ひと夏だけと思ってたアバンチュール

鳴宮鶉子

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アバンチュールな恋に囚われて

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「愛凛、俺と付き合って欲しい。毎週金曜日にBAR海空で落ち合って週末はここで一緒に過ごそう」

週末、ランチは地下にある成城石井の豪華惣菜を買って来てくれて、ディナーは老舗ホテルのケータリングを頼んでくれた橘 涼真さん。

食事の時間以外は常にベッドの上にいて、わたしは完全に橘涼真さんの調教され、パブロフの犬並の条件反射で橘涼真さんとの行為を受け入れてた。

「……家に帰したくないけど、愛凛も仕事があると思うから閉じ込めて置くわけにはいかないな。
金曜日にBAR 海空に来いよ」

日曜日の午後22時に銀座にあるタワーマンションの中層階の一室から解放され、タクシーに乗り自宅マンションに戻る。

わたしの恥部に常に収まってた橘涼真さんの逸物が抜かれ、橘涼真さんに手懐けられたわたしは身体の乾きを感じながら平日の5日間を過ごした。
フリーランスで引き受けた仕事をこなすも時間を持て余し、派遣会社から新たに仕事を請け負い、仕事で疼く身体を紛らわした。

趣味の音楽サイトへの投稿もし、自宅で引きこもりパソコン作業をして時間を潰してた。

金曜日、BAR 海空に行く前にとエステで全身ボディートリートメントを受ける。
毎日マンションでストレッチや筋トレ、DVDを見ながらヨガやエアロビクスはしてる。
スタイルは悪くはないと思う。
でも25歳過ぎると肌のハリが損なってきて、肉もたるんでくる。
だから婚約者を若い新入社員の女の子に寝取られてしまったとわたしは思った。

レッセパッセの水色のブラウスにベージュのスカートにシャネルの白のミュールを履いてシャネルのチェリーブロッサム色のフラップバッグを提げて夜の銀座の街に向かった。

20時過ぎに店内に入り、カウンターでザクロとアセロラの軽めのカクテルを作って貰い口にする。

「宮坂愛凛さん、今日も歌ってくれませんか?」

2杯目のマンゴーとパイナップルの甘いカクテルを飲み終えたところで、LIVE担当のボーイに声をかけられた。

ほろ酔いで気分上々で引き受けた。
YouTubeとニコ生ではオリジナルアニメーションムービーを使ってるから顔バレはしてない。

ステージに立ち、得意な5曲を選択して熱唱する。
ポカロ曲や古い名曲を選曲し歌う。

『宮坂愛凛だ。顔がちっちゃい、スタイルいい!!』

若い世代の子が多いからかYouTubeのランキングでわたしの事を知っていて、YouTubeでは顔出ししてないから実物を見て幻滅しないか不安に思いつつ、最後まで歌いきった。

わたしの次にステージに立ったのが橘涼真さんで、神々しい姿と歌声にステージを降りてすぐ側で魅入って聴き惚れて立ち竦んでしまった。

橘涼真さんが5曲歌いきりステージを降り、わたしの耳元で『着いてきて』と囁いた。
橘涼真さんと少し距離を開け着いて行く。

「早く2人きりになりたいから」

BAR海空の裏口から出るとタクシーが止まっていて、手を引かれ一緒に乗り込んだ。

タクシーは5分ほど走り、銀座のタワーマンションの前に止まった。

エレベーターに乗り25階の左の角部屋15号室に入るとドアを閉めた途端に唇を奪われた。

ドアに追い込まれドアに押し付けられ激しく口内を攻められる。
ブラウスを手繰り上げ、右胸の膨らみを刺激され、甘い声が溢れてしまう。

橘涼真さんの左手がスカートの下から左腿を這いながら脚の付け根に辿り着き、感じて潤って湿ってるパンティを上から触る。

「もうこんなに感じちゃって。ここで1回やろっか」


わたしの耳元でそう呟くとわたしを背後に向かせ、パンティを下げ、わたしの中に勇ましく勃った逸物を挿れ、激しく突いてきた。

ドアに両手を突き、橘涼真さんに恥部の奥を突かれる衝撃に堪える。
奥に奥にと子宮口に当たるんじゃないかというぐらい突かれ、あまりの気持ちさに意識を飛ばしそうになった。

