政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

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発明家チーム葛城解散

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「引き受けたのはお前だろっ。自分でやれっ!!」

「そんな事言わずに葛城、頼む、協力してくれ!!」

結婚の段取りで呼び出された時に、父からハイブリッド車の制御ECU一式の設計を引き受けてしまった。


「杉瀬、おまえ、学会論文3本仕上げないといけないから、それどころじゃないだろっ!!」

「……三谷の親父に頼まれたから、断れなかった」

博士号取得の条件は過酷だ。
新規性のあるテーマで一から論文を作る必要があり、査読付き論文作成3本以上と博士論文を作成しないといけない。
 査読付き論文とはいわゆる学術誌に載る論文で、学術協会登録誌 や国際学会誌に筆頭で3本以上論文掲載が卒業条件になっている。

葛城先輩は頭の中を整理するためとすぐに論文にまとめ、投稿をしていた。
だから、2年間で50本以上、国内国外問わず学会誌に掲載され、卒業条件はクリアしている。
だけど、教授経由で企業と個人的な共同研究を行なっていて多忙だ。

葛城先輩から付き合いきれないと拒絶され、途方に暮れる。

『……兄さん、ごめん。今は無理。来週から3ヶ月間、Googloに行かないといけないの。兄さんも学会論文仕上げて応募していかないと、卒業できないよ!!』

伽凛ちゃんに至っては結婚式の日取りを忘れられ、アメリカへ発った。

「論文作成、かったるい!!」……5本挙げてるのに、学位修士の時の査読論文は除外って、厳し過ぎる!!」

半導体部品の再利用など、杉瀬先輩自身が成し遂げた研究はいくつもある。
それを論文に仕上げて投稿すればいいだけだけど、

「面倒くせーー!!」

論文作成が苦手な杉瀬先輩。
ノートパソコンを目の前にして、絶叫をあげる。

父からハイブリッド車のECUの催促電話もかかってきて、追い込まれる。

「杉瀬先輩が葛城先輩と伽凛ちゃんに見放されたの、私のせいですか?」

結婚報告をする前までは、杉瀬先輩の思いつきな発明に2人とも嫌そうな顔はしていても協力してくれてた。

「……違う。単純にあいつら優秀だから企業から研究協力の要請が学校経由からきて多忙なだけ」

杉瀬先輩はそう言ってくれるけど、発明家チーム葛城が私のせいで解散した気がして悲しかった。




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