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「まだ赤ちゃん降りてきてないですね……、予定日超過すると赤ちゃんが大きくなって出産がきつくなるから、今日から朝と夕方に1時間ずつ、歩いて下さい。後、うちの産院でマナニティーヨガをしてるから週2で予約して骨盤をほぐして見て」
9ヶ月目に入ると毎週妊婦健診を受けないといけない。
「おまえみたいにのろまな子なんだろうな、中の子……」
妊婦健診に毎回のように忙しいと言い張ってるのについてくる駿平。
健診まで車の中でノートパソコンを開いて仕事をしてるけど、診察が始まると必ず同席する。
「おまえ、これから毎日歩け、で、毎日マタニティーヨガに通え!!」
寝る間を惜しんでクリエイティブスターのサイトの不具合訂正をしてるわたし……。
運動する暇なんてない。
1週間以内にやれと言われたけれど、不具合が多すぎて1ヶ月経っても終わってない。
システムの不具合というより、“クリエイティブスターはアダルトサイトになったんですか?”“書籍化させるとコンテスト開催するのになんで受賞作が出版されてないんですか?”etc……。
駿平に相談したら企画と営業に厳しく指導するとの事で、システムに関する不具合訂正と要望を読み、検討してシステムを再構築する。
広告収入で運営してるサイト。
読者が減り、収入を得ることが難しくなり、それ故に高額な広告収入を得るためにアダルトサイトを表示させてた。
そして、読者離れを加速させる。
♢♢♢♢
「……悪循環。でも、こんなに利用者が減るって看板クリエが他に読者引き連れて移ったからだよね」
産院からの帰りの車内で駿平に愚痴る。
他の小説投稿サイトをみるとクリエイティブスターで作品を投稿してくれてるクリエがランキング上位にいて、クリエイティブスターを見捨てた事を知る。
「このままだと駿平にweb上から消されるわ……。でも、どうしようもできないわ」
クリエイティブスターを存続させるためにシステム面だけでなく企画に関しても藤永さんに提案し動いて貰って、改善していった。
でも、他のサイトに利用者は逃げていく……。
「駿平、コンテスト企画で、“人気作家から執筆指導のサポートをつける”と、“ランキング上位の作品をアメバドアTVでドラマ化かアニメ化させる”したいんだけど、お願いできない?」
「はっ、そんな金かかる事できるか!!」
かなりまずい状態のクリエイティブスター。駿平的にはweb上から抹消し、クリエイティブスターを無くしたいようだった。
「駿平のせいで、わたしは好きでもなく愛してもない駿平と結婚するはめになったんだから!!
クリエイティブスターだって、わたしがクビにされてなかったらあんなになってなかった!!」
ブラックITベンチャー企業で、社畜化して働き蟻だったわたし。
でも、自分が1から作ったサイトがweb上から抹消されるのは嫌だった。
それに、落ち気味のサイトなのに、クリエイティブスターで小説を執筆してくれるクリエとその作品を読んでくれる読者がいる。
だから、クリエイティブスターを存続させたかった。
「………アメバTVでのドラマ化かアニメ化はなんとかなるが、さすがに有名作家からのサポートは無理だ。
クリエイティブスターに関しては可能な範囲なら舞結が好きにしていい。
元々、舞結に任せるつもりだったから……。
赤字さえ出さなければ好きにしろ。
仕事の話は終わりだ。
毎日朝夕1時間歩いて、マタニティーヨガに通って、無事に子供を産んでくれ!!」
マンションの前でわたしを降ろすと多忙な駿平は去っていった。
クリエイティブスターの運営は上手くいってなくて、中の人はまだ産まれる気がない。
なんとかクリエイティブスターのクリエ離れと読者離れを食い止め、できたらクリエイティブスターで活躍していたクリエに戻ってきて欲しかった。
そのためにどうしたら良いかを考えながら、朝夕1時間ずつウォーキングし、午前中にマタニティーヨガをしながら瞑想した。
「アメバドアでドラマ化orアニメ化企画、人気クリエが食いついて何作も作品をアップしてくれてるから読者が戻ってきてますね」
企画をスタートし、そのおかげか、他の小説投稿サイトのトップクリエもクリエイティブスターで作品を投稿してくれ、1日の利用者数が3倍ぐらい増えた。
「おまえ、出産予定日超過してるが、朝夕、毎日ウォーキングしてないだろ!!」
中の人はいくら歩いてもマタニティーヨガをしても出てくる気はないようだけど、クリエイティブスターに人気クリエが競って作品を投稿してくれるのが嬉しかった。
予定日を10日も超過し、陣痛促進剤を使おうとして、中の人は慌てて出てきた。
顔立ちは駿平にくりそつだけど、のんびりした性格で中身はわたし似だった。
「舞結、将輝(しょうき)が良い子だからと放置するなよ!!」
帰ってこないでいいのに将輝が可愛いからか毎日帰ってくる駿平。
毎日20時に帰ってきて将輝をお風呂に入れて寝かせてくれる。
「……アメバドアTVにドラマ化もしくはアニメ化の企画だけど、良い作品が多数寄せられたから、ヒットしそうなのは全て受賞作品にしてアメバTVで放送する。
人気俳優は使えないけど……」
将輝がぐっすり眠りについて、わたしの寝室から出てきた駿平が冷蔵庫からアサピウルトラドライブ500mlを取り出し、飲みながら言った。
「アメバドアTVで放映しただけで人気作家にはなれないけどな。
自分の描いた作品がドラマ化かアニメ化したら感動するよな。
月に2回アメバドアドラマ、アニメ化で1万字以内のショートストリートで企画する」
駿平が倒産しそうなブラックITベンチャー企業を買収して、そして、業績がいいアメバドアTVに連動で企画をさせてくれたから、クリエイティブスターに人が戻って、人気小説投稿サイトに戻れた……。
「駿平、ありがとう!!」
駿平に対して、仕方がなく結婚したけど、わたしが1から作り上げたサイトを守ってくれた事に感謝し、毛嫌いの念が和らいでいった。
9ヶ月目に入ると毎週妊婦健診を受けないといけない。
「おまえみたいにのろまな子なんだろうな、中の子……」
妊婦健診に毎回のように忙しいと言い張ってるのについてくる駿平。
健診まで車の中でノートパソコンを開いて仕事をしてるけど、診察が始まると必ず同席する。
「おまえ、これから毎日歩け、で、毎日マタニティーヨガに通え!!」
寝る間を惜しんでクリエイティブスターのサイトの不具合訂正をしてるわたし……。
運動する暇なんてない。
1週間以内にやれと言われたけれど、不具合が多すぎて1ヶ月経っても終わってない。
システムの不具合というより、“クリエイティブスターはアダルトサイトになったんですか?”“書籍化させるとコンテスト開催するのになんで受賞作が出版されてないんですか?”etc……。
駿平に相談したら企画と営業に厳しく指導するとの事で、システムに関する不具合訂正と要望を読み、検討してシステムを再構築する。
広告収入で運営してるサイト。
読者が減り、収入を得ることが難しくなり、それ故に高額な広告収入を得るためにアダルトサイトを表示させてた。
そして、読者離れを加速させる。
♢♢♢♢
「……悪循環。でも、こんなに利用者が減るって看板クリエが他に読者引き連れて移ったからだよね」
産院からの帰りの車内で駿平に愚痴る。
他の小説投稿サイトをみるとクリエイティブスターで作品を投稿してくれてるクリエがランキング上位にいて、クリエイティブスターを見捨てた事を知る。
「このままだと駿平にweb上から消されるわ……。でも、どうしようもできないわ」
クリエイティブスターを存続させるためにシステム面だけでなく企画に関しても藤永さんに提案し動いて貰って、改善していった。
でも、他のサイトに利用者は逃げていく……。
「駿平、コンテスト企画で、“人気作家から執筆指導のサポートをつける”と、“ランキング上位の作品をアメバドアTVでドラマ化かアニメ化させる”したいんだけど、お願いできない?」
「はっ、そんな金かかる事できるか!!」
かなりまずい状態のクリエイティブスター。駿平的にはweb上から抹消し、クリエイティブスターを無くしたいようだった。
「駿平のせいで、わたしは好きでもなく愛してもない駿平と結婚するはめになったんだから!!
