70 / 207
聖なる都
優しさ
しおりを挟む
ソウタが招かれた、シオリの居宅とは――神官頭の任に着くモノへ、住まいとして宛がわれるクリ社所有の邸宅なので、公邸という呼び方をされるのは実に一般的である。
そもそも、迎賓施設の改装が計画された時から、急な賓客を招く場合は公邸を使用し、シオリが歓待を任される事は、大巫女ユリの名で定められていた事なので――別に、ソウタが刀聖の『役得』で、超絶美女の家の厄介になれるワケではないと、しっかりと記しておこう。
ちなみに――ここで、ツクモの住宅事情にも、少し触れておく。
この世界では、"基本的には"宅地不動産の個人所有は御法度で、住まいは全て、その土地を治める国などの政府機関から、納税の代償として傘下の民に提供される形――つまり、言わば『総公共住宅制』なのである。
『――政治とは、それ即ち、民に安心と安全、そして、穏やかな生活環境を保障する事が第一の責である。
住まう場所とは、その根幹を成すべき場であり、それを提供出来ぬ者に政治を成す資格在らず。
また、その根幹たるモノに、民が利や価値を求めるも、また無粋であり、それは人の卑しさ、不労への欲を現した"業"の極みなり――』
――アマノツバサノオオカミが、政治と土地について語ったという、この言い伝えに因り、民間レベルでの宅地不動産の所有、賃貸、売買取引は、禁忌中の禁忌としてツクモ世界に深く根付いている。
"基本的には"と前置きをした様に、その例外となるのは――やはり、流者の都と呼ばれるオウビの街である。
件の街を中心とした流領の中では、特にそういった制限や規制は無く、土地や建物を個人で所有している者も、少なくはない――それは流者が、住まいという"保障"を得ない代わりに、誰にも、何事にも、縛られない――"自由"という名の利益を、既に得ているのだから、ある意味では当然の流れなのである。
住まいという保障を得たい者は、その住みたいと思った土地を治める国に、納税と勤労の責務を背負う事と、その国が定めた法に従う――よって、その国が持つ住まいを提供して貰える。
そんな契約地味た構図が、ツクモにおける『国』と『民』の関係で、その国と民のカンケイに治まらないのが――"流者"という身分の妙なのだ。
どこの国とも"契約"していないため、住まいという保障が得られない事を、糸を持ってくれる者を持たない、そのまま、風にそよいで空中を"流れる凧"に、準えたのが『流者』という呼び名の語源なのである。
「あのぉ――大神官様?」
ソウタは、目の前をそそくさと急ぐシオリに、ふいと声を掛けた。
「?!、はっ!、はいっ!、なっ、なんでしょうか?、刀聖様っ!」
シオリは、明らかに動揺した素振りで、慌てて後ろへと振り向く。
――その時の表情たるや、美人過ぎる顔が台無しな、緊張しきったカチコチに強張った顔である。
(あ……そりゃあ、こんな得体の知れねぇ流者を、公務とはいえ、泊めるコトになっちまったら……)
ソウタは、シオリの表情から、そんな心理を汲み取って、哀れみの表情をシオリに向ける。
「その……公邸って、大神官様が御一人で住んでるワケじゃあ――ないですよね?」
――と、ソウタは、シオリに家族構成を尋ねた。
その、質問を聞いた瞬間――シオリは、顔色を青ざめさせ、ワナワナと震え出す。
(ああ――"こっ!、この男、ナニを企んでるの?!"っていう、不安しかねぇ顔だぁ……質問、マズったなぁ……)
シオリの様を見て、ソウタは自分の言動を後悔する。
「わっ!、私の他には――私に世話を焼いてくれている、仕女見習いの娘が、にっ!、二名ほどぉ……」
シオリは、ソウタから目線を外し、言葉の末尾を震わせて答える。
「そうですか……」
ソウタは困った様で、後頭部をポリポリと掻き――
「――改装のコトや、その代わりが公邸に決まってたコトも、ちゃんと、事情を聞いた上でのコトなんですがね?
