イケメンドクターな元彼の監禁的包囲網

鳴宮鶉子

文字の大きさ
5 / 14

足枷外して!!

しおりを挟む
「……蓮翔くん、足枷外して」

「嫌。そしたら、凛音、出ていくかもしれないから」

食事の後、後片付けをし、リビングにある蓮翔くんにコーヒーを持っていき、お願いしたら、速攻で断られた。

足枷がついてても着替えれるよう、蓮翔くんが用意したシャツワンピースと紐パンとで過ごしてる。
シャツワンピースは楽だからいい。

「ーー紐パンが嫌なの。くい込むから痛いの」

肉にくい込むから痛い。痛くならない物を選りすぐって購入したみたいだけど、痛い。
紐パンは長時間履くものではない。

「……じゃあ、履かなかったらいいじゃん。凛音に嫌われたくないから無理矢理はやらないから」

長期休暇に予定をキャンセルさせられ、足枷つけられ自宅マンションに監禁された時点で嫌うよ。

「凛音、明日は準夜勤だから夕方に病院に入ればいい。近場しか行けないけどデートしよう。品川プリンセスホテル内にある水族館行こっか」

「足枷ついたままでは行けませんけど……」

「外では足枷は外す。その代わり、凛音の手を離さないから」

マンションの部屋に引きこもり続ける生活は嫌。
久しぶりに外出できるのが嬉しくてならなかった。
散歩したがる犬の気持ちがよくわかった。



紐パンではないショーツにシャツワンピースではないきれいめピンク系の花柄のマキシワンピ。
高校時代よりもバストアップしてるのにそのサイズで蓮翔くんはブラジャーを用意してた。
カップ数は3カップ、アンダーは1サイズアップした。
私のブラジャーのサイズを当てた蓮翔くん。たまたまなのか、それとも事前に今の私についてを調べたのか、用意周到すぎて、惹くでなく引いてしまう。

「そろそろ出ようか!!」

ブランドものの生地がしっかりとしたプリントTシャツにブラックジーンズ、手首にはブラックのロレックスの時計をつけてる。
蓮翔くんのお父さんは政治家で、お母さんは弁護士。医者を目指したのは親と違う仕事につきたかったからと昔、言ってた。
一般人の私とは違って、高貴な家柄の御子息な蓮翔くん。

「財布とスマホは置いていけよ」

監禁は犯罪ですよ。お父さんもお母さんも、蓮翔くんが捕まったら、お仕事できなくなりますよ。

私の左手をしっかりと握りしめ、マンションから出るとタクシーに乗って品川プリンセスホテルまで向かう。

時間はあまりない。10時ちょうどに水族館の中に入り、2時に出て、それからホテル内のイタリアンのお店でランチをとり、タクシーでマンションに戻る。

「凛音、深夜1時には帰ってくる」

帰ったらすぐに蓮翔くんに左脚に足枷つけられた。そして、蓮翔くんは勤務先の病院へ向かった。

マンションの部屋に取り残された私。
ペットの犬の気分だ。
逃げないから、足枷外してほしい。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

処理中です...