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ブラックベンチャーIT企業をクビになり、フリーランスで仕事をするようになって3ヶ月がたった。
暑い中クライアント先回りをしながら夜な夜なシステム開発をする生活が体力的にきつい。
東京23区は家賃相場が高い。
渋谷区神山町の月8万5千円の1LDKに住んでいて、家賃と光熱費と食費で月に節約をしても15万円かかり、途方に暮れる。
割りに合わないシステム開発を請け負うと月に18万円にしかならず、産後のために貯蓄をしたくてもギリギリの生活になっていて嘆く。
8ヶ月になり、お腹がかなり出てパソコンを操作しにくい。
予定日が10月5日で今受けてる仕事を終えたら産後3ヶ月を終えるまでは無職でいるつもり。
♢♢♢♢♢
最後の仕事を終え、クライアント先から戻ってくると、わたしの住むマンションの前にハチさんマークの引っ越しセンターのトラックが止まってた。
2階のわたしの部屋を開けようと鍵を差し込み開けたはずなのに閉まっていて、鍵をかけずに出かけてたと思い焦る。
部屋に入ると、ブリオーニのスーツを着た駿平が腕を組み、わたしの衣類を女性の引っ越し業者さんに指示してダンボールに詰めさせてた。
「舞結、おまえGW中に俺のマンションに引っ越してこいっていっただろうがーー。
おれが仕事が忙しくて動けないからそのままにしてたら、いつまでたってもこねぇー。
引っ越し済んだら役所に結婚届を出しに行くからな」
不機嫌極まりない駿平は最低限のものだけをうちから持ち出し、ソファーやシングルベッド、食器に調理器具、冷蔵庫やテレビ、などは容赦無く破棄するよう業者さんに指示した。
ドナドナと住んでいたマンションから連れ出され、黒塗りのメルセデスマイバッハSクラスの後部座席に押し込まれた。
運転手付きの高級車を所有してる業績うなぎ登りで絶好調な【サイバーラボ】の社長……。
車に乗ると長い足を組み、ノートパソコンを開いてメールの返信と電話をかけて部下に何かを指示してた。
俺様な電話対応、こんな奴と結婚するぐらいなら親を捨ててどこか遠くに逃げて貧乏な生活を送る方が幸せだ。
中の人と2人で生きていきたい。
お腹をさすりながら絶望しか思えない駿平との結婚生活と子育てに恐怖を感じた。
車は新宿区役所に着き、腕を掴まれ窓口へ行く。
鞄から勝手に財布を出し運転免許を取り出し、用意していた印鑑を出す。
戸籍謄本を取り寄せたら、次は品川区役所に向かう。
「名前を記入しろ。書き間違えるなよ」
証人欄にわたしと駿平の父の名が書かれてた。
「………わたし、駿平とは結婚したくないんだけど。駿平の子じゃない事にしてなかった事にしない?」
「はっ、今さらそんな事できるわけないだろ。
結婚して同居したとしても、俺は仕事でオフィスに泊まり込む事が多いから滅多に帰らない。
子供のために仮面夫婦になるだけだ。
つべこべ言わずに名前を書け!!」
ギロッと睨まれ、あまりの恐怖に名前を記入してしまった。
品川区役所の戸籍課で役所の職員さんに『おめでとうございます』と言われたけど、『めでたくないわ!!』と心の中で叫んだ。
母子手帳の差し替えを終え、品川区役所を出て、駅前の35階建タワーマンションの28階角部屋に連れて行かれる。
高層階だからベランダがサンルームで、しかも6LDKの広すぎる部屋に顔がひきつる。
男性秘書が週に2回、ベテランのホームヘルパーを引き連れてやってきて家の中をピカピカにし、クリーニングも出して引き取ってきてくれる。
そして、わたしの食事も豪華なデリバリーが毎食届くという生活を送った。
それ故に、わたしは毎日暇を持て余してた。
「おい、藤永からおまえが暇だと言って困らすと報告を受けた。
だから、仕事をやる」
秘書の藤永さんに、暇だから家事をさせて欲しいとお願いしたら、身体に何かあったらいけないからとさせて貰えず、わたしがあまりにもしつこく言うからか駿平にチクられた。
そして、真夜中に帰ってきて早朝に出勤する生活を送ってるから普段顔を合わす事がない駿平が、昼間に帰ってきて、最新の高機能なパソコンが5台も置かれた部屋に連れていかれパソコンを2台立ち上げ、仕事の指示をする。
「おまえが勤めてたブラックITベンチャー企業、サイト運営で収益得てるのに酷すぎるわ。
おまえが辞めてサイトが不具合出まくっていて、人が離れていってる」
小説投稿サイトメインのブログと動画と漫画の創作サイトを運営しているブラックITベンチャー企業 クリエイティブスターは、サイト運営のエンジニアが5人、企画広報が7人、営業が7人、総務経理が2人しかいない。
社長と副社長と専務がサイト運営についてあまりわかってない人で、この人数でどうにかなると思って従業員を社畜化させて無理させてる。
「買収するんじゃなかったよ。
小説投稿サイト以外はアメバドアにあるから撤退させたが、小説投稿サイトも残す価値あるかといわれたら悩むところ。頭いてーー。
舞結、おまえがクリエイティブスターのリニューアルサイトを作ったんだろ。消されたくなかったら1週間以内に、不具合直せ!!」
サイト利用者からの苦情が書かれたメールを印刷されたものの束を目の前に置かれる。
「子供が産まれてくるまでにできるだろ?
家事や料理はしないでいい。おまえが作ったサイトをまともな使い勝手にしやがれ!!」
駿平はブラックITベンチャー企業 クリエイティブスターに監査に入り、あまりの酷さに、かなり機嫌が悪くなったようだった。
藤永さんが、クリエイティブスターのエンジニア達がサイトの不具合を全てわたしのせいにしてたらしく、それで駿平がぶちギレてわたしに最高レベルのサイトを作らせる事にした、と言ってた。
もうすぐ出産するわたしにさせる事なのかとふと思う。
この仕事、する?しない?……。
駿平に私が1から作り上げたサイトをweb上から抹消されたくないし、クリエイティブスターのエンジニア達をギャフンと言わせたいからやる事にした。
中の人が産まれる前に、不具合を直して使い勝手がいいサイトに作り直したいとわたしは思った。
暑い中クライアント先回りをしながら夜な夜なシステム開発をする生活が体力的にきつい。
東京23区は家賃相場が高い。
渋谷区神山町の月8万5千円の1LDKに住んでいて、家賃と光熱費と食費で月に節約をしても15万円かかり、途方に暮れる。
割りに合わないシステム開発を請け負うと月に18万円にしかならず、産後のために貯蓄をしたくてもギリギリの生活になっていて嘆く。
8ヶ月になり、お腹がかなり出てパソコンを操作しにくい。
予定日が10月5日で今受けてる仕事を終えたら産後3ヶ月を終えるまでは無職でいるつもり。
♢♢♢♢♢
最後の仕事を終え、クライアント先から戻ってくると、わたしの住むマンションの前にハチさんマークの引っ越しセンターのトラックが止まってた。
2階のわたしの部屋を開けようと鍵を差し込み開けたはずなのに閉まっていて、鍵をかけずに出かけてたと思い焦る。
部屋に入ると、ブリオーニのスーツを着た駿平が腕を組み、わたしの衣類を女性の引っ越し業者さんに指示してダンボールに詰めさせてた。
「舞結、おまえGW中に俺のマンションに引っ越してこいっていっただろうがーー。
おれが仕事が忙しくて動けないからそのままにしてたら、いつまでたってもこねぇー。
引っ越し済んだら役所に結婚届を出しに行くからな」
不機嫌極まりない駿平は最低限のものだけをうちから持ち出し、ソファーやシングルベッド、食器に調理器具、冷蔵庫やテレビ、などは容赦無く破棄するよう業者さんに指示した。
ドナドナと住んでいたマンションから連れ出され、黒塗りのメルセデスマイバッハSクラスの後部座席に押し込まれた。
運転手付きの高級車を所有してる業績うなぎ登りで絶好調な【サイバーラボ】の社長……。
車に乗ると長い足を組み、ノートパソコンを開いてメールの返信と電話をかけて部下に何かを指示してた。
俺様な電話対応、こんな奴と結婚するぐらいなら親を捨ててどこか遠くに逃げて貧乏な生活を送る方が幸せだ。
中の人と2人で生きていきたい。
お腹をさすりながら絶望しか思えない駿平との結婚生活と子育てに恐怖を感じた。
車は新宿区役所に着き、腕を掴まれ窓口へ行く。
鞄から勝手に財布を出し運転免許を取り出し、用意していた印鑑を出す。
戸籍謄本を取り寄せたら、次は品川区役所に向かう。
「名前を記入しろ。書き間違えるなよ」
証人欄にわたしと駿平の父の名が書かれてた。
「………わたし、駿平とは結婚したくないんだけど。駿平の子じゃない事にしてなかった事にしない?」
「はっ、今さらそんな事できるわけないだろ。
結婚して同居したとしても、俺は仕事でオフィスに泊まり込む事が多いから滅多に帰らない。
子供のために仮面夫婦になるだけだ。
つべこべ言わずに名前を書け!!」
ギロッと睨まれ、あまりの恐怖に名前を記入してしまった。
品川区役所の戸籍課で役所の職員さんに『おめでとうございます』と言われたけど、『めでたくないわ!!』と心の中で叫んだ。
母子手帳の差し替えを終え、品川区役所を出て、駅前の35階建タワーマンションの28階角部屋に連れて行かれる。
高層階だからベランダがサンルームで、しかも6LDKの広すぎる部屋に顔がひきつる。
男性秘書が週に2回、ベテランのホームヘルパーを引き連れてやってきて家の中をピカピカにし、クリーニングも出して引き取ってきてくれる。
そして、わたしの食事も豪華なデリバリーが毎食届くという生活を送った。
それ故に、わたしは毎日暇を持て余してた。
「おい、藤永からおまえが暇だと言って困らすと報告を受けた。
だから、仕事をやる」
秘書の藤永さんに、暇だから家事をさせて欲しいとお願いしたら、身体に何かあったらいけないからとさせて貰えず、わたしがあまりにもしつこく言うからか駿平にチクられた。
そして、真夜中に帰ってきて早朝に出勤する生活を送ってるから普段顔を合わす事がない駿平が、昼間に帰ってきて、最新の高機能なパソコンが5台も置かれた部屋に連れていかれパソコンを2台立ち上げ、仕事の指示をする。
「おまえが勤めてたブラックITベンチャー企業、サイト運営で収益得てるのに酷すぎるわ。
おまえが辞めてサイトが不具合出まくっていて、人が離れていってる」
小説投稿サイトメインのブログと動画と漫画の創作サイトを運営しているブラックITベンチャー企業 クリエイティブスターは、サイト運営のエンジニアが5人、企画広報が7人、営業が7人、総務経理が2人しかいない。
社長と副社長と専務がサイト運営についてあまりわかってない人で、この人数でどうにかなると思って従業員を社畜化させて無理させてる。
「買収するんじゃなかったよ。
小説投稿サイト以外はアメバドアにあるから撤退させたが、小説投稿サイトも残す価値あるかといわれたら悩むところ。頭いてーー。
舞結、おまえがクリエイティブスターのリニューアルサイトを作ったんだろ。消されたくなかったら1週間以内に、不具合直せ!!」
サイト利用者からの苦情が書かれたメールを印刷されたものの束を目の前に置かれる。
「子供が産まれてくるまでにできるだろ?
家事や料理はしないでいい。おまえが作ったサイトをまともな使い勝手にしやがれ!!」
駿平はブラックITベンチャー企業 クリエイティブスターに監査に入り、あまりの酷さに、かなり機嫌が悪くなったようだった。
藤永さんが、クリエイティブスターのエンジニア達がサイトの不具合を全てわたしのせいにしてたらしく、それで駿平がぶちギレてわたしに最高レベルのサイトを作らせる事にした、と言ってた。
もうすぐ出産するわたしにさせる事なのかとふと思う。
この仕事、する?しない?……。
駿平に私が1から作り上げたサイトをweb上から抹消されたくないし、クリエイティブスターのエンジニア達をギャフンと言わせたいからやる事にした。
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