俺が――公邸で、お世話になるのは、ちょいとマズいんじゃないっスかね?」
――と、その場で立ち止まり、そう言って口を真一文字に結んだ。
「えっ!?」
「……だって、若い女性が三人暮らしのトコに、俺みてぇな流者風情が――数日とはいえ、転がり込むハメになっちゃあ、イロイロと嫌でしょう?」
ソウタは、申し訳なさそうに、頭を下げながらそう言う。
「そっ!、その様な事――」
シオリは、弁明をする気なのか、首を大きく横に振って口を開くが――
「――俺、やっぱ、どっかで宿を取りますから、そのまま――」
――と、ソウタはそれには応えず、シオリにそのままの帰宅を促す。
「――なりません!!!!!!」
「!」
ソウタの申し出に、シオリは聞く者が驚く様な、力を込めた口調で強く拒んだ。
「刀聖様、申し訳ございません――私の到らない態度が、余計な心配をさせる事になってしまい……」
ソウタの言葉に、彼の紳士的な意図を察したシオリは、畏まって深く頭を下げる…
「――確かに、殿方を居宅に迎える事に、私は戸惑いと緊張を覚えておりました。
刀聖様は、そんな私の様から察して、逗留を断わる様な事を仰ったのでしょう?」
胸元を抑え、恥じる様に俯きながら、シオリはソウタに申し出の意図を改めて尋ねる。
黙ったまま……一度だけ頷いたソウタと向かい、シオリは――
「――非礼の、極みを晒していた様ですね。
私、私はぁ……!」
――凛として立ったまま、ボロボロと涙を流す。
「あっ!?、いや!、そんな!、非礼だなんてモンじゃあ――」
シオリの泣き顔に、ソウタは激しく動揺する。
「――いえっ!、全てが私の不徳にございます!
齢二十五の女性が、殿方を居宅へ招く程度で――緊張して動揺し、非礼を働くなど、充分恥ずべき事にございます!」
シオリは涙を拭い、パンっと自分の頬を叩いて、自らを叱咤する。
ちなみに――10代の内の婚姻がザラなツクモにおいて、確かにシオリは――これぐらいで緊張している事からも解る様に、立派にかなりの奥手である。
「――あまつさえ、それを刀聖様に対してなどと……萬神に仕える神職者として、この場に穴があったのなら、飛び込んで仕舞いたいくらい……」
シオリは、泣き顔を両手で覆い、ついにその場にしゃがみ込んでしまった。
「あ~っ!、だから!、非礼だなんて思ってないですってぇ!
解りましたっ!、泊まらせて頂きます!、逗留させて頂きますからぁっ!」
完全に、泣き落とされた恰好のソウタは、観念して前言を撤回する。
「ううっ……誠に、ございますかぁ?」
シオリは、顔を覆った指の間から見える、ソウタに向かって涙混じりに応える。
そんな、シオリの姿を観て――
(――っ!?、かっ!、可愛い……!)
――などと、流石のソウタも、心中で口走ってしまっていた事は、想像に難くないだろう。
「――でっ、では刀聖様……改めて、公邸へと参りましょう?」
数十秒を掛けて、涙を拭い終えたシオリは、再びおずおずとソウタの前を歩く。
だが、これまでとは違い、シオリは先程以上に、後ろを行くソウタの影を気にして目配せをしていた。
(この僅かな道行の間に、私の無礼な不安をも、見透かしておられていたなんて――流石は、光刃に認められる程の御方。
その様な、心遣いをも成せる殿方に――私は、これまで出会えた事など無かったわ)
シオリは、ソウタの自分に対する洞察力に感嘆し、チラリと振り向いた瞬間、目を見張って彼の顔を観る。
その時――先程の涙とは別の由来で、シオリの頬は、ほんのりと紅色に染まっていた。
「――"得体の知れない"と仰っていましたけど、ソウタの魅力とは――とても単純な点だと思いますよ?」
また――場面は替わって、御所の執務室。
先程のくしゃみをキッカケに、サトコは執務の手を止め、茶を飲みながら、休憩を兼ねたタマとの談笑へと突入していた。
「一言で言えば――ソウタは"優しい"のですよ。
特に、女性には」
サトコはそう言って、美味しそうに茶を啜る。
「うん、それ解る――モテたいからの、ヤラしい優しさじゃなくて、とっても自然な優しさなんだよね」
近くのテーブルで、頬杖を突きながらタマは、深く頷いてサトコの意見に賛同した。
