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復縁をせまられて
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窓から差し込め明かりが眩しく目を覚ます。
ホテルではない誰かの家のベッドの中で目が覚め、懐かしい香りに穏やかな気持ちでいられた。
昨日着ていた服のまま眠っていて、起き上がりベッドから立ち上がり部屋を出た。
出た先はリビングでソファーで大輝がまだ寝ていて、起こすのも可哀想だからキッチンに行き、無断だけどお米を研ぎ、消費期限が切れそうな卵とソーセージと玉ねぎでオムライスを作った。
12時過ぎに大輝が起きてキッチンに現れた時にちょうど完成していて、一緒にダイニングテーブルで向き合って食べた。
「昨日はありがとう。次からは飲み過ぎないようにする……」
「……危ないからもう酒は飲むな」
お酒の恐ろしさは痛感してる。元カノでも大学時代のサークルの後輩で部下だから襲わなかった大輝はさすがだと思う。
わたしが襲う価値がないからかもしれないけれど、寝こみを襲わない大輝の誠実さに感動してたりする。
食事を終え片付けをし、さすがにシャワーを浴びて着替えたくて帰る支度をする。
「大輝、色々ありがとう。そろそろ帰るね」
リビングのソファーに座ってタブレットを見てる大輝に声をかける。
「結衣、今日休みだしどこか一緒に出かけよう」
「シャワー浴びたいし着替えない」
「着替えならある」
大輝が寝室にあるクローゼットの中にあるタンスからわたしが昔気に入って着てたレッセパッセのブラウスとスカートとその中に下着を挟んで持ってきた。
「シャワー浴びてきて。久しぶりにドライブに行こう」
断ろうと思ったのに大輝に誘われたのが嬉しくて素直にシャワーを浴びて髪を乾かしメイクをして準備をしてしまう。
大輝のうちを出たのが14時過ぎで、「どこに行く?」と大輝に聞いたら、「行き先は決めてる」と言われ、大輝の愛車、黒塗りのBMWの助手席に乗せられた。
30分ほど車を走らせた先は海遊館でわたしと大輝が初デートで行ったところだった。
「……丸いなこいつ」
愛嬌を振りまくまん丸ワモンアザラシに失礼な発言をする大輝。
5年前にはこんな立派な体型をしたワモンアザラシは居なかった。
悠々と泳ぐ巨大なジンベエザメやフォトジェニックな海月などの展示を見て回っていたら、夕方の5時過ぎて館内BGMが変わり、照明も暗めになった。
昼間に活発だった魚たちがゆっくり泳ぐようになったり、動物たちはゴロリと横になったり無防備に眠りだし、水槽に月明かりのように光が差し込み、その中をゆったりと魚が泳ぐ姿は幻想的で感動した。
さりげなく大輝に手を握られ、ゆっくり館内を歩く。
この時間帯になるとぐっとカップル率が高くなった。
18時過ぎまで3時間ほど海遊館を楽しみ、帰路に着く頃にした。
「夕飯は梅田スカイビル(空中庭園展望台)内で取ろう」
20時半過ぎに大輝のマンションに着き、そのまま走りのタクシーに乗り、梅田スカイビルに向かった。
39階にある和食の空中レストランにいつの間にか予約を入れてくれて、手を繋がれて入る。
夜景がよく見える席に案内されて、夜景を楽しみながらすき焼きとお寿司と天ぷらのコース料理を舌鼓する。
食後に40階に上がり、地上173mの「空中庭園展望台」で風に吹かれながら大阪の街並みを一望した。
「俺さ、結衣と別れた事を……ずっと後悔してた。
本社勤務で初めに配属されたのが営業で、仕事を取ってきても戦略プランナーとして広告制作には携われない事にストレスを抱えてた。
それなのに戦略プランナーとして活躍してる結衣が俺との遠距離に耐えれなくて仕事を辞めて東京に来ると言いだして、それがが許せなくて結衣に別れを切り出してしまった。
すぐに結衣に謝って寄りを戻したいと思った。
だけど、情けなさ過ぎて、自分の中で出世して結衣にもう1度告白しようと思った。
だから、結衣と別れてから俺、仕事をがむしゃらに頑張って戦略プランナーになって順調に出世して関西支社の部長になった。
佐倉から結衣がどうしてるか情報が入ってくるから、結衣に恋人ができたらすぐに奪い返しにいくつもりだった。
結衣、俺ともう1度付き合ってくれないか。
……付き合うだけでなく、俺と結婚してくれないか」
風に吹かれながら大阪の街並みを眺めてた時に、大輝から声をかけられ、プロポーズをされた。
「……ごめんなさい。仕事に集中したいのと大輝と寄りを戻したらまただめな自分に戻ってしまいそうだからごめんなさい」
大輝と付き合っていた時の自分について振り返る。
大輝に甘えてばかりいて大輝に依存していたわたし。
大学時代の4年間、大学の講義中以外は常に側にいた。
大輝がクイズ王としてテレビ番組に出演する時もついていってた。
だから遠距離恋愛になり大輝と離れているのがつらくて、仕事を辞めて大輝のいる東京に追いかけて行こうとした。
大輝と別れてからのわたし。
寂しさを埋めるように仕事に打ち込み、それなりに仕事で評価されるようになり、1人でしっかり生きていけるようになった。
「……結衣は成長した。俺に甘えてばかりいたのが今は芯を持ったしっかりした女性に成長した。俺と寄りを戻したからって昔の結衣には戻らないよ。
俺、諦めないから。
そろそろ帰ろうか」
大輝からのプロポーズをわたしは断った。