「1ステージはそろそろ終了しようか」

耳元で橘涼真さんが囁くと、ラストスパートで奥を強く激しく突かれ中に生暖かい遺伝子の種を放出され、しばらくそのままの余韻を楽しんだ後に抜かれた。

玄関で1ステージを終了し、広いバスルームで身体を洗いながら2ステージ、そしてベッドで長い3ステージからの耐久戦で、疲れ果てて眠りについたのは朝日が昇る頃だった。

昼過ぎに目を覚まし、橘涼真さんがわたしのために用意してくれたシャネルの白い下着とピンクベージュのワンピースに身を包み、ランチを食べに出かける事にした。

銀座のグランドプリンセスホテルの1階にあるフレンチレストランでランチのコース料理を戴く。

真昼間からワインを楽しみながら見た目も味も最高の料理に感動する。

食事を終えた後、シネマスイッチでヒューマンドラマ系の邦画を観た。

ランチが遅かったからタワーマンションの地下1階にある成城石田でローストビーフやカルパッチョ、シーフードサラダなどの美味しそうなお惣菜とワインとシャンパンを購入して、橘涼真さんの部屋に向かった。

「愛凛、コラボで曲出さない?」

橘涼真さんの150平米の広いマンションは5LDKでリビングダイビング以外に5部屋ある。
5部屋のうち1室が寝室で、その他に仕事部屋とスタジオがある。
残りの2部屋はゲストルームで使ってないらしい。

スタジオに連れて来られて立派な音響設備があり驚く。
コンピュータとデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)に開放型ヘッドフォン、オーディオ・インターフェイスにコンデンサー・マイクなどなど高機能の機器が揃ってた。

「愛凛と出会い、生で歌声を聴いた時にデュエット曲を出したいって思ったんだ。曲名【線香花火】。儚い夏のラブソング」

橘涼真さんがパソコンを立ち上げて、楽曲アプリで作った曲を流した。
仮の歌詞と言われ渡された歌詞を目で追いながらメロディーに耳をすます。

線香花火は、火をつけてから消えるまでに、燃え方が変わっていく花火で、しかも、その段階ごとに実は美しい名前が付けられています。
それはまるで線香花火は起承転結の物語よう。

点火とともに、命が宿ったかのように酸素を吸い込みながらどんどん大きくなっていく火の玉。まるで、花を咲かせる前の「蕾」のよう。

やがてパチッ、パチッと力強い火花が散り出します。称して「牡丹」。火花の間隔は、徐々に短くなり……。

やがて勢いを増し、「松葉」の段階を迎えます。勢いよく飛び散る火花は、儚いながらも堂々としています。

火花が一本、また一本と落ちていく「散り菊」。赤から黄に変わった火の玉が光を失った瞬間、線香花火の一生は幕を閉じる。

儚くて美しい線香花火は、どこか少し切なくて、寂しい。でも、その燃える姿はとても綺麗。

少しでも長く続いて
終わらないで

線香花火の小さな火に願うその気持ちは、夏という一つの季節の終わりを感じる、少し切ない感情と似ていて、
今日みたいな日々がもう少し続いて欲しい、そんな気持ちと重ねてしまう。

線香花火をイメージした曲は、ひと夏のアバンチュールな出来事で、線香花火と同じで夏の終わりと共に終わる。

そんな曲だった……。


わたしと橘涼真さんのこの関係は線香花火のように、夏が終わると共に終わる気がした……。

わたしと出会い生まれた曲

アーティストとして活躍している橘涼真さんは、一時的にわたしに惹かれ愛してくれてるだけ……。

「京宝アニメの8月末公開予定の主題歌にこの曲を使いたいと思ってる。
だからさ、今からレコーディングをする。歌ってくれる?」

橘涼真さんに突然言われ戸惑う。

京宝アニメの主題歌に使われるなんてYouTubeやニコ生で趣味で歌ってみたやオリジナル曲をパソコンで描いたアニメーションにのせて投稿してるシロートのわたし。

ひと夏の思い出

「はい」

橘涼真さんの家の中にあるレコーディングスタジオで、2人だけのレコーディング。

わたしの声のトーンに合う曲調で作られていて、曲と歌詞に気持ちを乗せて歌っていく。

「うん。完璧。これで行こう。京宝の樋山監督にデータを送ってと。愛凛、ありがとう」

8時間ずっと歌い続けた。
時計の針を見たら22時過ぎていて、いつもならお暇する時間で、でも、この日は帰して貰えなかった。

明日は橘涼真さんは本業の仕事があるのに……。

気持ちが高まってる橘涼真にレコーディングスタジオでキスをされ、そのまま壁に手を突き、立ったまま、バックの体勢で、気持ちと同じように高まってる逸物を挿れられ、激しく突かれた。

「愛凛、君のことを愛してる。こんなに愛おしいと思った女性に今まで出会った事はない」

1度わたしの中で達した後、わたしをお姫様抱っこして寝室に連れて行き、エンドレスにわたしの身体を弄び翻弄させ、わたしが意識を失くすまで、橘涼真さんはわたしを抱き潰した。



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