イケメンドクターな元彼の監禁的包囲網

鳴宮鶉子

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週末監禁

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9日間の監禁生活を無事に明け、蓮翔くんに、車で1人暮らしをしてるマンションに送り届けて貰う。

ーーまた、拉致られて監禁されたら堪らない。

だから、違うマンションの前で下ろして貰おうと思ってたら、私の案内なしで車は自宅マンションの前に着いた。

「……なんで、知ってるの?」

「ーー倉田から凛音がつくばにいると聞いて探偵に捜索して貰った。凛音、毎週金曜日に迎えにくるから!!」

「ちょっと待って、探偵って……お願い、もう、私に関わらないで!!」

9日間の監禁生活の間に蓮翔くんと一緒に過ごしたのは3日間だけ。
寝るのは別々で、私に寝室のベッドを貸してくれて、蓮翔くんはリビングのソファーで寝てた。
監禁はされてたけど、身体は求められず、僅かな時間を共に過ごしただけ。

私の手料理を喜んで食べてくれるのが嬉しくて、多忙な蓮翔くんに冷凍おかずと日持ちするおかずを置き土産に残す。
監禁されてるのに、顔色が悪い蓮翔くんの事が心配になり、あれこれ世話を焼いてた。

探偵を雇って私の身辺を調べてさせたと知り、蓮翔くんの異常さに身が震える。

「無理矢理でも連れていくから!!俺、準夜勤だから行くわ」

車から降りた私に蓮翔くんはそう声をかけ、すぐにブルーのアルファロメオのスポーツクーペを走らせ本郷に帰っていった。

蓮翔くんは……ストーカーだ。


「直人おじさん、凛音を連れてきてくれてありがとう!!」

センター長から出社後すぐ『定時で上がれるように』と声をかけられ、終業後に小野寺専務が研究室まで私を迎えにきたから、何事かと思ってた。

「可愛い甥っ子からのお願いだ。毎週金曜日、残業させずに杉宮さんを連れてくるよ。秘書に東京のマンションまで送らせてもいい」

蓮翔くんのお母さんが小野寺薬品工業の社長令嬢だったとは知らなかった。

「凛音、車に乗って。俺、今日、夜勤なんだ。だから、時間がない」

助手席が開けられ、早く乗り込むよう催促される。
小野寺専務がいなければ、逃げるのにと思ってたら、痺れを切らした蓮翔くんに腕を掴まれ車に乗せられてしまった。

完全に逃げ口がない捕獲方法に顔が引きつり、しかも車から逃げ出さないよう手錠と足錠をはめられた。

「……蓮翔くん、これ、犯罪だよ」

「凛音が逃げるから仕方がないだろ。叫んだりしたら口枷もつけるからな」

拘束グッズが次から次へと出てくる。

「首輪もあるよ。1度でも逃げようとしたら、裸にして首輪つけて鎖に繋ぐからな!!」

蓮翔くんなら、やりかねない。
車を走らせて1時間半。
本郷のマンションに着くと、手錠と足錠は外された。
そして、手を繋がれ部屋へ入る。

「週末はここで過ごして。容態が悪い患者いるから、病院に行ってくる」

左足首に足枷をつけられ、私はまた監禁され、置いてけぼりにされた。





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