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対抗意識
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「やっぱり黒嶋くんだよね!」
「そうだな。それじゃ、またな」
うん、我ながらいい感じに自然な感じでこの場を去ることが出来そうだ。この場は早く去るべきだと俺の直感がそう告げているのだ。
「あっ、またねって違うでしょ! もうちょっと私にもかまってくれてもいいでしょ!」
「いや、秋風にも連れがいるみたいだしここはこれで済ませるのがお互いのためかなと」
「あっ、私のことはお気になさらず。けど、1つだけ聞いていいですか?」
いや、そこは気にされて欲しかったな.......。それに、秋風の友達が俺に聞きたいことがあるそうなんだが何だろうか? 中学時代の秋風のことでも知りたいのだろうか?
「俺に答えられることならいいですよ」
「それじゃ、遠慮なく。澪の彼氏さんとかですか?」
「.......澪って誰?」
「私だよ! 秋風澪だよ! ちゃんと名前くらい覚えていて欲しかったよ!」
あぁ、秋風の名前か。うん、言われてみれば確かにそんな感じの名前だった気もする。それに、覚えていて欲しかったって言われても普段は秋風としか呼ばないのだから名前なんて覚えていなくても問題ないだろ?
「あぁ.......彼氏さんとかではないんですね.......」
「もちろんだ」
「もちろんって言われるのも私としてはなんか複雑なんですけど.......ねぇ、黒嶋くん。私も聞きたいんだけどさっきから黒嶋くんの後ろにいる子って前に言ってた親戚の子?」
「.......親戚?」
あぁ、そういえば前に秋風にはみゆのことを親戚とか言って誤魔化したことがあったな.......。みゆにその事は伝えてなかったけどみゆならきっと察して俺に話を合わせてくれるだろう。
「あぁ、そうだ」
「和哉くん? いつから私は和哉くんの親戚になってたの?」
「.............」
全く察してくれませんでした.......普段は謎に鋭いくせになんでこういう時に限っては鈍感なんだよ.......。これ絶対にめんどくさいやつじゃん.......。
「彼女はそう言ってるけど黒嶋くん? どういうことかな?」
「.......つまり、そういうことです」
「やっぱり、黒嶋くん彼女いるんじゃん!」
「いや、彼女って訳では」
「私は和哉くんの彼女をさせてもらってます白夢みゆです」
「.......みゆさん?」
みゆは一体何を言っているのだろうか? いつから俺達は付き合っていたのだろうか? .......あっ、なるほど。もう彼女という設定にしてしまった方がこの場を早く切り抜けられるという機転をきかしてくれたんだな。
「.......秋風って、この前クレープを一緒に食べに行ってた人だよね? こんなに可愛い人だったなんて私、聞いてないよ.......」
なんか、小声でボソボソ言っている気がするけど何を言っているのだろうか? まぁ、聞こえないものは仕方ないのでここはみゆの機転に合わせて俺も動くとしよう。
「まぁ、そのなんだ。この前はつい恥ずかしくて言えななかったがそういうことだ」
100点満点の回答だろう。そう思ってみゆを見ると何故だかすごくジト目でこっちを見てくるのだが.......。
「なんでそんな棒読みなの.......? それなら今も、もう少し恥ずかしがってよ.......」
「.......和哉くんの馬鹿」
どうやら問題なのは俺の回答じゃなくて、答え方の表現の方だったらしい。けどまぁ、大丈夫だろう。なぜなら、
「ということで、俺達はもう行くな?」
この場から今すぐ立ち去ってしまえばいいだけなのだから。向こうも秋風1人ならめんどくさかったかもしれないが、友達も一緒にいるのだからこれ以上は引き止めようなんてしないだろう。
「あっ、うん」
「それじゃ」
「また、バイトでね?」
よし。今度こそいい感じにこの場を立ち去ることができそうだ。秋風とその友達に背を向けるように歩き出すとみゆも隣に並んで腕を絡ませてきた。いや、あの.......彼女の振りをするにしてもそこまでしなくてもいいのでは.......?
「あの.......みゆさん? 何をされているので?」
「ねぇ、和哉くん。私がどうして親戚なんて扱いになってたのか話してくれるよね?」
「.......はい」
俺はクレープ屋さんに向かう道すがら、みゆに何故みゆが俺の親戚ということになっていたのかの説明をした。説明と言っても、病院の帰りに2人で帰っていくところを店長に見られていて彼女だと勘違いされていたから親戚ということにしたといったことだけなのだが。
「.......それなら、最初から彼女にしといてくれたらいいのに.......和哉くんの馬鹿」
「.......すいません」
なお、クレープ屋さんに着くまでみゆはずっと俺の腕に腕を絡めていた。
「.......本当に秋風さんはこれを食べたの?」
「ありえないよな.......無理そうなら捨ててもいいからな?」
「.......そんなことはしない。絶対に食べきる」
クレープ屋さんに着くなりみゆは俺に秋風にどのクレープを奢ったのか聞いてきたので、スペシャルストロベリーカスタードクレープと答えたらそれを買うようにみゆに催促されたので、買ってやるとみゆはクレープを見た瞬間に顔を引きつらせていた。うん、見るのが2回目の俺でもありえないと思うくらいだからな。それでも何とかみゆはクレープを食べきっていた。
それにしても、みゆは何故だか秋風に対して対抗意識を燃やしているようだがなんでだろうか?
