24 / 61
新天地へ
それぞれの策略
しおりを挟む
「――失礼致します」
夜闇に暮れた、ベルスタン城にある一室の扉――それをノックの体で叩く音と、そう言った女の声が同時に廊下へと響いた。
「……どうぞ、入ってくれ」
それに呼応する体で、くぐもった声音で更に響いたのは――案の定に、その一室の中から放たれた、入室を促す声……これはどうやら男の声の様だ。
女は、あまり音が響かない様にという配慮が伺える手順で扉を開くと、中で待っていた者とは……何やら、くつろいだ様子のアルムで、他に部屋の中には人影が見当たらないトコロを思うと、さっきの男の声の主とは、どうやらこの王子殿下の様である。
アルムの顔を視認した女は、少し怪訝とした表情を浮かべると、彼女はぶっきらぼうに写る態度で、おもむろに部屋に置かれていたダイニングチェアーに腰を下ろす。
「……王子殿下、お呼びとの事ですが、私に何用でございますか?」
女は一国――いや、この世界においては一種族の王子殿下足る者を目の前にしながら、豪気にも無礼に等しい態度でそう告げると……
「何時ぞやの様に――"夜伽の方"をご所望ならば、今宵は他を当たって頂きたいのですが……」
――と、なかなかの爆弾発言も付けて、アルムの顔色を伺う様な目つきを見せた。
かなり鋭角に、アルムとの只ならぬカンケイに触れたこの女の名は――"アイリス・ヒュマド・ロトバナラ"。
ヒュマド王族の身辺警護を司る、近衛兵の一人である。
そして今は、例の凱旋式典を終えてからは、3日程を経た後の夜である。
「……手厳しいねぇ、まだ根に持って――いや、それとも僕と過ごした"あの夜"は、そんなに忘れ難いモノだったかな?」
アルムは小さく、ニヤリとヤラシイ笑みを浮かべると、おもむろにアイリスの対面の席に座った。
「忘れ難い――という意味においては、そのとおりでしょう?
共に研鑽を磨いた学友であり、後の君主として信頼もしていた御方に……寝床へ押し倒されて、手籠めにされる経験をしてはっ!」
アイリスは、からかう様な返しをしてくるアルムに、私怨がこもった抗議を激昂気味にぶつけた。
――これまでの、イケメン王子という風体とは、一線を画す……いや、むしろ真逆な鬼畜っぷりを暴露されているアルムは、アイリスのその抗議に対して……
「――それが、"王子付き女性近衛の役目の一つ"だと、キミもよぉ~く解っただろう?」
――と、呆れた様に腕を組み、更なる鬼畜っぷりを自ら晒した。
会話の内容が色っぽいモノを含んでいるせいか――思わず、話を持って行きたくなる、アイリスの容貌とは……茶色い長髪を無造作に背へと垂らし、体格や肢体の造りには大きな特徴は無く、一言で言えば平均的な中肉中背――強いて挙げるとしたら、武器を扱う職業に身を置いているせいか、ニーナと似てよく鍛えられているのが解る姿だ。
顔立ちも整っている部類なので――鬼畜王子が、『手を出したくなった』気持ちだけは頷けよう。
「――まあ、キミを今回呼び出した理由は、長旅から帰って早々に、”ソッチの事”を所望しているんじゃあないから安心してよ」
鬼畜王子はそう言うと、アイリスへ向けて一通の書状を渡した。
「これは、キミへの転属辞令――コレでキミは、処女を奪った憎き僕の側から離れられるってワケさ♪」