梅田スカイビルを後にタクシーでそのままわたしが住む賃貸マンションに送って貰った。
ホテルではない誰かの家のベッドの中で目が覚め、懐かしい香りに穏やかな気持ちでいられた。
昨日着ていた服のまま眠っていて、起き上がりベッドから立ち上がり部屋を出た。
出た先はリビングでソファーで大輝がまだ寝ていて、起こすのも可哀想だからキッチンに行き、無断だけどお米を研ぎ、消費期限が切れそうな卵とソーセージと玉ねぎでオムライスを作った。
12時過ぎに大輝が起きてキッチンに現れた時にちょうど完成していて、一緒にダイニングテーブルで向き合って食べた。
「昨日はありがとう。次からは飲み過ぎないようにする……」
「……危ないからもう酒は飲むな」
お酒の恐ろしさは痛感してる。元カノでも大学時代のサークルの後輩で部下だから襲わなかった大輝はさすがだと思う。
わたしが襲う価値がないからかもしれないけれど、寝こみを襲わない大輝の誠実さに感動してたりする。
食事を終え片付けをし、さすがにシャワーを浴びて着替えたくて帰る支度をする。
「大輝、色々ありがとう。そろそろ帰るね」
リビングのソファーに座ってタブレットを見てる大輝に声をかける。
「結衣、今日休みだしどこか一緒に出かけよう」
「シャワー浴びたいし着替えない」
「着替えならある」
大輝が寝室にあるクローゼットの中にあるタンスからわたしが昔気に入って着てたレッセパッセのブラウスとスカートとその中に下着を挟んで持ってきた。
「シャワー浴びてきて。久しぶりにドライブに行こう」
断ろうと思ったのに大輝に誘われたのが嬉しくて素直にシャワーを浴びて髪を乾かしメイクをして準備をしてしまう。
大輝のうちを出たのが14時過ぎで、「どこに行く?」と大輝に聞いたら、「行き先は決めてる」と言われ、大輝の愛車、黒塗りのBMWの助手席に乗せられた。
30分ほど車を走らせた先は海遊館でわたしと大輝が初デートで行ったところだった。
「……丸いなこいつ」
愛嬌を振りまくまん丸ワモンアザラシに失礼な発言をする大輝。
5年前にはこんな立派な体型をしたワモンアザラシは居なかった。
悠々と泳ぐ巨大なジンベエザメやフォトジェニックな海月などの展示を見て回っていたら、夕方の5時過ぎて館内BGMが変わり、照明も暗めになった。
昼間に活発だった魚たちがゆっくり泳ぐようになったり、動物たちはゴロリと横になったり無防備に眠りだし、水槽に月明かりのように光が差し込み、その中をゆったりと魚が泳ぐ姿は幻想的で感動した。
さりげなく大輝に手を握られ、ゆっくり館内を歩く。
この時間帯になるとぐっとカップル率が高くなった。
18時過ぎまで3時間ほど海遊館を楽しみ、帰路に着く頃にした。
「夕飯は梅田スカイビル(空中庭園展望台)内で取ろう」
20時半過ぎに大輝のマンションに着き、そのまま走りのタクシーに乗り、梅田スカイビルに向かった。
39階にある和食の空中レストランにいつの間にか予約を入れてくれて、手を繋がれて入る。
夜景がよく見える席に案内されて、夜景を楽しみながらすき焼きとお寿司と天ぷらのコース料理を舌鼓する。
食後に40階に上がり、地上173mの「空中庭園展望台」で風に吹かれながら大阪の街並みを一望した。
「俺さ、結衣と別れた事を……ずっと後悔してた。
本社勤務で初めに配属されたのが営業で、仕事を取ってきても戦略プランナーとして広告制作には携われない事にストレスを抱えてた。
それなのに戦略プランナーとして活躍してる結衣が俺との遠距離に耐えれなくて仕事を辞めて東京に来ると言いだして、それがが許せなくて結衣に別れを切り出してしまった。
すぐに結衣に謝って寄りを戻したいと思った。
だけど、情けなさ過ぎて、自分の中で出世して結衣にもう1度告白しようと思った。
だから、結衣と別れてから俺、仕事をがむしゃらに頑張って戦略プランナーになって順調に出世して関西支社の部長になった。
佐倉から結衣がどうしてるか情報が入ってくるから、結衣に恋人ができたらすぐに奪い返しにいくつもりだった。
結衣、俺ともう1度付き合ってくれないか。
……付き合うだけでなく、俺と結婚してくれないか」
風に吹かれながら大阪の街並みを眺めてた時に、大輝から声をかけられ、プロポーズをされた。
「……ごめんなさい。仕事に集中したいのと大輝と寄りを戻したらまただめな自分に戻ってしまいそうだからごめんなさい」
大輝と付き合っていた時の自分について振り返る。
大輝に甘えてばかりいて大輝に依存していたわたし。
大学時代の4年間、大学の講義中以外は常に側にいた。
大輝がクイズ王としてテレビ番組に出演する時もついていってた。
だから遠距離恋愛になり大輝と離れているのがつらくて、仕事を辞めて大輝のいる東京に追いかけて行こうとした。
大輝と別れてからのわたし。
寂しさを埋めるように仕事に打ち込み、それなりに仕事で評価されるようになり、1人でしっかり生きていけるようになった。
「……結衣は成長した。俺に甘えてばかりいたのが今は芯を持ったしっかりした女性に成長した。俺と寄りを戻したからって昔の結衣には戻らないよ。
俺、諦めないから。
そろそろ帰ろうか」
大輝からのプロポーズをわたしは断った。
梅田スカイビルを後にタクシーでそのままわたしが住む賃貸マンションに送って貰った。
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