14 / 71
義務
しおりを挟む
き、気まずい.......なんか、泣いてる女の子を慰めるのに相当恥ずかしいことを言ってしまった気がする.......。まぁ、みゆが元気になってくれたみたいで良かったのだが。
「あ、あのだな、これからは深夜帯のシフトも入るから夜いないこともあると思う」
今後はこういったことがこれからは無いようにすると言った手前言っておくべきだろう。本当はみゆが寝てからこっそり家を出て行く気ではあったのだが.......。
「高校生って深夜帯も働けたの?」
「.......そうみたいだぞ」
「絶対嘘だよね? .......私のせい?」
察しのいいみゆのことだから、きっと気づいてしまうだろうから隠しておきたかったのだが.......。それに、俺としても自分のせいで俺が迷惑しているとか思って欲しくないのだ。だからこそ俺は、
「まぁ、店長に無理を言って入れてもらうことは間違いないが、みゆのせいって訳では無いぞ? 元々、冬休みの間は深夜帯に入れて貰えるように交渉するつもりだったし」
「じゃあ、どうして?」
「俺は訳あって一人暮らしをしているわけなんだが、学費は出してもらっているけどそれ以外は自分でどうにかするっていうのがその条件なんだ」
「今までそれでやってこれたのに、私が来たら深夜帯にめ働くっていうのは私のせいじゃないならなんなの?」
「来年には修学旅行があるだろ?」
「あっ」
「学費以外は自分でってことは修学旅行の分のお金も自分で出すってことだ」
これは嘘であるが本当のことでもある。俺は修学旅行には行く気が無いが、学校にお金を払っておく必要はある。そうでなければ、祖父母や学校側から色々と怪しまれてしまうから。修学旅行の前日か当日に修学旅行に行くことをドタキャンすることで、キャンセル料などは発生するだろうが、それでも半分くらいは返金されるはずだ。もう半分はドブに捨てるとの同じだが、こればっかりは諦めるしかない.......。
「.......親御さん達に言えば出して貰えないの?」
「言えば出してくれるだろうけど、一人暮らしをしているのは俺のワガママだし俺のできることは全部自分でやりたい。」
「和哉くんって意外と立派なんだね」
「意外とは余計だ。それより、みゆは大丈夫なのか?」
「何が?」
「いや、だから、ほら.......」
親に捨てられたんだから、学費とか学校でかかるお金は大丈夫なのか? とか、聞けねぇよ.......。
「お金のこと?」
「あ、あぁ.......」
「それなら大丈夫だと思う」
「そうなのか?」
自分の娘を捨てるような親だ。学費とか修学旅行代何てものをちゃんと継続して出してくれるものなのだろうか? 捨てた我が子のために出す金額としては大きすぎるようにも思えるんだが.......。
「社会が社会だからね。娘を捨てるなんて今の社会じゃ許されないことでしょ? だから、きっとあの人達もそれを出来るだけバレないようにはすると思う」
「なるほどな.......」
確かにそう言われると、納得も出来る。それが分かっているなら、我が子を捨てておいて常識があるように取り繕おうとしている事に怒りを覚えずにはいられない。 そもそもの話、みゆが警察などに訴えるとは考えなかったのだろうか?
「お前の両親はお前が警察に訴えるとはとかは考えていなかったのか?」
「無駄なの」
「は?」
「私のお父さんだった人は、大企業の社長だったの。だから、事件のひとつくらいならマスコミにさえバレなければ無かったことにするなんて造作もないんだよ。それに、訴えて裁判になったとしても私は弁護人を雇うお金なんてないしね」
みゆが口にした大企業の名は俺でも知っていた。いや、日本国どころか世界的にも有名である企業なのだ。そんな大企業の社長だっていうのか.......それなら、確かに民間で起こる事件の1つくらいなら無かったことにするなんて造作もなさそうに思える。
この国は民主主義だの、基本的人権の尊重だのを謳っているが、国内でトップクラスの富裕層の間では一般市民からしたらありえないことが行われていたり、理不尽に無かったことにされたりなんてことは間違いなくされているだろう。その証拠に、みんながみんな基本的人権が尊重されていて最低限度の生活を保証されているなら、我が国においてホームレスや浮浪者なんてものはいるはずがないのだから。望んでそういった生活をしている人もいるのは間違いないだろうが、それは極めて稀なケースであろう。
どんなに綺麗事を並べたところで所詮はそれが建前にしかならないのが社会というものだ。綺麗な建前を用意しておけば、裏で行われている社会の闇に気づかないようになっているのだ。
「.......ふざけやがって」
「でも、和哉くんが私を救ってくれた。私を買ってくれて、大切にするとまで言ってくれたんだから私は大丈夫だよ」
俺の内心を見透かしてかみゆが俺に微笑んでくる。はぁ.......当の本人が気にしないようにしてるのに俺が気にしてイライラする訳にはいかないよな.......。
「だから、私は多分大丈夫だよ。あの人ならお金だけなら履いて捨てるほどありそうだしね」
「違いねぇな.......」
あの大企業の社長なら、日本国民全員に1万円を配ってもお釣りがくるくらいには持っているんだろうな.......。
「和哉くんが深夜帯も働くの理由は分かったつもりだけど、実は私のためだっていうのなら絶対にやめてね?」
「そうじゃないから安心しろ」
本当にみゆは察しがいいからな.......バレないように細心の注意がある必要がありそうだ.......。
「あと、無理もしちゃダメだからね?」
「分かってるよ」
これは嘘だ。俺が無理をするだけで、みゆが普通に過ごせるならいくらでも無理を俺はするだろう。みゆと話すようになったばかりだとか、みゆが家に来てまだ3日だとかそういったことは関係ない。これは、彼女を死なせないと決めた俺の義務なのだから。