書状の大まかな中身をアルムから告げられた彼女は、眉間にシワを寄せながら、その書状を手に取り、それの封をゆっくりと開ける。
「――アデナ・サラギナーニアの側近に、私を?」
「ああ……コータ殿が、このワールアークに滞在する間――キミを護衛に付ける事にした。
その後、キミにはヒュマドの代表として、正式に彼の臣下へと出向してもらう」
驚いた表情で辞令を読み上げるアイリスに、アルムは端的な後の動きも補足して説明する。
「ふっ……今度は、"魔神憑き"の夜伽係というワケですか」
アイリスは顔をしかめ、ワナワナと指を震わせながら書状を握り締める。
「ふふ……その心配は無いよ。
巷に聞く、"異界の者は好色"だという噂は、少なくともコータ殿にはそれは当らない――何せ、片抜けを患った影響で『そーいうコト』は難しいらしいからね」
アルムはわざとらしく、お手上げと言った体で両手を掲げ、残念そうに小さく溜息を吐き……
「何より、彼は"本当の僕とは違って"、紳士的で精錬された好漢だ――異界では、市井に甘んじていたというのがウソの様に感じる程にね。
それは一月の間、彼と旅をして来た僕が保証する――彼に仕えれば、きっとキミが子供の頃から望んでいる、女性ながらに武人として身を立てるという理想にも、理解を示してくれると思うよ」
――そう続けて、頬杖を突きながら、目の前のアイリスに返答を促す。
「策士な一面を持つ殿下の事です――そんな、歯が浮く様なキレイゴトが、意図の全てではないのでしょう?」
アイリスは、何かを見透かした様な素振りで、アルムの意図を勘繰って見せた。
「ふふふ……僕はそういう、痒いトコロに手が届く様な、キミの繊細さが好きだったよ――近衛としての鋭い気配りや洞察力も、"床の中でのアレやコレ"やも……」
アルムがしたり顔でそう呟くと、それを聞いたアイリスはギリっと歯軋りを発て、特に後者の表現には恥ずかしさを覚え、頬を紅く染めた。
「さっき言った様な好漢に、小さな国に等しい権力が譲渡される――ロドバスマからも道中で言われたが、軍部はそれを警戒しているのだろう?
だから……軍部から、一種の監視役として彼の側に一人着けたいという事なのでね――僕は、そんな重要な任務にキミを推挙したってワケだよ。
思慮が深い優秀な武人だし、時には王子とカラダも交わしたキミになら、この国にとって、信に置ける働きを期待出来るはずだとね」
マジメな部分と色っぽい部分を交互に繰り返す、緩急を交えた理由を挙げるアルムの話に、アイリスは更に頬の紅潮を強め……
「そっ、その理由を、軍部のお偉方にも?」
――と、耐えられないといった体で俯き、グッと両拳を握った。
「ははっ!、それは流石に――だけど、キミの経歴を見れば、丸わかりだろうとは思うけどねぇ♪」
アルムは楽し気に笑ってそう言うと、卓に置いていた盃を寝酒で満たし、ソレをクイッと喉元に煽り……
「とりあえず明日の朝――その辞令を持って、コータ殿の寝所を尋ねてくれ」
――と、アイリスにコータとの面会を命じたのだった。
――ドンッ!
アルムの部屋から出て、城の門へ向けて廊下の角を曲がろうとした時、アイリスは悔し気にその壁を強く叩いた。
(理想の進捗云々というキレイゴトと、任務の重要さを説いたとてっ!、要はっ!、私という肉玩具に飽きただけであろうがっ⁉、鬼畜王子めぇっ!)
彼女は大粒の涙を流しながら、小さな蝋燭が照らしている夜闇へと向かい、勇猛な素振りでその中へと消えて行った。
「失礼、致します」
その頃、同じベルスタン城の別の一室でも、奇しくも同様な文言とノックの音が響いていた。
コチラはミレーヌに充てられていた部屋で、ノックとその文言の主はローラン――彼は、中に居るはずな彼女の応答を待っていた。
「どうぞ、入ってください」
部屋の中から響いた声の主は、何らかの期待がこもった様な楽し気な声音で、扉の前に立つローランに入室を促す。
「――それで、ちゃんと"渡り"は着きましたか?」
ミレーヌは、何やら気持ちが早っている様子で、彼が扉を閉め終えるのも待たずに、何かを頼んだらしい用向きの概要を急かす。
「はっ……姫様が明日、コータ殿と共に我らエルフィの難民キャンプへと行幸される旨は、先方にもちゃんと伝わっております」
対してローランはゆっくりと畏まり、ミレーヌの問いに少し困った素振りのまま答えた。
「それは――ちゃんと”姉様にも、私の思惑と考えを伝えてくれたという事ですか?」
ミレーヌは、ローランの表情と曖昧にも受け取れる言い方に懸念を抱き、自分から更なる詳細な報告を求める。
「姫様――"あの方"に対して、その呼び名は……」
「今、この部屋に居るのは私と貴方だけですし、この呼び名は、たとえ母様に咎められようとも、私は姉様と呼ぶ事を止める事は無い――と、皆の前で宣して述べたはずですっ!」
ミレーヌが言う『姉様』に、過ぎた懸念を示すローランに対し、彼女は強い言葉でそれを制し、強い意思を感じる物言いで彼を叱咤する。
そう――ミレーヌには一人、父違いではあるが、姉と呼ぶべき存在が居る。
だが、ローランがその者に対しての呼び名を濁した面からも解る様に、何やら浅からぬ事情があるらしい……
「――それに、此度に私が挙げた方策は、貴方たちが忌み嫌う姉様を、更に側から遠ざける結果となるモノ……貴方たちにとっては、願ってもない考えなのではありませんか?」
ミレーヌは渋い表情をして不満気にそう呟くと、身の内で沸く怒りを抑える様に、拳を強く握った。
「はっ、はい……此度の姫様からの進言は、重臣たちの間からも英断として喜ばしい反応が出ておりますし、先方たる『あの方』も――姫様の意をよく汲み、謹んでその任を承るつもりとの事」
「……そうですか、流石は聡い姉様です」
冷や汗混じりに、ローランが事の進捗を説明すると、それを聞いたミレーヌは安堵と、寂しさが混じった様な複雑な表情を浮かべた。
夜闇に暮れた、ベルスタン城にある一室の扉――それをノックの体で叩く音と、そう言った女の声が同時に廊下へと響いた。
「……どうぞ、入ってくれ」
それに呼応する体で、くぐもった声音で更に響いたのは――案の定に、その一室の中から放たれた、入室を促す声……これはどうやら男の声の様だ。
女は、あまり音が響かない様にという配慮が伺える手順で扉を開くと、中で待っていた者とは……何やら、くつろいだ様子のアルムで、他に部屋の中には人影が見当たらないトコロを思うと、さっきの男の声の主とは、どうやらこの王子殿下の様である。
アルムの顔を視認した女は、少し怪訝とした表情を浮かべると、彼女はぶっきらぼうに写る態度で、おもむろに部屋に置かれていたダイニングチェアーに腰を下ろす。
「……王子殿下、お呼びとの事ですが、私に何用でございますか?」
女は一国――いや、この世界においては一種族の王子殿下足る者を目の前にしながら、豪気にも無礼に等しい態度でそう告げると……
「何時ぞやの様に――"夜伽の方"をご所望ならば、今宵は他を当たって頂きたいのですが……」
――と、なかなかの爆弾発言も付けて、アルムの顔色を伺う様な目つきを見せた。
かなり鋭角に、アルムとの只ならぬカンケイに触れたこの女の名は――"アイリス・ヒュマド・ロトバナラ"。
ヒュマド王族の身辺警護を司る、近衛兵の一人である。
そして今は、例の凱旋式典を終えてからは、3日程を経た後の夜である。
「……手厳しいねぇ、まだ根に持って――いや、それとも僕と過ごした"あの夜"は、そんなに忘れ難いモノだったかな?」
アルムは小さく、ニヤリとヤラシイ笑みを浮かべると、おもむろにアイリスの対面の席に座った。
「忘れ難い――という意味においては、そのとおりでしょう?
共に研鑽を磨いた学友であり、後の君主として信頼もしていた御方に……寝床へ押し倒されて、手籠めにされる経験をしてはっ!」
アイリスは、からかう様な返しをしてくるアルムに、私怨がこもった抗議を激昂気味にぶつけた。
――これまでの、イケメン王子という風体とは、一線を画す……いや、むしろ真逆な鬼畜っぷりを暴露されているアルムは、アイリスのその抗議に対して……
「――それが、"王子付き女性近衛の役目の一つ"だと、キミもよぉ~く解っただろう?」
――と、呆れた様に腕を組み、更なる鬼畜っぷりを自ら晒した。
会話の内容が色っぽいモノを含んでいるせいか――思わず、話を持って行きたくなる、アイリスの容貌とは……茶色い長髪を無造作に背へと垂らし、体格や肢体の造りには大きな特徴は無く、一言で言えば平均的な中肉中背――強いて挙げるとしたら、武器を扱う職業に身を置いているせいか、ニーナと似てよく鍛えられているのが解る姿だ。
顔立ちも整っている部類なので――鬼畜王子が、『手を出したくなった』気持ちだけは頷けよう。
「――まあ、キミを今回呼び出した理由は、長旅から帰って早々に、”ソッチの事”を所望しているんじゃあないから安心してよ」
鬼畜王子はそう言うと、アイリスへ向けて一通の書状を渡した。
「これは、キミへの転属辞令――コレでキミは、処女を奪った憎き僕の側から離れられるってワケさ♪」
書状の大まかな中身をアルムから告げられた彼女は、眉間にシワを寄せながら、その書状を手に取り、それの封をゆっくりと開ける。
「――アデナ・サラギナーニアの側近に、私を?」
「ああ……コータ殿が、このワールアークに滞在する間――キミを護衛に付ける事にした。
その後、キミにはヒュマドの代表として、正式に彼の臣下へと出向してもらう」
驚いた表情で辞令を読み上げるアイリスに、アルムは端的な後の動きも補足して説明する。
「ふっ……今度は、"魔神憑き"の夜伽係というワケですか」
アイリスは顔をしかめ、ワナワナと指を震わせながら書状を握り締める。
「ふふ……その心配は無いよ。
巷に聞く、"異界の者は好色"だという噂は、少なくともコータ殿にはそれは当らない――何せ、片抜けを患った影響で『そーいうコト』は難しいらしいからね」
アルムはわざとらしく、お手上げと言った体で両手を掲げ、残念そうに小さく溜息を吐き……
「何より、彼は"本当の僕とは違って"、紳士的で精錬された好漢だ――異界では、市井に甘んじていたというのがウソの様に感じる程にね。
それは一月の間、彼と旅をして来た僕が保証する――彼に仕えれば、きっとキミが子供の頃から望んでいる、女性ながらに武人として身を立てるという理想にも、理解を示してくれると思うよ」
――そう続けて、頬杖を突きながら、目の前のアイリスに返答を促す。
「策士な一面を持つ殿下の事です――そんな、歯が浮く様なキレイゴトが、意図の全てではないのでしょう?」
アイリスは、何かを見透かした様な素振りで、アルムの意図を勘繰って見せた。
「ふふふ……僕はそういう、痒いトコロに手が届く様な、キミの繊細さが好きだったよ――近衛としての鋭い気配りや洞察力も、"床の中でのアレやコレ"やも……」
アルムがしたり顔でそう呟くと、それを聞いたアイリスはギリっと歯軋りを発て、特に後者の表現には恥ずかしさを覚え、頬を紅く染めた。
「さっき言った様な好漢に、小さな国に等しい権力が譲渡される――ロドバスマからも道中で言われたが、軍部はそれを警戒しているのだろう?
だから……軍部から、一種の監視役として彼の側に一人着けたいという事なのでね――僕は、そんな重要な任務にキミを推挙したってワケだよ。
思慮が深い優秀な武人だし、時には王子とカラダも交わしたキミになら、この国にとって、信に置ける働きを期待出来るはずだとね」
マジメな部分と色っぽい部分を交互に繰り返す、緩急を交えた理由を挙げるアルムの話に、アイリスは更に頬の紅潮を強め……
「そっ、その理由を、軍部のお偉方にも?」
――と、耐えられないといった体で俯き、グッと両拳を握った。
「ははっ!、それは流石に――だけど、キミの経歴を見れば、丸わかりだろうとは思うけどねぇ♪」
アルムは楽し気に笑ってそう言うと、卓に置いていた盃を寝酒で満たし、ソレをクイッと喉元に煽り……
「とりあえず明日の朝――その辞令を持って、コータ殿の寝所を尋ねてくれ」
――と、アイリスにコータとの面会を命じたのだった。
――ドンッ!
アルムの部屋から出て、城の門へ向けて廊下の角を曲がろうとした時、アイリスは悔し気にその壁を強く叩いた。
(理想の進捗云々というキレイゴトと、任務の重要さを説いたとてっ!、要はっ!、私という肉玩具に飽きただけであろうがっ⁉、鬼畜王子めぇっ!)
彼女は大粒の涙を流しながら、小さな蝋燭が照らしている夜闇へと向かい、勇猛な素振りでその中へと消えて行った。
「失礼、致します」
その頃、同じベルスタン城の別の一室でも、奇しくも同様な文言とノックの音が響いていた。
コチラはミレーヌに充てられていた部屋で、ノックとその文言の主はローラン――彼は、中に居るはずな彼女の応答を待っていた。
「どうぞ、入ってください」
部屋の中から響いた声の主は、何らかの期待がこもった様な楽し気な声音で、扉の前に立つローランに入室を促す。
「――それで、ちゃんと"渡り"は着きましたか?」
ミレーヌは、何やら気持ちが早っている様子で、彼が扉を閉め終えるのも待たずに、何かを頼んだらしい用向きの概要を急かす。
「はっ……姫様が明日、コータ殿と共に我らエルフィの難民キャンプへと行幸される旨は、先方にもちゃんと伝わっております」
対してローランはゆっくりと畏まり、ミレーヌの問いに少し困った素振りのまま答えた。
「それは――ちゃんと”姉様にも、私の思惑と考えを伝えてくれたという事ですか?」
ミレーヌは、ローランの表情と曖昧にも受け取れる言い方に懸念を抱き、自分から更なる詳細な報告を求める。
「姫様――"あの方"に対して、その呼び名は……」
「今、この部屋に居るのは私と貴方だけですし、この呼び名は、たとえ母様に咎められようとも、私は姉様と呼ぶ事を止める事は無い――と、皆の前で宣して述べたはずですっ!」
ミレーヌが言う『姉様』に、過ぎた懸念を示すローランに対し、彼女は強い言葉でそれを制し、強い意思を感じる物言いで彼を叱咤する。
そう――ミレーヌには一人、父違いではあるが、姉と呼ぶべき存在が居る。
だが、ローランがその者に対しての呼び名を濁した面からも解る様に、何やら浅からぬ事情があるらしい……
「――それに、此度に私が挙げた方策は、貴方たちが忌み嫌う姉様を、更に側から遠ざける結果となるモノ……貴方たちにとっては、願ってもない考えなのではありませんか?」
ミレーヌは渋い表情をして不満気にそう呟くと、身の内で沸く怒りを抑える様に、拳を強く握った。
「はっ、はい……此度の姫様からの進言は、重臣たちの間からも英断として喜ばしい反応が出ておりますし、先方たる『あの方』も――姫様の意をよく汲み、謹んでその任を承るつもりとの事」
「……そうですか、流石は聡い姉様です」
冷や汗混じりに、ローランが事の進捗を説明すると、それを聞いたミレーヌは安堵と、寂しさが混じった様な複雑な表情を浮かべた。
10
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
※2026年半ば過ぎ完結予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる