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第2話
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ユリウス・カロリング第二王子。
金髪で鋭い目をしていてどこか刺々しい雰囲気のルーカス様に対称的で、茶髪で柔らかい目をしていて温和で優しい雰囲気の美男子だ。
私がルーカス様に会いに王宮へ行った時はいつもユリウス様とも話しており私にすごい懐いてくれて、私も本当の弟のように可愛がっていた。
そんなユリウス様は今、ルーカス様と激しい口論になっていた。
「兄上! エリザヴェータ様との婚約を破棄するなんてどういう事ですか!」
「お前も今聞いていただろう、そのまんまの通りだ」
「説明になっていません!」
「くどいぞユリウス。そこのエリザヴェータが王家の財の不正使用と、マリエッタ嬢に度重なる嫌がらせしたからこの王太子である私が断罪のために婚約を破棄したまでだ」
「証拠はあるのですか!」
「黙れ! 貴様はエリザヴェータの肩を持つ気か!」
話が全然噛み合ってない…。
ユリウス様も噛み合ってない事を察した様子で追及する矛先をマリエッタ嬢に変えたようだ。
「マリエッタ嬢と言いましたか、あなたは本当にエリザヴェータ様から嫌がらせを受けたのですか? もしも嘘だったら…どうなるか分かっていますよね?」
「は、はぃぃ! え、えっと、嫌がらせを受けたような、受けてないような…」
マリエッタ嬢はユリウス様の出す雰囲気に怖気付いたのかだんだんと声が小さくなっていった。
かくいう私も少なからずユリウス様の出す雰囲気に驚いている。こんなに怒っているユリウス様を見たのは初めてだからだ。
これに焦ったのはルーカス様だ。マリエッタ嬢が嘘を付いてた事がバレると、私との婚約破棄が不当になり立場が危うくなると思ったのだろう。
「おいユリウス! これ以上マリエッタ嬢を脅すような真似をするとただじゃおかないぞ!」
「兄上は黙っていてください! 私は今マリエッタ嬢を問い詰めているのです!」
「ユリウス貴様!王太子である私に向かって黙れとはなんだ!」
二人の口論は止まる事をしらず、どんどん白熱していった。
このままじゃ危ないと思い私は二人の間に入る。
「ユリウス様、落ち着いてください。私の事は大丈夫ですので」
「ですが…!」
「実を言うとね…」
私はユリウス様の耳元に口を寄せる。
「私もルーカス様にはもうウンザリなの、婚約破棄になってもちっとも悲しくないわ」
これはちょっとだけ嘘、幼い頃から婚約が決まり今まで、王国の次期王妃に相応しくなるように自分を磨いていた。それがルーカス様がマリエッタ嬢にうつつを抜かした為、全部パーになってしまった。
多少のショックはある。
「分かりました…」
私の言葉を聞いて納得した様子のユリウス様だったが、この後にとんでもない爆弾発言をする事を私は知らなかった。
「それなら僕がエリザヴェータ様と婚約します!」
金髪で鋭い目をしていてどこか刺々しい雰囲気のルーカス様に対称的で、茶髪で柔らかい目をしていて温和で優しい雰囲気の美男子だ。
私がルーカス様に会いに王宮へ行った時はいつもユリウス様とも話しており私にすごい懐いてくれて、私も本当の弟のように可愛がっていた。
そんなユリウス様は今、ルーカス様と激しい口論になっていた。
「兄上! エリザヴェータ様との婚約を破棄するなんてどういう事ですか!」
「お前も今聞いていただろう、そのまんまの通りだ」
「説明になっていません!」
「くどいぞユリウス。そこのエリザヴェータが王家の財の不正使用と、マリエッタ嬢に度重なる嫌がらせしたからこの王太子である私が断罪のために婚約を破棄したまでだ」
「証拠はあるのですか!」
「黙れ! 貴様はエリザヴェータの肩を持つ気か!」
話が全然噛み合ってない…。
ユリウス様も噛み合ってない事を察した様子で追及する矛先をマリエッタ嬢に変えたようだ。
「マリエッタ嬢と言いましたか、あなたは本当にエリザヴェータ様から嫌がらせを受けたのですか? もしも嘘だったら…どうなるか分かっていますよね?」
「は、はぃぃ! え、えっと、嫌がらせを受けたような、受けてないような…」
マリエッタ嬢はユリウス様の出す雰囲気に怖気付いたのかだんだんと声が小さくなっていった。
かくいう私も少なからずユリウス様の出す雰囲気に驚いている。こんなに怒っているユリウス様を見たのは初めてだからだ。
これに焦ったのはルーカス様だ。マリエッタ嬢が嘘を付いてた事がバレると、私との婚約破棄が不当になり立場が危うくなると思ったのだろう。
「おいユリウス! これ以上マリエッタ嬢を脅すような真似をするとただじゃおかないぞ!」
「兄上は黙っていてください! 私は今マリエッタ嬢を問い詰めているのです!」
「ユリウス貴様!王太子である私に向かって黙れとはなんだ!」
二人の口論は止まる事をしらず、どんどん白熱していった。
このままじゃ危ないと思い私は二人の間に入る。
「ユリウス様、落ち着いてください。私の事は大丈夫ですので」
「ですが…!」
「実を言うとね…」
私はユリウス様の耳元に口を寄せる。
「私もルーカス様にはもうウンザリなの、婚約破棄になってもちっとも悲しくないわ」
これはちょっとだけ嘘、幼い頃から婚約が決まり今まで、王国の次期王妃に相応しくなるように自分を磨いていた。それがルーカス様がマリエッタ嬢にうつつを抜かした為、全部パーになってしまった。
多少のショックはある。
「分かりました…」
私の言葉を聞いて納得した様子のユリウス様だったが、この後にとんでもない爆弾発言をする事を私は知らなかった。
「それなら僕がエリザヴェータ様と婚約します!」
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