「そうだな。それじゃ、またな」
うん、我ながらいい感じに自然な感じでこの場を去ることが出来そうだ。この場は早く去るべきだと俺の直感がそう告げているのだ。
「あっ、またねって違うでしょ! もうちょっと私にもかまってくれてもいいでしょ!」
「いや、秋風にも連れがいるみたいだしここはこれで済ませるのがお互いのためかなと」
「あっ、私のことはお気になさらず。けど、1つだけ聞いていいですか?」
いや、そこは気にされて欲しかったな.......。それに、秋風の友達が俺に聞きたいことがあるそうなんだが何だろうか? 中学時代の秋風のことでも知りたいのだろうか?
「俺に答えられることならいいですよ」
「それじゃ、遠慮なく。澪の彼氏さんとかですか?」
「.......澪って誰?」
「私だよ! 秋風澪だよ! ちゃんと名前くらい覚えていて欲しかったよ!」
あぁ、秋風の名前か。うん、言われてみれば確かにそんな感じの名前だった気もする。それに、覚えていて欲しかったって言われても普段は秋風としか呼ばないのだから名前なんて覚えていなくても問題ないだろ?
「あぁ.......彼氏さんとかではないんですね.......」
「もちろんだ」
「もちろんって言われるのも私としてはなんか複雑なんですけど.......ねぇ、黒嶋くん。私も聞きたいんだけどさっきから黒嶋くんの後ろにいる子って前に言ってた親戚の子?」
「.......親戚?」
あぁ、そういえば前に秋風にはみゆのことを親戚とか言って誤魔化したことがあったな.......。みゆにその事は伝えてなかったけどみゆならきっと察して俺に話を合わせてくれるだろう。
「あぁ、そうだ」
「和哉くん? いつから私は和哉くんの親戚になってたの?」
「.............」
全く察してくれませんでした.......普段は謎に鋭いくせになんでこういう時に限っては鈍感なんだよ.......。これ絶対にめんどくさいやつじゃん.......。
「彼女はそう言ってるけど黒嶋くん? どういうことかな?」
「.......つまり、そういうことです」
「やっぱり、黒嶋くん彼女いるんじゃん!」
「いや、彼女って訳では」
「私は和哉くんの彼女をさせてもらってます白夢みゆです」
「.......みゆさん?」
みゆは一体何を言っているのだろうか? いつから俺達は付き合っていたのだろうか? .......あっ、なるほど。もう彼女という設定にしてしまった方がこの場を早く切り抜けられるという機転をきかしてくれたんだな。
「.......秋風って、この前クレープを一緒に食べに行ってた人だよね? こんなに可愛い人だったなんて私、聞いてないよ.......」
なんか、小声でボソボソ言っている気がするけど何を言っているのだろうか? まぁ、聞こえないものは仕方ないのでここはみゆの機転に合わせて俺も動くとしよう。
「まぁ、そのなんだ。この前はつい恥ずかしくて言えななかったがそういうことだ」
100点満点の回答だろう。そう思ってみゆを見ると何故だかすごくジト目でこっちを見てくるのだが.......。
「なんでそんな棒読みなの.......? それなら今も、もう少し恥ずかしがってよ.......」
「.......和哉くんの馬鹿」
どうやら問題なのは俺の回答じゃなくて、答え方の表現の方だったらしい。けどまぁ、大丈夫だろう。なぜなら、
「ということで、俺達はもう行くな?」
この場から今すぐ立ち去ってしまえばいいだけなのだから。向こうも秋風1人ならめんどくさかったかもしれないが、友達も一緒にいるのだからこれ以上は引き止めようなんてしないだろう。
「あっ、うん」
「それじゃ」
「また、バイトでね?」
よし。今度こそいい感じにこの場を立ち去ることができそうだ。秋風とその友達に背を向けるように歩き出すとみゆも隣に並んで腕を絡ませてきた。いや、あの.......彼女の振りをするにしてもそこまでしなくてもいいのでは.......?
「あの.......みゆさん? 何をされているので?」
「ねぇ、和哉くん。私がどうして親戚なんて扱いになってたのか話してくれるよね?」
「.......はい」
俺はクレープ屋さんに向かう道すがら、みゆに何故みゆが俺の親戚ということになっていたのかの説明をした。説明と言っても、病院の帰りに2人で帰っていくところを店長に見られていて彼女だと勘違いされていたから親戚ということにしたといったことだけなのだが。
「.......それなら、最初から彼女にしといてくれたらいいのに.......和哉くんの馬鹿」
「.......すいません」
なお、クレープ屋さんに着くまでみゆはずっと俺の腕に腕を絡めていた。
「.......本当に秋風さんはこれを食べたの?」
「ありえないよな.......無理そうなら捨ててもいいからな?」
「.......そんなことはしない。絶対に食べきる」
クレープ屋さんに着くなりみゆは俺に秋風にどのクレープを奢ったのか聞いてきたので、スペシャルストロベリーカスタードクレープと答えたらそれを買うようにみゆに催促されたので、買ってやるとみゆはクレープを見た瞬間に顔を引きつらせていた。うん、見るのが2回目の俺でもありえないと思うくらいだからな。それでも何とかみゆはクレープを食べきっていた。
それにしても、みゆは何故だか秋風に対して対抗意識を燃やしているようだがなんでだろうか?
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