クリエイティブスターだって、わたしがクビにされてなかったらあんなになってなかった!!」
ブラックITベンチャー企業で、社畜化して働き蟻だったわたし。
でも、自分が1から作ったサイトがweb上から抹消されるのは嫌だった。
それに、落ち気味のサイトなのに、クリエイティブスターで小説を執筆してくれるクリエとその作品を読んでくれる読者がいる。
だから、クリエイティブスターを存続させたかった。
「………アメバTVでのドラマ化かアニメ化はなんとかなるが、さすがに有名作家からのサポートは無理だ。
クリエイティブスターに関しては可能な範囲なら舞結が好きにしていい。
元々、舞結に任せるつもりだったから……。
赤字さえ出さなければ好きにしろ。
仕事の話は終わりだ。
毎日朝夕1時間歩いて、マタニティーヨガに通って、無事に子供を産んでくれ!!」
マンションの前でわたしを降ろすと多忙な駿平は去っていった。
クリエイティブスターの運営は上手くいってなくて、中の人はまだ産まれる気がない。
なんとかクリエイティブスターのクリエ離れと読者離れを食い止め、できたらクリエイティブスターで活躍していたクリエに戻ってきて欲しかった。
そのためにどうしたら良いかを考えながら、朝夕1時間ずつウォーキングし、午前中にマタニティーヨガをしながら瞑想した。
「アメバドアでドラマ化orアニメ化企画、人気クリエが食いついて何作も作品をアップしてくれてるから読者が戻ってきてますね」
企画をスタートし、そのおかげか、他の小説投稿サイトのトップクリエもクリエイティブスターで作品を投稿してくれ、1日の利用者数が3倍ぐらい増えた。
「おまえ、出産予定日超過してるが、朝夕、毎日ウォーキングしてないだろ!!」
中の人はいくら歩いてもマタニティーヨガをしても出てくる気はないようだけど、クリエイティブスターに人気クリエが競って作品を投稿してくれるのが嬉しかった。
予定日を10日も超過し、陣痛促進剤を使おうとして、中の人は慌てて出てきた。
顔立ちは駿平にくりそつだけど、のんびりした性格で中身はわたし似だった。
「舞結、将輝(しょうき)が良い子だからと放置するなよ!!」
帰ってこないでいいのに将輝が可愛いからか毎日帰ってくる駿平。
毎日20時に帰ってきて将輝をお風呂に入れて寝かせてくれる。
「……アメバドアTVにドラマ化もしくはアニメ化の企画だけど、良い作品が多数寄せられたから、ヒットしそうなのは全て受賞作品にしてアメバTVで放送する。
人気俳優は使えないけど……」
将輝がぐっすり眠りについて、わたしの寝室から出てきた駿平が冷蔵庫からアサピウルトラドライブ500mlを取り出し、飲みながら言った。
「アメバドアTVで放映しただけで人気作家にはなれないけどな。
自分の描いた作品がドラマ化かアニメ化したら感動するよな。
月に2回アメバドアドラマ、アニメ化で1万字以内のショートストリートで企画する」
駿平が倒産しそうなブラックITベンチャー企業を買収して、そして、業績がいいアメバドアTVに連動で企画をさせてくれたから、クリエイティブスターに人が戻って、人気小説投稿サイトに戻れた……。
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