【完結】異世界忠臣蔵 ~赤穂浪士の吉良さんに転生した件、討ち入りされて殺されたく無いので全力で回避します ~

月影 流詩亜

文字の大きさ
53 / 82

第53話 左近の おもりは大変なんだよ!

しおりを挟む
  
 ──とある街道にある関所 ──


 ここでは、武器や人の出入りの他にら米や特産物が、他の藩に流出することを厳しく監視される場所のはずだったのだが……

「お役人様。 通行料が高過ぎて、これじゃ やってけねえでがす 」

「んだ んだ。わしらはみんな竹藤屋から借金があるだで利息を払ったら銭が残らねえだ!」

 この二人。  生活が苦しい農民が闇商いをしていたのだが、見逃してもらう代わりに割り増しの通行料を払っていたのだ。

「それは、こちらの知ったことではないわ。
 本来なら越境しての他藩での商いは厳しく禁じられておる。
 それを、お目こぼしして、くださっているのは 横目付よこめつけ 殿津でんつ様のお優しさ。
 それを思えば、今の通行料でも充分安かろう 」

 冷たく言い放つ関所の小役人に文句を言っても埒があかないとあきらめた二人は、すごすごと関所を後にした。


 ── 殿津屋敷 ──

「まったく、濡れ手であわとは まさにこのこと。
 上手いこと考えたものよの、竹藤屋 !?」

「いえいえ。  それもこれも殿津様のご尽力あったればこそ !
 わたくしの働きなど微々たるものでございます 」

「そう謙遜するな
 その方の知恵があったればこそじゃ。
 ここらの民は皆、いつも困窮こんきゅうしておる。
 そこへ、竹藤屋のお前が親切なフリをして金を貸し、その返済で困った者に越境させて闇商いを強要する……
 儂は闇商いを見逃す代わりに通行料を取る 。
 …………竹藤屋、お主も悪よのぉ▪▪▪ ▪▪▪▪▪▪

「いえいえ、殿津様こそ…………」

「グワッハッ ハッ ハッ ハッ !」
「ホッ ホッ ホッ ホッ ホッ ! 」

 何処かの時代劇のような光景が有ったのであるが……

 ♬♫♪♩♬♫♪♩♬♫♪♩

 どこからか笛の音が聞こえてきた。


「地上に悪が満つるとき、 愛する心あらば熱き魂悪を断つわ。  人は、それを『真実』というのよ !」

「 くせ者め、何処にいる ! 」

 殿津も竹藤屋も周りを探すが誰も居ない。


「闇ある所、光あり………悪ある所、正義あり
 偉大なる今川幕府からの使者 」

 天井裏から人影が降りてきた。

「今川幕府 大目付 見習い  吉良きら上野介こうずのすけ義央よしひさよ !」

「今川幕府 第五代将軍 今川綱吉である ! 」

 天井裏に残った弥太郎柳沢吉保は涙目だった。

 徳松は上着を脱いで、下に着ていた着物の家紋を見せる為に後ろを向いた。

 バーーン(効果音 ?)

 「なっ !  あっ あの家紋は『丸の内に二つ引両』
 今川将軍家の家紋だ !
 竹藤屋 !  上様の御前である、控えおろう ! 」

 ゾクッゾクッ と得もしれぬ快感を感じていた徳松。
 それに感づかないで、ヒーローゴッコに酔いしれる左近。


 そして、それに付き合わされている、光矢忍者たちは疲れきっていた。
 殿津屋敷にいた護衛の者たちを戦闘不能にする為に霞扇かすみおうぎの術 (扇子の中に粉末の薬を仕込み、扇子を使って風を送り敵に薬を吸わせる)を使い睡眠薬で眠らせたのだ。

 そのお陰で殿津が呼んでも役人たちは夢の世界の住民に成っていたので、あえなく殿津と竹藤屋は御用と成った。

 主役?の二人の活躍の裏には、影と成る黒子役の光矢衆の苦労があったのである。
 それを知らない駿河の民たちは、徳松と左近を絶賛していた。

 ── 世の中は理不尽だらけなのだと云う見本だったのである ── 





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

処理中です...