「よく考えれば……シオリの様な、"マジメ"という言葉に、服を着せた様なお堅い女性ほど――ソウタの様な、目聡く気を焼いてくれる者に、魅かれ易いのかも?」
――と、サトコは脳裏に揺らいだ、シオリがソウタに魅かれているシーンを想像していた。
「まっ!、まあ……私たちは『諦めた同盟』ですから、ソウタが、どこの誰と良い仲になったってぇ……」
「うっ、うんっ!、そうだねぇ~!、好きにすればイイんだよぉ~!、あんなスケコマシはさぁ~!」
サトコとタマは、声を震わせて、懸命に今浮かんだ危惧を、心中から消し去ろうとしていた。
そもそも、迎賓施設の改装が計画された時から、急な賓客を招く場合は公邸を使用し、シオリが歓待を任される事は、大巫女ユリの名で定められていた事なので――別に、ソウタが刀聖の『役得』で、超絶美女の家の厄介になれるワケではないと、しっかりと記しておこう。
ちなみに――ここで、ツクモの住宅事情にも、少し触れておく。
この世界では、"基本的には"宅地不動産の個人所有は御法度で、住まいは全て、その土地を治める国などの政府機関から、納税の代償として傘下の民に提供される形――つまり、言わば『総公共住宅制』なのである。
『――政治とは、それ即ち、民に安心と安全、そして、穏やかな生活環境を保障する事が第一の責である。
住まう場所とは、その根幹を成すべき場であり、それを提供出来ぬ者に政治を成す資格在らず。
また、その根幹たるモノに、民が利や価値を求めるも、また無粋であり、それは人の卑しさ、不労への欲を現した"業"の極みなり――』
――アマノツバサノオオカミが、政治と土地について語ったという、この言い伝えに因り、民間レベルでの宅地不動産の所有、賃貸、売買取引は、禁忌中の禁忌としてツクモ世界に深く根付いている。
"基本的には"と前置きをした様に、その例外となるのは――やはり、流者の都と呼ばれるオウビの街である。
件の街を中心とした流領の中では、特にそういった制限や規制は無く、土地や建物を個人で所有している者も、少なくはない――それは流者が、住まいという"保障"を得ない代わりに、誰にも、何事にも、縛られない――"自由"という名の利益を、既に得ているのだから、ある意味では当然の流れなのである。
住まいという保障を得たい者は、その住みたいと思った土地を治める国に、納税と勤労の責務を背負う事と、その国が定めた法に従う――よって、その国が持つ住まいを提供して貰える。
そんな契約地味た構図が、ツクモにおける『国』と『民』の関係で、その国と民のカンケイに治まらないのが――"流者"という身分の妙なのだ。
どこの国とも"契約"していないため、住まいという保障が得られない事を、糸を持ってくれる者を持たない、そのまま、風にそよいで空中を"流れる凧"に、準えたのが『流者』という呼び名の語源なのである。
「あのぉ――大神官様?」
ソウタは、目の前をそそくさと急ぐシオリに、ふいと声を掛けた。
「?!、はっ!、はいっ!、なっ、なんでしょうか?、刀聖様っ!」
シオリは、明らかに動揺した素振りで、慌てて後ろへと振り向く。
――その時の表情たるや、美人過ぎる顔が台無しな、緊張しきったカチコチに強張った顔である。
(あ……そりゃあ、こんな得体の知れねぇ流者を、公務とはいえ、泊めるコトになっちまったら……)
ソウタは、シオリの表情から、そんな心理を汲み取って、哀れみの表情をシオリに向ける。
「その……公邸って、大神官様が御一人で住んでるワケじゃあ――ないですよね?」
――と、ソウタは、シオリに家族構成を尋ねた。
その、質問を聞いた瞬間――シオリは、顔色を青ざめさせ、ワナワナと震え出す。
(ああ――"こっ!、この男、ナニを企んでるの?!"っていう、不安しかねぇ顔だぁ……質問、マズったなぁ……)
シオリの様を見て、ソウタは自分の言動を後悔する。
「わっ!、私の他には――私に世話を焼いてくれている、仕女見習いの娘が、にっ!、二名ほどぉ……」
シオリは、ソウタから目線を外し、言葉の末尾を震わせて答える。
「そうですか……」
ソウタは困った様で、後頭部をポリポリと掻き――
「――改装のコトや、その代わりが公邸に決まってたコトも、ちゃんと、事情を聞いた上でのコトなんですがね?
俺が――公邸で、お世話になるのは、ちょいとマズいんじゃないっスかね?」
――と、その場で立ち止まり、そう言って口を真一文字に結んだ。
「えっ!?」
「……だって、若い女性が三人暮らしのトコに、俺みてぇな流者風情が――数日とはいえ、転がり込むハメになっちゃあ、イロイロと嫌でしょう?」
ソウタは、申し訳なさそうに、頭を下げながらそう言う。
「そっ!、その様な事――」
シオリは、弁明をする気なのか、首を大きく横に振って口を開くが――
「――俺、やっぱ、どっかで宿を取りますから、そのまま――」
――と、ソウタはそれには応えず、シオリにそのままの帰宅を促す。
「――なりません!!!!!!」
「!」
ソウタの申し出に、シオリは聞く者が驚く様な、力を込めた口調で強く拒んだ。
「刀聖様、申し訳ございません――私の到らない態度が、余計な心配をさせる事になってしまい……」
ソウタの言葉に、彼の紳士的な意図を察したシオリは、畏まって深く頭を下げる…
「――確かに、殿方を居宅に迎える事に、私は戸惑いと緊張を覚えておりました。
刀聖様は、そんな私の様から察して、逗留を断わる様な事を仰ったのでしょう?」
胸元を抑え、恥じる様に俯きながら、シオリはソウタに申し出の意図を改めて尋ねる。
黙ったまま……一度だけ頷いたソウタと向かい、シオリは――
「――非礼の、極みを晒していた様ですね。
私、私はぁ……!」
――凛として立ったまま、ボロボロと涙を流す。
「あっ!?、いや!、そんな!、非礼だなんてモンじゃあ――」
シオリの泣き顔に、ソウタは激しく動揺する。
「――いえっ!、全てが私の不徳にございます!
齢二十五の女性が、殿方を居宅へ招く程度で――緊張して動揺し、非礼を働くなど、充分恥ずべき事にございます!」
シオリは涙を拭い、パンっと自分の頬を叩いて、自らを叱咤する。
ちなみに――10代の内の婚姻がザラなツクモにおいて、確かにシオリは――これぐらいで緊張している事からも解る様に、立派にかなりの奥手である。
「――あまつさえ、それを刀聖様に対してなどと……萬神に仕える神職者として、この場に穴があったのなら、飛び込んで仕舞いたいくらい……」
シオリは、泣き顔を両手で覆い、ついにその場にしゃがみ込んでしまった。
「あ~っ!、だから!、非礼だなんて思ってないですってぇ!
解りましたっ!、泊まらせて頂きます!、逗留させて頂きますからぁっ!」
完全に、泣き落とされた恰好のソウタは、観念して前言を撤回する。
「ううっ……誠に、ございますかぁ?」
シオリは、顔を覆った指の間から見える、ソウタに向かって涙混じりに応える。
そんな、シオリの姿を観て――
(――っ!?、かっ!、可愛い……!)
――などと、流石のソウタも、心中で口走ってしまっていた事は、想像に難くないだろう。
「――でっ、では刀聖様……改めて、公邸へと参りましょう?」
数十秒を掛けて、涙を拭い終えたシオリは、再びおずおずとソウタの前を歩く。
だが、これまでとは違い、シオリは先程以上に、後ろを行くソウタの影を気にして目配せをしていた。
(この僅かな道行の間に、私の無礼な不安をも、見透かしておられていたなんて――流石は、光刃に認められる程の御方。
その様な、心遣いをも成せる殿方に――私は、これまで出会えた事など無かったわ)
シオリは、ソウタの自分に対する洞察力に感嘆し、チラリと振り向いた瞬間、目を見張って彼の顔を観る。
その時――先程の涙とは別の由来で、シオリの頬は、ほんのりと紅色に染まっていた。
「――"得体の知れない"と仰っていましたけど、ソウタの魅力とは――とても単純な点だと思いますよ?」
また――場面は替わって、御所の執務室。
先程のくしゃみをキッカケに、サトコは執務の手を止め、茶を飲みながら、休憩を兼ねたタマとの談笑へと突入していた。
「一言で言えば――ソウタは"優しい"のですよ。
特に、女性には」
サトコはそう言って、美味しそうに茶を啜る。
「うん、それ解る――モテたいからの、ヤラしい優しさじゃなくて、とっても自然な優しさなんだよね」
近くのテーブルで、頬杖を突きながらタマは、深く頷いてサトコの意見に賛同した。
「よく考えれば……シオリの様な、"マジメ"という言葉に、服を着せた様なお堅い女性ほど――ソウタの様な、目聡く気を焼いてくれる者に、魅かれ易いのかも?」
――と、サトコは脳裏に揺らいだ、シオリがソウタに魅かれているシーンを想像していた。
「まっ!、まあ……私たちは『諦めた同盟』ですから、ソウタが、どこの誰と良い仲になったってぇ……」
「うっ、うんっ!、そうだねぇ~!、好きにすればイイんだよぉ~!、あんなスケコマシはさぁ~!」
サトコとタマは、声を震わせて、懸命に今浮かんだ危惧を、心中から消し去ろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる