宗司さんの仕事が落ち着いた頃に“会いたい”とLINEメッセージを送ろうと心に決めた。
前場に3銘柄、後場に2銘柄、株トレードしたい……。
ーー 熱海 グランドプリンセスホテル
「これは……建て替えが必要だ。耐震的にまずい」
11月第1週の火曜日、日帰りで車を走らせ熱海にあるプリンセスホテルグループの施設を視察する。
わたしは常にノートパソコンで全国各地からくるメールを確認し、設備故障と老朽化による破損の対応をしつつ、久我部長とリフォームか建て替えかに関して議論する。
「あまりに施設が古びてたら客も泊まる気おきないからな……」
「……久我部長、建て替えは必要かと思いますが、今年の予算では無理です」
熱海は人気観光地だから常に部屋は8割方埋まる。
壁紙が黄ばんでるとか床の傷は気になるけれど、去年水道管を交換したから後5年はこのままにしたい。
電話がかかってきたら席を外してでるようにしてるから、そのタイミングでコソコソ株トレードをしてる。
“宗司さん、お疲れ様です。今日は現場視察で時間が取れず前場3銘柄、後場2銘柄でトレードしましたが、2銘柄マイナス出してしまったのがあり、+548000でした”
“お疲れさま。収益が-にならなかっただけよかったな”
“-が始まったらバイブするようiPhone設定してますが、すぐに売りに出せなくて……。ショックです”
“俺も今日は現場視察で予約取引で+789000万円で終わってた”
“予約取引……怖くて手を出した事がないですが、45分で売りに出すようにした方が安全なので明日からはその機能を使おうと思います”
“本業あるんだし、株トレードはゲームと思え。じゃ、また、明日な”
デイトレーダーとして生計をたててるわけではない。
タワーマンションの中層階に引っ越し、家具と家電を全て新調したけど、まだ5千万円貯蓄はある。
本業の月給は残業をマックスでしてるから手取りで48万円あるから、本業の給料だけで暮らせていける。
部長が変わってから、思うように株トレードができなかった。
ーー 12月初め
まさかのインフルエンザにかかり、自宅安静だけど、ノートパソコンで転送でくるメールチェックし、設備故障と老朽化による破損の対応だけは行った。
でも、最低1週間は休まないといけないからその間、株トレードに集中できるから嬉しかった。
16時過ぎ、宗司さんにLINEメッセージを送る。
“インフルエンザで自宅安静になったので今日は前場8銘柄、後場7銘柄で+350000円いきました。
自宅安静でも、本業の仕事があるから株トレードに専念はできなかったですが、こんなに+を出したのは学生時代以降無かったです。嬉しい!!”
仕事中だから既録にはならず、返信メッセージは返ってこない。
タミフルを処方されて飲んだけれどインフルエンザだから高熱は出ていて、少し休む事にした。
明日はいつもは手を出さないハイリスクだけど欲を出さなければ高額収入が得られる銘柄を購入してみようと、その銘柄を検討しリストアップした。
*****
( ピンポーン ーー )
ドアベルの音がして目を覚まし、モニターを見たら久我部長がいて慌ててでた。
タワーマンションのセキュリティーはしっかりしていて、住民以外はロック解除後3分以内に入ってエレベーターも他の階には停まれない構造になってる。
「櫻井……インフルエンザ大丈夫か?」
久我部長がポカリとゼリー、すぐに食べれる果物を買ってお見舞いに来て下さった。
寝起きなのと熱が高くてふらつく中で買ってきて下さった物が入った袋を受け取る。
「ありがとうこざいます……」
「櫻井、1人暮らしだろ?俺、ここの最上階に住んでるから何かあったら電話して。仕事でいつも無理させてるからごめん」
久我部長はわたしに仕事で無理をさせてる事を自覚してるようだった。
久我部長の方が多忙極まりない生活を送ってる。
施設事業だけでなく、企画事業に関しても案を出し動き、クリスマスと年始年末のプリンセスホテルの宿泊もランチとディナー予約は全て埋まった。
部下が同じマンションに住んでるからとわざわざ差し入れを持って来てくれた久我部長に少しときめいてしまった。
「ーー 危なっ!!」
高熱が出てるのに久我部長にドキッとしたからか、立ちくらみがして倒れ、久我部長の胸の中に倒れてしまった……。