「あ、あのだな、これからは深夜帯のシフトも入るから夜いないこともあると思う」
今後はこういったことがこれからは無いようにすると言った手前言っておくべきだろう。本当はみゆが寝てからこっそり家を出て行く気ではあったのだが.......。
「高校生って深夜帯も働けたの?」
「.......そうみたいだぞ」
「絶対嘘だよね? .......私のせい?」
察しのいいみゆのことだから、きっと気づいてしまうだろうから隠しておきたかったのだが.......。それに、俺としても自分のせいで俺が迷惑しているとか思って欲しくないのだ。だからこそ俺は、
「まぁ、店長に無理を言って入れてもらうことは間違いないが、みゆのせいって訳では無いぞ? 元々、冬休みの間は深夜帯に入れて貰えるように交渉するつもりだったし」
「じゃあ、どうして?」
「俺は訳あって一人暮らしをしているわけなんだが、学費は出してもらっているけどそれ以外は自分でどうにかするっていうのがその条件なんだ」
「今までそれでやってこれたのに、私が来たら深夜帯にめ働くっていうのは私のせいじゃないならなんなの?」
「来年には修学旅行があるだろ?」
「あっ」
「学費以外は自分でってことは修学旅行の分のお金も自分で出すってことだ」
これは嘘であるが本当のことでもある。俺は修学旅行には行く気が無いが、学校にお金を払っておく必要はある。そうでなければ、祖父母や学校側から色々と怪しまれてしまうから。修学旅行の前日か当日に修学旅行に行くことをドタキャンすることで、キャンセル料などは発生するだろうが、それでも半分くらいは返金されるはずだ。もう半分はドブに捨てるとの同じだが、こればっかりは諦めるしかない.......。
「.......親御さん達に言えば出して貰えないの?」
「言えば出してくれるだろうけど、一人暮らしをしているのは俺のワガママだし俺のできることは全部自分でやりたい。」
「和哉くんって意外と立派なんだね」
「意外とは余計だ。それより、みゆは大丈夫なのか?」
「何が?」
「いや、だから、ほら.......」
親に捨てられたんだから、学費とか学校でかかるお金は大丈夫なのか? とか、聞けねぇよ.......。
「お金のこと?」
「あ、あぁ.......」
「それなら大丈夫だと思う」
「そうなのか?」
自分の娘を捨てるような親だ。学費とか修学旅行代何てものをちゃんと継続して出してくれるものなのだろうか? 捨てた我が子のために出す金額としては大きすぎるようにも思えるんだが.......。
「社会が社会だからね。娘を捨てるなんて今の社会じゃ許されないことでしょ? だから、きっとあの人達もそれを出来るだけバレないようにはすると思う」
「なるほどな.......」
確かにそう言われると、納得も出来る。それが分かっているなら、我が子を捨てておいて常識があるように取り繕おうとしている事に怒りを覚えずにはいられない。 そもそもの話、みゆが警察などに訴えるとは考えなかったのだろうか?
「お前の両親はお前が警察に訴えるとはとかは考えていなかったのか?」
「無駄なの」
「は?」
「私のお父さんだった人は、大企業の社長だったの。だから、事件のひとつくらいならマスコミにさえバレなければ無かったことにするなんて造作もないんだよ。それに、訴えて裁判になったとしても私は弁護人を雇うお金なんてないしね」
みゆが口にした大企業の名は俺でも知っていた。いや、日本国どころか世界的にも有名である企業なのだ。そんな大企業の社長だっていうのか.......それなら、確かに民間で起こる事件の1つくらいなら無かったことにするなんて造作もなさそうに思える。
この国は民主主義だの、基本的人権の尊重だのを謳っているが、国内でトップクラスの富裕層の間では一般市民からしたらありえないことが行われていたり、理不尽に無かったことにされたりなんてことは間違いなくされているだろう。その証拠に、みんながみんな基本的人権が尊重されていて最低限度の生活を保証されているなら、我が国においてホームレスや浮浪者なんてものはいるはずがないのだから。望んでそういった生活をしている人もいるのは間違いないだろうが、それは極めて稀なケースであろう。
どんなに綺麗事を並べたところで所詮はそれが建前にしかならないのが社会というものだ。綺麗な建前を用意しておけば、裏で行われている社会の闇に気づかないようになっているのだ。
「.......ふざけやがって」
「でも、和哉くんが私を救ってくれた。私を買ってくれて、大切にするとまで言ってくれたんだから私は大丈夫だよ」
俺の内心を見透かしてかみゆが俺に微笑んでくる。はぁ.......当の本人が気にしないようにしてるのに俺が気にしてイライラする訳にはいかないよな.......。
「だから、私は多分大丈夫だよ。あの人ならお金だけなら履いて捨てるほどありそうだしね」
「違いねぇな.......」
あの大企業の社長なら、日本国民全員に1万円を配ってもお釣りがくるくらいには持っているんだろうな.......。
「和哉くんが深夜帯も働くの理由は分かったつもりだけど、実は私のためだっていうのなら絶対にやめてね?」
「そうじゃないから安心しろ」
本当にみゆは察しがいいからな.......バレないように細心の注意がある必要がありそうだ.......。
「あと、無理もしちゃダメだからね?」
「分かってるよ」
これは嘘だ。俺が無理をするだけで、みゆが普通に過ごせるならいくらでも無理を俺はするだろう。みゆと話すようになったばかりだとか、みゆが家に来てまだ3日だとかそういったことは関係ない。これは、彼女を死なせないと決めた俺の義務なのだから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる