流れ者のソウタ

緋野 真人

文字の大きさ
31 / 207
知り過ぎた者たち

発見

しおりを挟む
「――レンという娘だ、心当たりは無いか?」

「――知らないねぇ、他を当たってみたら?」

娼街で聞き込みを続けているヨシゾウとサスケは、コレと言った情報を得られず、何度もこのやり取りをくり返していた。


「はぁ……また、ダメでしたね」

途方に暮れた様な気持ちで、サスケは大きな溜め息を吐く。

「う~ん……そろそろ、宿を取る手筈も着けねばならない時分だしな。

明日、探索地域を拡げて――」


――ぐぅ~……


――言い掛けたトコロで、ヨシゾウの腹の虫が鳴いた。


「――あっ、すまん」

ヨシゾウは恥ずかしそうに、怪訝な顔を造って腹を撫でる。

「いえ、今日中にオウビでの捜索を始めたいと、昼食を抜いて足を速める事を提案したのは私ですから、何かを言えた立場ではありません」

サスケは目線を外して、申し訳なさそうに言った。

「そう言ってくれると、隊長としてのメンツが潰れずに済んで助かる。

お前は?、腹が減っているであろう?」

「はい――音が漏れぬ様に奮起しておりますが、正直、腹ペコであります」

サスケは、観念した様子で、自分も空腹であるコトを吐露した。

「よし!、宿を取る前に、腹ごしらえを急務としよう!

どこか、この辺に――」

――と、ヨシゾウが食堂を探して、キョロキョロしていると――


「――じゃあ、ユキ。

アタシは、このまま仕事に――姐さんと、レ……ちゃんも、またね!」


――近くの"食堂"の看板が貼られた、古びれた建物から出て来る……かなりキワどい恰好の、娼婦らしき女の姿が見えた。


「おお、あったぞ!、あそこで腹ごしらえだ!」

ヨシゾウは、突撃の号令でも掛ける様に言って、サスケと共に古びれた食堂に向った。


――その食堂の店内では、オリエが持って来た菓子の試食会場という様になり、皆でその菓子に舌鼓を打っていた。


「――うん、美味い菓子だった。

お嬢、コレは売れると思うよ」

菓子を入れていた皿を指差し、フミは頷きながらそう言った。

「おっ!、フミさんのお墨付きが出た!、こりゃあ一稼ぎ出来そうだねぇ♪」

オリエは、ニンマリと笑って、フミから出されていた茶を啜る。

「――じゃあ、私にも、売って頂けますか?

とっても美味しかったので、集会所にも置きたいと思うので」

フミと一緒に、味見に加わっていたユキも、たいそう気に入ったらしく、口元を覆って、唇に付いた食べカスを上品に処理しながら、早速、購入を申し入れる。

「おっ!、毎度ありぃ~!」

オリエは、ユキの頬をツンツンと突いて、喜びを彼女の聴覚と触覚に伝える。


「俺にも……売ってくれや」

野太い声でそう言ったのは、もちろんリュウジ――皆、驚いた様子で一斉に彼を見た。

「……なんだ?、一家ウチの連中への土産にでもと思って、頼んだんだが――俺みてぇなのが、菓子を買ったら変か?」

「いやっ!、そんなコトないさ。

そういや、アンタ……甘辛りょうとう使いだったっけ」

不満気に顔をしかめるリュウジの問いに、オリエは苦笑いを見せながら答えた。

「う~ん……でも、土産にとなるとさ、今はおフミさんに届ける分しか、持って来てないんだよねぇ」

何なら、屋敷ウチに寄ってかないかい?」

「ああ、良いぜ。

ミツカが、商売に出る時間だしな――女だけで歩かせるのは、どうかと思ってた時分だしよぉ」

リュウジは、夕闇が拡がり始めている窓を指差し、ユキとレンを含めた3人を見渡す。

「優しいねぇ、お頭さんはさ♪」

オリエは、からかう様にリュウジにそう言って、彼の顔を楽しげに指差す。

「どうしてコレで――今の歳まで、嫁が貰えねぇのかね?」

――と、余計な皮肉染みた、幼馴染への心配も含めて。

「うるせぇ!、未だに婿が見つからねぇのは、お前も同じだろうが!」

そんなやり取りを、笑いながら見渡したフミが――

「――さあ、夜の営業、開始と行こうかねぇ」

――と、腕まくりをし始める。


「あっ、じゃあ、もう行こうか」

フミの声掛けに、オリエは、徐に立ち上がり、レンとリュウジに目配せをして――

「――ユキ、集会所まで送ってくよ」

――と、ユキには声をかけ、彼女の手を握る。

「あっ、お頭が、オリエさんのお屋敷に行かれるのなら、ご一緒したいです。

私も、お菓子を早く、みんなに食べさせたいですし……レンちゃんとも、もう少し」

――と、ユキは同行を申し出た。

「あら、そう?、じゃあ、みんなで――」

――と、オリエが言い掛けた所で、"旅装束の若い男が"店の引き戸を開けた。

「――店主、外の開店時間まで、きわどい時分にすまないが、もう、開いているだろうか?」

若い男は、礼儀正しくそう詫びながら、ゆっくりと内側に掛けたままの暖簾をくぐる。


その客と、入れ替わる様に、店から出ようと振り向いたレンが――

「――えっ!?」

――そんな、驚きの声を挙げた。

「――っ!?、!!!!!!!、レン?!」

そして――若い男も、同じ様な態度で、彼女の顔を見てそう叫んだ。


「サッ……サスケさん?」

若い男――サスケは、そのレンの反応を見聞きし――

「やっぱり――やっぱりっ!、レンなんだな?」

――と、レンの問いには答えず、彼はボロボロと大粒の涙を溢し、つぶやく様に問い返す。


その様子に、少し呆気に取られながらレンが、黙ったままコクンと頷いて見せる――そんな様を見たサスケは、感極まった様子で、レンを正面から抱き締めた!

「?!、ええっ!?、サッ!、サスケさん?!」

「良かった……っ!、やっぱりぃ――やっぱり、生きてたぁ……!」

レンは、突然の抱擁に驚き、激しく狼狽して見せたが、サスケはそれに構わず抱く力を強める。


「?!、あらら?」

それを、レンの後ろで観ていたオリエも、口元を抑えながら呆気に取られている。


――フツーなら、従者が突然、知らない男に抱き締められているとなれば、主人としても、黙ってはいないはずな状況だが、互いが知り合いであると思われる、両者の発言から、オリエは――

(――えっ!?、マジ?!、もしかして、レンの"元カレ"?)

――ぐらいにしか思っていないので、悠長な構えとなっているのである。


「――サスケ、どうだ?、店は開いて……」

――と、客がもう一人、これも旅装束の男で、今度は中年の男が店に入って来る。


「?!、サスケ!、お前、ナニを――」

入店の矢先に見せられた、サスケの抱擁シーンに驚いた中年男は、叱る様な言い方で口を開くが、抱き締めている相手の顔を見て――

「――っ!!!、まさか……ココで見つけたのか?!」

――心底驚いた様で、震えながらそう言った。

それを聞いたサスケは、レンを抱き締めたまま、首だけを振り向かせ――

「ばいっ!、はい!、生ぎて――生きで、いまじた!」

――と、涙混じりの声で応じた。


「サッ、サスケさん――はっ!、離してください!」

「!?、ああっ!、ごっ!、ごめん!」

レンのそんな抗議の声に、やっとサスケは我に返って、慌てて彼女を束縛から解放する。

解放されたレンは、顔を恥ずかしそうに赤らめ、少し肌蹴た着物をサッサと手早く直す。

(ああ、可愛い――!、やっぱり、本当に、本当にレンだぁ……)

サスケは、そんなレンの仕草を見詰め、もう一度涙を溢す――ちょっと、"キモく"感じてしまうセリフを、心中でつぶやきながら。


「――スヨウの国、ヤマカキ村のレン……だな?」

レンとサスケの間に入る様に、中年の男――ヨシゾウは、真剣な眼差しを送って、彼女に素性を問うた。

「……はい」

レンは少し、答えを選ぶ素振りを見せたが"今のこの場面では"、こう答える方が適切だと判断して、頷きながらそう返した。


「――私は、"スヨウ第五軍"のヨシゾウ――例の、虐殺事件の調査を任されておる。

生存の可能性が見つかった、そなたを探していたのだ」

「――?!」

旅装束の裏地に刻まれた、"鳳凰の紋"を見せながら名乗ったヨシゾウに、レンは顔付きを硬直させ、頬の血色を青ざめさせながら、ゴクリと大粒の唾を呑む。


(?!、スヨウの――だって?!)

会話を漏れ聞いたオリエも、顔色を変え、睨み付ける様にヨシゾウの姿を見詰める。

(……追手が辿り着く可能性は、ソウタも危惧はしてたけど――速いっ!

現場から離れたココを、先に調べに来るって……勘が鋭くて、用兵にも長けたヤツが居る――ってコト?)


(――んっ?)

(姐さん……?)

オリエの側に居る、リュウジとユキは――彼女の、ヨシゾウに対して放つ警戒感を、リュウジは彼女の表情で、ユキはオリエの気配から感じる、紅い警戒の界気を感じ取る。


「――レンよ、そなたは、あの時……」

――と、言い掛けた、ヨシゾウの腹の虫が、また鳴いた。


「――!、ははは……すまぬな。

どうやら話を聞く前に、先にせねばならぬ事があると、私の腹が言うておる様だ。

悪いが、話の前に、腹ごしらえをさせて貰いたい……待っていて、貰え――」

「――ちょいと、すいませんねぇ?」

――と、レンに待つ様に言おうとしている、ヨシゾウの前にオリエが割って入る。


(――っ!?)

ヨシゾウは、この女――オリエが自分に向けて放つ、何とも言えない存在感プレッシャーに気圧され、その先の言葉を思わず呑み込んだ。

「うっ、んんっ!、――何かな?」

「このレンって娘は、今、アタシの従者をして貰ってるんだがね?」

――と、オリエは、レンがココに居る理由を、簡素にして的確にヨシゾウに伝える。

「なっ!、レン――そうなのか?!」

それを漏れ聞いたサスケは、レンに説明を求めた。

「はっ、はい」

レンは、それだけを答えて、この状況の行く末をオリエに委ねる視線を彼女に送った。


その二人のアイコンタクトを、微妙に感じ取ったヨシゾウは――

「それで――私に何を言いたい?」

――と、怪訝な表情を見せて、オリエに意図を問うた。

「この狭い店内で、アンタらとレンの話が終わるまで、アタシらが、バカ面して席を占めてちゃあ、営業妨害になっちまうだろ?

この娘は今、アタシの屋敷に住み込みで居る――話は、ソッチでじゃダメかい?、アンタらが飯を食い終わってからさ?」

オリエは、ヨシゾウの問いにそう答え、スッと眼光を鋭くさせて――

「アタシは――"ヨクセ"のオリエ。

"屋号に賭けて"、あの娘を逃がしたり、隠したりはしねぇ――どうだい?、スヨウのお侍さん?」

――と、凄みを効かせた言い方で、彼の瞳を凝視した。

「――っ!?、ヨクセ、の!」

"ヨクセのオリエ"と言えば、ヨシゾウぐらいの公者ともなれば、新聞などで読んだ覚えがある、ツクモ財界の重鎮であるのは、周知の事柄である。


ヨシゾウは、妙に納得した様で頷き――

「――解り申した」

――と、一言だけを言って、オリエの提案を了承した。


「そうかい、解ってくれて良かったよ。

アタシの屋敷は、ココより奥の地区に有る――解らなかったら、街の衆にでも聞きゃあ、知ってるだろうし、教えても貰えるさね」

オリエはそう言って、店の入り口に向けて踵を返し――

「じゃあ行くよ、レン――リュウジとユキも」

――戸を引き開け、不敵な笑みを見せながら暖簾をくぐった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...