【完結】異世界忠臣蔵 ~赤穂浪士の吉良さんに転生した件、討ち入りされて殺されたく無いので全力で回避します ~

月影 流詩亜

文字の大きさ
54 / 82

第54話 勅使饗応役 ①

しおりを挟む

 ──  赤穂藩 ──
 かねてから名誉である勅使ちょくし饗応役の大役を幕府に願い続けていたが、


「ええーっい、またしても幕府からは饗応役を任せてもらえなかったというのか ! 」

 浅野内匠頭は憤慨ふんがいしていたが、城代家老の大石内蔵助は、内心 ホッとしていた。

 京からの勅使天皇の使者を接待するには、莫大な銭がかかるのだ。

 赤穂の塩による収益は大きいが、藩内の整備にも銭がかかるので、実際には藩の経済はカツカツだったのである。

 そして、饗応役の指南役である高家肝煎の吉良家におくる高価な進物を贈るにも銭が、かかると云うのに……

「吉良に高価な進物を贈るだと !
 ワシに恥をかかせた吉良などの世話になど、ならんわ !
 誰か、他の高家の者に教われば良いのだ。
 それに、饗応役を任せてもらえないのも、吉良が邪魔しているに決まっているわ !
 おのれ、吉良め !  足利の血を引くからとおごりおって ! 」

 完全に八つ当たりであるが、賢い内蔵助は黙っていた。
 内匠頭は、幕府からの警告もあり藩内での女人狩りを厳しく禁止されている。

 女好きな内匠頭に取っては許容出来なかったが、こんなことで幕府に睨まれて藩を取り潰しをされたのでは、先代を含めた御先祖様に申し訳が立たないだろう。

「それよりも、新しい女は手に入らぬのか !?
 村里や城下町が目立つなら他藩の街道筋で女を調達すればよかろうが !」

 あまりにも頭の悪いことを言う浅野内匠頭に大石内蔵助は、更に頭を悩ませることになる。

「殿。 いっそのこと、南蛮から女を買えばよろしいかと」

 最近、殿にすり寄ってきた成り上がり者である意地川塁衛門いじがわ るいえもんがとんでもないことを吹き込んだ。

 いったい、何処にそんな銭があるんだと、大石内蔵助は思うが、下手に指摘すると浅野内匠頭が癇癪かんしゃくを起こすので黙っていた。
 



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 👼教えて、ユリリン女神さま !(会話劇です)

左近「ねえ ねえ、ユリリン。 饗応役きょうおうやくって、何かしら ?」

徳松「左近……仮にも高家旗本だろう、吉良家は 」

 左近「知らないものは知らないんだから仕方ないじゃない !
 『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』
と言うでしょ !」

ユリリン「まあ まあ、左近ちゃんもいきなり異世界転生したから仕方ないのじゃ !
 饗応役とは、江戸時代に天皇・上皇・女院より派遣されて江戸に下向してきた使者(それぞれ勅使・院使・女院使)を接待するために江戸幕府が設けた役職なのじゃ。主に外様大名が任命されたとしているのじゃ 」

 左近「ふ~ん、いつ頃行われた行事なのかしら ?」

ユリリン「毎年正月には幕府の将軍は、高家という旗本たちを派遣して京都の天皇と上皇に対して年賀を奏上するのじゃ。
 これに対して天皇と上皇は、答礼として2月下旬から3月半ばにかけて勅使と院使を江戸へ派遣するのじゃ。
 これが江戸時代の毎年の恒例行事であったのじゃ」

徳松「 スマナイ、女神さま。  実は私もどんな行事か、詳しくは知らないので教えて欲しい 」

ユリリン「江戸へ下向した勅使と院使は江戸にいる間は幕府の伝奏屋敷に滞在するのだが、ここで御馳走をふるまったり、高価な進物を献上したり、勅使院使の行く先の内装を良くしたり、お話し相手になったりなどの諸々の応待をするのが饗応役なのじゃ。

 勅使と院使の饗応には莫大な予算がかかることから、幕府は余計な蓄財をさせない意味で外様大名ばかりを任命したのじゃ。
 武骨な大名が一人で務めて天皇や上皇の使者に対して無礼があったりしてもいけないので、饗応役の大名には朝廷への礼儀作法に通じた高家肝煎が指南役口添え役ともにつくのが決まりであったのじゃ。

 ちなみに、饗応役の大名はこの高家に対しても指南料として高価な進物を贈らねばならなかったのじゃ」

左近「待って !  では、わたしが賄賂わいろを貰っていた説は……」

ユリリン「赤穂浪士を正義に見立てる為のでっち上げなのじゃ !」

左近・徳松「「…………………………」」

ユリリン「歴史書に残されているモノなんて、そんなモノなのじゃ ! 
 なにしろ、勝者の都合の良いように改ざんされるのじゃからな 」

※作者の独断と偏見です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

処理中です...