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わたしを支えてくれてありがとう

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「成宮、しつこいぞ。お前、振られたの。自分が仕出かした事を考えろ。藤村麻衣ごときの色気にやられるなんて、俺も何度か迫られたけど、スルーしたわ」

わたしの代わりに、セクハラモラハラ上司と思っていた中島MGが、頼翔に、きつく咎めた。

「たった1回の過ちじゃないですか。俺と愛花は10年間付き合ってきた。ちゃんと話せば、元の関係に戻れる」

振り向くと、頼翔が、中島MGを、今までに見た事がないぐらいの、恐ろしい表情を浮かべ、睨みつけてた。

「望月は、成宮に別れたのにこうやって迫られて、脅えてるけど?望月はうちの戦力で、大切なチームメンバーなの。結婚で家に閉じ込めようとしたり、別れたのに付きまとって、会社を辞めさせようとするの、辞めて。俺ら、昼休憩に早目に入ったから、休憩時間は終了だから、じゃあな」

中島MGも、頼翔に対して、睨み返した。

そして、話をしていても埒があかないから、話を終わらせて、仕事に戻る事にした。

黒崎MGがわたしの背中に手をやり、オフィスビルまで、エスコートしてくれた。

「望月、お前、男を見る目ない。あんなのと、よう10年間も付き合ってきたな。俺が女だったら無理だわ」

職場に戻り、中島MGの頼翔に対する毒舌が止まらず、わたしのために、腹を立ててくれてる事が、嬉しく思った。

「望月、成宮から守ってやるから、だから、仕事を辞めるのを考え直せ。あいつよりおまえの方が、能力が高いんだ。キャリアを捨てるな」

結局は、わたしに仕事を辞められたら困るからの発言か……っと思ったけれど、中島MGは、KY発言が多いけれど、仕事人間だから、中島MGらしい、と言ったら、中島MGらしい。

午後からの仕事は、いつもより、捗った。
そして、久しぶりに、楽しく仕事ができた。

中島MGが頼翔を挑発したからか、退社時に、オフィス前で、頼翔に待ち伏せされるから、プロジェクトチームメンバーが交代で、わたしの送り迎えをしてくれた。

申し訳ないなと思いながらも、わたしが抜けたら仕事にならないからと、言ってくれた。

「退職届、破り棄てていい?」

中島MGが、提出済みの、わたしが書いた退職届を、人事部から取ってきて、わたしに見せてくる。

「辞めて下さい。わたし、10月いっぱいで、予定通り、退職させて頂きます」

このやり取りを、毎日、恒例行事のようにやってる。

そして、電子システム開発部の後輩の島津真紀ちゃんも、プロジェクトチームは違うけれど、わたしを慕ってくれてる。
電子システム開発部のみんなが、わたしに、『会社を辞めるな』と、言ってくれて、嬉しかった。

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