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陰陽師か保育士か ②
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【嵐side】
俺がこけるに説明を求めると、やれやれと云う感じで教えてくれた。
「神護天皇と云うのは、蘇我入鹿のことだよ。
正史の日本史から抹殺された真実だ 」
「なんですとぉー ! 蘇我入鹿が天皇だったなんて教科書にも載って無いぞ !
大化の改新が実は天皇殺しだったなんて、大問題じゃないか !
当時の天皇を蔑ろにして、政治を私物化したから、藤原鎌足と中大兄皇子が蘇我氏を退治したんだろう ! 」
「真実は違う。 神護天皇に成った蘇我入鹿の死体を贄に使って、藤原氏の1000年の栄華を実現する為の術法に使ったんだ。
中大兄皇子は天皇に成りたかったから藤原鎌足に協力したに過ぎないんだよ。
真実は一つだが、歴史は勝者が作るのだと云う証拠だな。
本来の歴史なら、35代の舒明天皇は蘇我蝦夷の強力な後押しで天皇に成り、36代 皇極天皇の後に神護天皇の名前が残るハズだったんだが、藤原鎌足と中大兄皇子のクーデターが成功した為に歴史から抹殺されたんだよ 」
うわぁぁぁ、人間の欲望を甘く見ていたぜ。
蘇我入鹿には同情してしまうな、少しだけ。
殺された上に身勝手な欲望の為に贄にされてしまい。
歴史では、天下の大悪党にされてしまったなら、さぞや恨みは凄いことに成りそうだな。
「それで、誰が蘇我入鹿の封印を破ってしまったんだ ? 」
誰が考えても、そんなヤバそうな封印を解く馬鹿のことが気になり聞いてみると、こけるは頭を抱えながら、
「慢心党だよ。
日本の恥と言われている、小者田北炉之議員が、パフォーマンスの為に封印を破壊したんだ。
『現代に呪いとか有るわけが無い、与党の予算の無駄遣いだ ! 』
と云うのが理由らしい」
うわぁぁぁ、ひくわー ! アイツらは本当に碌な事をしないな。
そんなことを話しながら進むと、こけるのライバルが封印されている社に着いた。
スカウターで、悪霊の妖力を測って見たら数値が急上昇して、
ボフッ !
スカウターが壊れてしまった。
巧の発明品に欠陥が有るワケでは無く、蘇我入鹿の悪霊の妖力が想定外のパワーが有るのだろう。
「来るなぁー、帰れ、道頓堀こける !
今回の悪霊、蘇我入鹿は お前でも除霊するのは無理だ !
このまま、俺ごと封印するのが最善手なのは、お前にも解るハズだ !
頼む、頼むから帰ってくれよ、こける! 」
社の中から、こけるのライバルの蛇武の声が聞こえてきた。
悪霊に憑かれているにも関わらず、意識を保っているなんて凄い奴だな。
「何を勘違いしているんだ、蛇武。
お前の為じゃ無くて、俺の為に除霊をするんだよ !
お前や咲耶さんや他の陰陽師が失敗した除霊を俺が成功させたなら名声が上がるだろう。
そうしたら、女の子にモテモテに成るじゃないか。
だから、気にするな !
後で、モテモテに成った俺を羨ましがるが良い ! 」
こけるが蛇武に言い返すと、蛇武の息を飲む様子が見えた気がした。
「 素直じゃ無いな、こけるの奴。
普段からオチャラケていないで、今みたいな感じなら、もっとモテるだろうによ 」
「こける君がモテたら、ウチが困るんよ。
こける君の良さはウチだけが知っていれば良いのだから 」
海里にココまで想われているなんて、こけるの奴は幸せ者だよな。
俺も一人前に成ったら、蛍とイチャイチャしてやるんだからな !
結界が張ってある社の敷地に こけるが入るのを確認した後、俺は巧から渡された除霊グッズを確認していた。
バーン !
社の扉が開き、空中に陰陽師の服を着た男が浮かんでいた
アッ、目から耳から鼻から血を流している。
これは、厄介な除霊に、成りそうだな。
空中に浮かんでいる蛇武からは、先ほどの声とは違う大人の声がした。
── 我に、はむかうか、愚か者どもよ !
我に、従え ! ──
グッ、凄まじいプレッシャーだ !
こける一人で本当に大丈夫なのか ?
危なくなったら、俺の出番だな。
悪霊が、こけるに気を取られているウチに準備しておこう。
俺がこけるに説明を求めると、やれやれと云う感じで教えてくれた。
「神護天皇と云うのは、蘇我入鹿のことだよ。
正史の日本史から抹殺された真実だ 」
「なんですとぉー ! 蘇我入鹿が天皇だったなんて教科書にも載って無いぞ !
大化の改新が実は天皇殺しだったなんて、大問題じゃないか !
当時の天皇を蔑ろにして、政治を私物化したから、藤原鎌足と中大兄皇子が蘇我氏を退治したんだろう ! 」
「真実は違う。 神護天皇に成った蘇我入鹿の死体を贄に使って、藤原氏の1000年の栄華を実現する為の術法に使ったんだ。
中大兄皇子は天皇に成りたかったから藤原鎌足に協力したに過ぎないんだよ。
真実は一つだが、歴史は勝者が作るのだと云う証拠だな。
本来の歴史なら、35代の舒明天皇は蘇我蝦夷の強力な後押しで天皇に成り、36代 皇極天皇の後に神護天皇の名前が残るハズだったんだが、藤原鎌足と中大兄皇子のクーデターが成功した為に歴史から抹殺されたんだよ 」
うわぁぁぁ、人間の欲望を甘く見ていたぜ。
蘇我入鹿には同情してしまうな、少しだけ。
殺された上に身勝手な欲望の為に贄にされてしまい。
歴史では、天下の大悪党にされてしまったなら、さぞや恨みは凄いことに成りそうだな。
「それで、誰が蘇我入鹿の封印を破ってしまったんだ ? 」
誰が考えても、そんなヤバそうな封印を解く馬鹿のことが気になり聞いてみると、こけるは頭を抱えながら、
「慢心党だよ。
日本の恥と言われている、小者田北炉之議員が、パフォーマンスの為に封印を破壊したんだ。
『現代に呪いとか有るわけが無い、与党の予算の無駄遣いだ ! 』
と云うのが理由らしい」
うわぁぁぁ、ひくわー ! アイツらは本当に碌な事をしないな。
そんなことを話しながら進むと、こけるのライバルが封印されている社に着いた。
スカウターで、悪霊の妖力を測って見たら数値が急上昇して、
ボフッ !
スカウターが壊れてしまった。
巧の発明品に欠陥が有るワケでは無く、蘇我入鹿の悪霊の妖力が想定外のパワーが有るのだろう。
「来るなぁー、帰れ、道頓堀こける !
今回の悪霊、蘇我入鹿は お前でも除霊するのは無理だ !
このまま、俺ごと封印するのが最善手なのは、お前にも解るハズだ !
頼む、頼むから帰ってくれよ、こける! 」
社の中から、こけるのライバルの蛇武の声が聞こえてきた。
悪霊に憑かれているにも関わらず、意識を保っているなんて凄い奴だな。
「何を勘違いしているんだ、蛇武。
お前の為じゃ無くて、俺の為に除霊をするんだよ !
お前や咲耶さんや他の陰陽師が失敗した除霊を俺が成功させたなら名声が上がるだろう。
そうしたら、女の子にモテモテに成るじゃないか。
だから、気にするな !
後で、モテモテに成った俺を羨ましがるが良い ! 」
こけるが蛇武に言い返すと、蛇武の息を飲む様子が見えた気がした。
「 素直じゃ無いな、こけるの奴。
普段からオチャラケていないで、今みたいな感じなら、もっとモテるだろうによ 」
「こける君がモテたら、ウチが困るんよ。
こける君の良さはウチだけが知っていれば良いのだから 」
海里にココまで想われているなんて、こけるの奴は幸せ者だよな。
俺も一人前に成ったら、蛍とイチャイチャしてやるんだからな !
結界が張ってある社の敷地に こけるが入るのを確認した後、俺は巧から渡された除霊グッズを確認していた。
バーン !
社の扉が開き、空中に陰陽師の服を着た男が浮かんでいた
アッ、目から耳から鼻から血を流している。
これは、厄介な除霊に、成りそうだな。
空中に浮かんでいる蛇武からは、先ほどの声とは違う大人の声がした。
── 我に、はむかうか、愚か者どもよ !
我に、従え ! ──
グッ、凄まじいプレッシャーだ !
こける一人で本当に大丈夫なのか ?
危なくなったら、俺の出番だな。
悪霊が、こけるに気を取られているウチに準備しておこう。
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