「……40℃以上熱がでてるんじゃないか。歩けるか……ベッドまで連れてく。勝手に家の中に入る」
意識が朦朧としてるわたしを久我部長がお姫様抱っこしてくれて、寝室のベッドに運んでくれた。
寝室のベッドの横の棚に、株トレードの本と今までのデータを記入したノートと、研究ファイルとノートがある。
見られたらまずいと思いつつ、わたしをベッドの上にゆっくり寝かせてくれて布団をかけてくれた久我部長に感謝する。
わたしのおでこに冷えピタを貼ってくれた。
「……41℃か。ちょっと待ってて。鍵借りてく」
そう言うと久我部長がどこからか氷枕を持ってきてくれた。
そして起き上がらせてくれてポカリを飲ませてくれて、薬を飲む為に出汁の効いたお粥を作って食べさせてくれた。
お腹が満たされ、薬を飲み、わたしは気づいたら眠ってた。
次の朝、目が覚めたらわたしの左腕に点滴の針が刺されていた。
昨日と違うスーツを着た久我部長と久我部長の友人らしい白衣を着た医師とナース服を着た看護師さんがなぜかいた。
「櫻井さん、脱水症状起こしてたから友人の医師を呼んで点滴お願いした。熱は38℃台まで下がったけど、まだ上がるかもしれないから安静にしてて」
医師と看護師は診療時間になるからと帰っていった。
「施設設備故障と老朽化による破損の対応は俺がするから、今日はゆっくり休んでて」
「大丈夫です。久我部長多忙なので、休み休みやります」
「……重症化していたのによく言うよ。助かるけど、無理だけはするな。俺もそろそろ行かないとまずいな。昼にまた来るからカードキーの予備借りてく。後……株、エブリストとグリーンは辞めとけ、そろそろ株価が急速に落ちる」
そういうと、久我部長はわたしの頭にぽんっと手を置いて、固まってるわたしを置いて、会社に向かった。
久我部長にわたしが株トレードをしてる事をバレてしまった。
寝室のベッドの横にデスクトップのパソコンがあり、そのキーボードの上に日々の取引データを書いたノートを開いた状態で置いてた。
取引時間と銘柄、本日の取引、本日の利益と反省点などを記入してるノート。
その日の計画を前の日に書いてて、それを見られてしまった……。
仕事中にiPhoneで株トレードをしてるのがバレてしまった……。
でも、株トレードは辞められない。
インフルエンザで高熱を出してたとしても、午前中、いつもの安全第一の銘柄を6つと売り買いとハイリスクを3つ手を出した。
いつもは1つずつ買うところを3つ書い、売るタイミングをデスクトップのパソコンで株価な動きを見つめる。
施設設備故障と老朽化による破損の対応をしながら、ここといった所で売る。
11時30分に前場終了で利益が+580000円出たのは初めてで、仕事を辞めてデイトレーダーをした方がいい気がしてきた。
前場の準備で宗司さんにLINEメッセージを送ってなかった事に気づく。
昨日の21時過ぎに返信がきてた。
“遥華、インフルエンザなら株トレードの事を考えずに寝なさい。高熱が出てる時にやると判断力が落ちて損を出すよ”
“宗司さん、おはようございます。
前場対策でLINEメッセージ送れませんでした。
インフルエンザの高熱はもう大丈夫そうです。ご心配おかけしました。
同じマンションに住んでる上司が差し入れしてくれたり医者を呼んで下さって、そのおかげで熱は下がりました。
ですが……上司に仕事中に株トレードしてるのがばれちゃいました。
仕事を最優先にしてます。
株トレードができない生活は考えられないから、就業中に株トレードを辞めるよう言われたらどうしよう……。
転職はしなくないですが、株トレードができなくなるなら仕事辞めます”
前場終了後、久我部長に株トレードを就業時間にしてる事に対して咎められたら、どう受け答えしようかとわたしは頭を抱えてしまった。
昼休憩に顔を出しにくると仰ってたからそろそろくる頃だと思うと、恐ろしくなった。
毎週土曜日の夜9時は宗司さんとFXに関するチャットをしてる。
“取引銘柄を2つに絞り、購入する株数を増やそうと考えてます”
“遥華の狙う銘柄はリスクは低いが購入株数を増やすと損が出た時に痛いぞ”
“前場は株価が上昇する傾向だから200を300に変更し、後場はそのまま100で株価が上昇する傾向がある銘柄を購入しようと思ってます”
“安全な銘柄でいくなら問題ないとは思うが、銘柄はどうするんだ?”
“前場は緩やかに株価上昇してる銘柄をランダムに購入し、後場は株価が急上昇してる株価がそこそこの銘柄を狙うつもりです”
“後場こそ慎重にいく方がいいと思うが、ハイリスクな取引に手を出さないようだから安心した。
てか、遥華は大学卒業して本業があるんだろ?
生活には困らないだろうし、FXで稼ぐのゲーム感覚だから儲けを考えずにできる時にやるぐらいにしたら?」
“本業があるのは宗司さんもでしょ!!
貯蓄したお金で思い切って都心のタワーマンション中層階をキャッシュで買っちゃいました。
だから、本業だけでは生活が厳しくなりそうだからデイトレーダーとして毎日目標10万円稼ぐは続けたい!!”
その後、宗司さんに購入する銘柄についてを相談していき、来週の株トレードの作戦が決まった。
宗司さんと知り合ったのはわたしがデイトレーダーを始めてすぐの事で、ブログを関して都内の経営学部に通う危なっかしい女子大生のわたしにめをかけてくれた。
今はわたしも宗司さんもブログはしてない。
当時、株トレードに関するブログでNo.1だった宗司さんがひよっこのわたしに『知識がない奴がハイリスクに手を出すな。破滅するぞ!!』とメッセージをくれて、それから毎日のようにメッセージのやりとりを交わし、今の関係ができた。
“ハイリスクには手を出すなよ。危なっかしい”
そう宗司さんがいうから、わたしは安全第一で売り買い繰り返し戦法で稼いでる。
宗司さんはかなりリスキーな取引もしていて、平日に家にいる時は1日で1千万円稼いだりする。
でも、その方法はわたしには教えてくれない。
宗司さんと1時間ぐらいチャットを楽しんだ。
毎週、土曜日の夜 9時にわたしのために時間を作ってくれる宗司さん。
文章からわたしと歳はあまり変わらない気がする。
本業を別に持ち、FXで年収2億はいってる男だからモテると思う。
なのに、土曜日の夜にわたしのために時間を作ってくれる宗司さんに、わたしは会った事はないけど……恋してる。
でも、『会いたい』と伝えたらこの関係が壊れそうだから、いえない。
20歳になる直前に、付き合ってた彼氏の二股がわかり、別れて、女1人で生きていくためのお金を稼ぐ方法としてデイトレーダーに目をつけた。
FXの世界にのめり込み、気づいたら、わたしは8年間、彼氏がいない。
でも、デイトレーダーの師匠 宗司さんがいるから寂しくなかった。
でも……、実家からそろそろ結婚するよう圧がかかってきて、困ってた。
お見合いさせられて、無理矢理結婚なんてしたくない。
一生を添い遂げるなら宗司さんとがいいと思い、宗司さんの仕事が落ち着いた頃に“会いたい”とLINEメッセージを送ろうと心に決めた。
前場に3銘柄、後場に2銘柄、株トレードしたい……。
ーー 熱海 グランドプリンセスホテル
「これは……建て替えが必要だ。耐震的にまずい」
11月第1週の火曜日、日帰りで車を走らせ熱海にあるプリンセスホテルグループの施設を視察する。
わたしは常にノートパソコンで全国各地からくるメールを確認し、設備故障と老朽化による破損の対応をしつつ、久我部長とリフォームか建て替えかに関して議論する。
「あまりに施設が古びてたら客も泊まる気おきないからな……」
「……久我部長、建て替えは必要かと思いますが、今年の予算では無理です」
熱海は人気観光地だから常に部屋は8割方埋まる。
壁紙が黄ばんでるとか床の傷は気になるけれど、去年水道管を交換したから後5年はこのままにしたい。
電話がかかってきたら席を外してでるようにしてるから、そのタイミングでコソコソ株トレードをしてる。
“宗司さん、お疲れ様です。今日は現場視察で時間が取れず前場3銘柄、後場2銘柄でトレードしましたが、2銘柄マイナス出してしまったのがあり、+548000でした”
“お疲れさま。収益が-にならなかっただけよかったな”
“-が始まったらバイブするようiPhone設定してますが、すぐに売りに出せなくて……。ショックです”
“俺も今日は現場視察で予約取引で+789000万円で終わってた”
“予約取引……怖くて手を出した事がないですが、45分で売りに出すようにした方が安全なので明日からはその機能を使おうと思います”
“本業あるんだし、株トレードはゲームと思え。じゃ、また、明日な”
デイトレーダーとして生計をたててるわけではない。
タワーマンションの中層階に引っ越し、家具と家電を全て新調したけど、まだ5千万円貯蓄はある。
本業の月給は残業をマックスでしてるから手取りで48万円あるから、本業の給料だけで暮らせていける。
部長が変わってから、思うように株トレードができなかった。
ーー 12月初め
まさかのインフルエンザにかかり、自宅安静だけど、ノートパソコンで転送でくるメールチェックし、設備故障と老朽化による破損の対応だけは行った。
でも、最低1週間は休まないといけないからその間、株トレードに集中できるから嬉しかった。
16時過ぎ、宗司さんにLINEメッセージを送る。
“インフルエンザで自宅安静になったので今日は前場8銘柄、後場7銘柄で+350000円いきました。
自宅安静でも、本業の仕事があるから株トレードに専念はできなかったですが、こんなに+を出したのは学生時代以降無かったです。嬉しい!!”
仕事中だから既録にはならず、返信メッセージは返ってこない。
タミフルを処方されて飲んだけれどインフルエンザだから高熱は出ていて、少し休む事にした。
明日はいつもは手を出さないハイリスクだけど欲を出さなければ高額収入が得られる銘柄を購入してみようと、その銘柄を検討しリストアップした。
*****
( ピンポーン ーー )
ドアベルの音がして目を覚まし、モニターを見たら久我部長がいて慌ててでた。
タワーマンションのセキュリティーはしっかりしていて、住民以外はロック解除後3分以内に入ってエレベーターも他の階には停まれない構造になってる。
「櫻井……インフルエンザ大丈夫か?」
久我部長がポカリとゼリー、すぐに食べれる果物を買ってお見舞いに来て下さった。
寝起きなのと熱が高くてふらつく中で買ってきて下さった物が入った袋を受け取る。
「ありがとうこざいます……」
「櫻井、1人暮らしだろ?俺、ここの最上階に住んでるから何かあったら電話して。仕事でいつも無理させてるからごめん」
久我部長はわたしに仕事で無理をさせてる事を自覚してるようだった。
久我部長の方が多忙極まりない生活を送ってる。
施設事業だけでなく、企画事業に関しても案を出し動き、クリスマスと年始年末のプリンセスホテルの宿泊もランチとディナー予約は全て埋まった。
部下が同じマンションに住んでるからとわざわざ差し入れを持って来てくれた久我部長に少しときめいてしまった。
「ーー 危なっ!!」
高熱が出てるのに久我部長にドキッとしたからか、立ちくらみがして倒れ、久我部長の胸の中に倒れてしまった……。
「……40℃以上熱がでてるんじゃないか。歩けるか……ベッドまで連れてく。勝手に家の中に入る」
意識が朦朧としてるわたしを久我部長がお姫様抱っこしてくれて、寝室のベッドに運んでくれた。
寝室のベッドの横の棚に、株トレードの本と今までのデータを記入したノートと、研究ファイルとノートがある。
見られたらまずいと思いつつ、わたしをベッドの上にゆっくり寝かせてくれて布団をかけてくれた久我部長に感謝する。
わたしのおでこに冷えピタを貼ってくれた。
「……41℃か。ちょっと待ってて。鍵借りてく」
そう言うと久我部長がどこからか氷枕を持ってきてくれた。
そして起き上がらせてくれてポカリを飲ませてくれて、薬を飲む為に出汁の効いたお粥を作って食べさせてくれた。
お腹が満たされ、薬を飲み、わたしは気づいたら眠ってた。
次の朝、目が覚めたらわたしの左腕に点滴の針が刺されていた。
昨日と違うスーツを着た久我部長と久我部長の友人らしい白衣を着た医師とナース服を着た看護師さんがなぜかいた。
「櫻井さん、脱水症状起こしてたから友人の医師を呼んで点滴お願いした。熱は38℃台まで下がったけど、まだ上がるかもしれないから安静にしてて」
医師と看護師は診療時間になるからと帰っていった。
「施設設備故障と老朽化による破損の対応は俺がするから、今日はゆっくり休んでて」
「大丈夫です。久我部長多忙なので、休み休みやります」
「……重症化していたのによく言うよ。助かるけど、無理だけはするな。俺もそろそろ行かないとまずいな。昼にまた来るからカードキーの予備借りてく。後……株、エブリストとグリーンは辞めとけ、そろそろ株価が急速に落ちる」
そういうと、久我部長はわたしの頭にぽんっと手を置いて、固まってるわたしを置いて、会社に向かった。
久我部長にわたしが株トレードをしてる事をバレてしまった。
寝室のベッドの横にデスクトップのパソコンがあり、そのキーボードの上に日々の取引データを書いたノートを開いた状態で置いてた。
取引時間と銘柄、本日の取引、本日の利益と反省点などを記入してるノート。
その日の計画を前の日に書いてて、それを見られてしまった……。
仕事中にiPhoneで株トレードをしてるのがバレてしまった……。
でも、株トレードは辞められない。
インフルエンザで高熱を出してたとしても、午前中、いつもの安全第一の銘柄を6つと売り買いとハイリスクを3つ手を出した。
いつもは1つずつ買うところを3つ書い、売るタイミングをデスクトップのパソコンで株価な動きを見つめる。
施設設備故障と老朽化による破損の対応をしながら、ここといった所で売る。
11時30分に前場終了で利益が+580000円出たのは初めてで、仕事を辞めてデイトレーダーをした方がいい気がしてきた。
前場の準備で宗司さんにLINEメッセージを送ってなかった事に気づく。
昨日の21時過ぎに返信がきてた。
“遥華、インフルエンザなら株トレードの事を考えずに寝なさい。高熱が出てる時にやると判断力が落ちて損を出すよ”
“宗司さん、おはようございます。
前場対策でLINEメッセージ送れませんでした。
インフルエンザの高熱はもう大丈夫そうです。ご心配おかけしました。
同じマンションに住んでる上司が差し入れしてくれたり医者を呼んで下さって、そのおかげで熱は下がりました。
ですが……上司に仕事中に株トレードしてるのがばれちゃいました。
仕事を最優先にしてます。
株トレードができない生活は考えられないから、就業中に株トレードを辞めるよう言われたらどうしよう……。
転職はしなくないですが、株トレードができなくなるなら仕事辞めます”
前場終了後、久我部長に株トレードを就業時間にしてる事に対して咎められたら、どう受け答えしようかとわたしは頭を抱えてしまった。
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