76 / 207
会談
会談(後編)
しおりを挟む
「――コウオウ戦役に至った経緯と、それについての貴方からの一報については、皇様からの書状で、大旨理解出来ました。
ツクモの『文』を司る、大巫女として、当世刀聖様の働きに、まずは厚く御礼を申し上げます」
ユリは、身を退いて畏まり、深く低頭して礼の意を表する。
「――それで、御所の神言に至ったとの……あらっ、そう言えばっ!」
ユリは、面を上げて、更なる本題に入ろうとした所で、彼女は何かを思い出して口を抑える。
「まだ、紫珠輪の"守"を、茶室に敷いていませんでしたね、ごめんなさい」
ユリはそう言うと、首に巻いた首輪状の首飾りに嵌められため、紫色の宝玉に触れ、何事かをブツブツと呟くと、その呟きに応える様に、紫の宝玉は淡く光り出した。
「はい、終わりましたぁ~!」
「――それが、歴代の大巫女に伝わる神具……紫珠輪ですか」
何事かを終え、紫珠輪から手を離すユリを、ソウタはジッと見詰めながら尋ねた。
「ええ、これで、この茶室には、"紫珠輪の結界"が敷かれました――この結界に因り、今は誰もこの茶室には出入り出来ません。
会話が外に漏れる事もありませんから、要は、御所の神言の間と同等の機密性を、この茶室は有したのです」
ユリは、紫の宝玉を光りが消えるまで見据え、自分が今していた事の意味を語り――
「――それと、きっとご存知なのでしょうけど、一応、知らせておきましょう。
この紫珠輪が敷く結界は、たとえ貴方の"光刃を持ってしても"、破って出入りする事は叶いませんから♪」
――と、結構重要な事柄を、思い出した様にユリはサラッと付け加えた。
「――てぇコトは、同時に俺は、大巫女様にこの部屋の中に封じられたって、ワケですね?」
ソウタは、冷静に腕組みをし、怪訝とした表情を浮べながら再度問うた。
「うふふ♪、本当に、当世の刀聖は物分りの良いコト……ええ、そのとおりです。
刀聖の、光刃が"比類無き矛"ならば、大巫女の紫珠輪が周りに敷く結界は、光刃ですらも破れない"比類無き盾"――私たち大巫女の身が、その紫珠輪の力で常に護られているのと同時に、大巫女とは、絶対的な武力である刀聖を抑止出来る、唯一無二の存在なのです。
私たちは、こうして、友好的に茶などを交わしてはいますが――考え様に因っては、天敵同士なワケですね、うふふ♪」
ユリは、口元を抑え、楽しそうに笑う。
「さあ、結界もちゃんと敷きましたから、貴方がヤマカキでの事変に遭遇し、コウオウ戦役にも参じての、貴方の見解を聞かせて貰いましょうか?」
――
――――
――――――
「――そう、ノブタツ様とも……」
「ええ、街道で出会いまして」
ソウタは、コウオウ戦役の顛末に加え、先日のノブタツとのやり取りについても、ユリへ話した。
「貴方が邪と断じた、スヨウの振る舞いについては――当世の大巫女として、一分一厘の否すら無く、貴方の決断を支持します。
それに、皇様――そして、刀聖の御意思のとおり、神言の真実を晒す事になり兼ねない、スヨウの真の目的の露呈も……避けるべきでしょうね」
ユリは、グッと唇を噛み、もどかしい気持ちを表す。
「――とはいえ、此度のスヨウの行いに関しては、確かに断罪するに値すると思いますが……今のツクモは、この"世界の真実"を知る、私たちだけで……各国を、民の意思を、一枚岩にする事は出来ないでしょうね」
「ええ――今、この世界の"主権"を有するのは、"神言を知る君主たち"ではなく、"事実を知らない大勢の民"――ソコに踏み込もうとすれば、どんな事柄であっても、必ず反対する者が出て来て、円滑にはモノゴトが定まらない。
きっと、それを成すには、スヨウの真意を、何れは神会の秘密そのものも、晒す必要が出て来ます……そうなれば、数千年に渡って根付いた、この世界の秩序は崩壊へと傾く事になるでしょう」
ユリが、25年前と今との状況の違いを説くと、ソウタはそれを早々に察して補足した。
「……モノ解りが良い刀聖って、何だか、可愛げが無いわね」
ソウタの利発な面を目の当たりにし、ユリは口を尖らせて拗ねて見せ、そんな事を呟く。
「へっ?!、そんなぁ……」
ソウタは、ユリのその軽口に対し、困惑した表情を浮べる。
「うふふ♪、冗談ですよ、利発な刀聖というのも、混沌に浸る今の世にとっては良いコトです。
それにしても――"民意という名の怪物"ですか……ノブタツ様も、随分と言い得て妙な事を」
そう言って、ユリは顔をしかめ、軽く溜め息を吐く。
「北コクエの選挙の後から――矢継ぎ早に、クリ社や大巫女への進言が、沢山ヒコザ様から送られて来ているのですが、民を"潤すため"にと――宅地取引の自由化、統一通貨の廃止と国ごとの独自通貨の導入など、どれも、アマノツバサノオオカミ様が禁忌として久しい、人心を乱す悪手な経済活動への変革を求めるモノばかり。
そんな戒律を理由に、突っ撥ねた後は……"それが、北コクエの民の意思にございます故"と、古からの戒めが通用しない勢い――確かに、その様は"御し難き怪物"と言えなくもありません」
ユリは、口を強く結んで、もう一度溜め息を吐いた。
「ソウタ、利発な当世の刀聖と見込んで尋ねます――貴方は、南北コクエやハクキ連邦へ、ノブタツ様が抱く危惧――どう考えています?」
ユリは、手の平をソウタへ向け、発言を促した。
「そうですね……それが、ヒトが暮らしを紡ぐ世界に取って、必ず通らなければならない通過儀礼だと考えれば、仕方ないコトかもしれないと思います」
ソウタは身を正して目を瞑り、ユリの問いに答え始める。
「――でも、それらが、このツクモを"かつての世界"の様に、滅びへ向かわせるとしても……それは、まだまだ遠い未来の話では、とも思っています」
「私も――まったく同じ意見ね。
"かつての世界"との決定的な違いは……まだ、ツクモには、映像に出ていた様な、大地を焼き払う鉄の怪鳥を造る事や、ヒトを獣と混ぜて造り変える様な、神掛かった技術を得るには至っていない――滅びに向かうのなら、それぐらいに至っていなければ無理でしょうし、至っていない今なら、相応の対処も出来る――と、私はノブタツ様に言ったわ」
ソウタの主張に、ユリはまたも同意したが、含みのある語尾を残して、残っていた茶を一口飲む。
「でも、ノブタツ様は、去り際にこれを付け加えたわね――『ただし、ツクモには、その"かつての世界"からの遺産である"天船"と、かつての世界には無かった"界気"があるコトをお忘れなく』――と」
ユリは、茶碗を退かせた口を結んで、険しい表情を浮べる。
「――なら、それに俺も付け加えましょうか?」
ユリの返答を聞き終え、ソウタも茶を一口含んで喉を潤し、呟く様にそう言うと――
「――"刀聖と光の刀"も、ツクモには居る。
それがこの……何かを、誰かを"滅ぼす事しか出来ねぇ"――この力の意味じゃないですかね?
そのために、刀聖は、こんなヒトが持つには過ぎた、ムダな力ってのを持たされてるんだと」
――ニヤッと笑って、溜め息を吐きながら、光の刀を収めた鞘を掲げた。
「解りました。
私の用向きはこれで終わり――ソウタ、私の召喚に応じてくれて、どうもありがとう」
ユリは、ソウタの強い言葉に応じる様に、小さく会釈をして、彼を労う言葉を言って――
「――で?、貴方はこの後……どうするつもりなのです?」
――と、この後の事を尋ねた。
「う~ん……スヨウが、直ぐにもコウオウへ再侵攻したり、山越えして、他国に攻め入るなんて事は、流石に考え難いでしょうから――しばらくは、また宛ての無い流者としての生活でしょうね」
ソウタは、顎に手を置いてそう語る中、心中に――
『いつか、一度は帰って、安心させてやれよ?』
――という、スグルの言葉が頭を過ぎる…
「――せっかく、テンラク様まで来たので、一度、ツツキに顔を出すのも良いかと」
ソウタがそう言って、何気無く近々の予定を吐露すると、ユリは、驚きと喜びが交じった表情をして口を覆う。
「あらっ?!、なんて奇遇!
丁度、ツツキに、使節団を送る予定があるのよ!」
ユリは、パンッと手を叩き、嬉しそうにソウタへにじり寄る。
「同行――お願い出来ない?
まあ、クリ社からの仕事は給金が安いって、流者たちには不人気なんだろうけど……」
腕組みをし、自虐染みた事を言うユリは、突然ピッと指を立て――
「――使節を務めるのはシオリなので、"あの"超絶美女と、給金貰いながら旅が出来る特典付きよ♪、如何かしら?」
――と、楽しげに、そして、ニヤニヤと笑いながら言った。
ツクモの『文』を司る、大巫女として、当世刀聖様の働きに、まずは厚く御礼を申し上げます」
ユリは、身を退いて畏まり、深く低頭して礼の意を表する。
「――それで、御所の神言に至ったとの……あらっ、そう言えばっ!」
ユリは、面を上げて、更なる本題に入ろうとした所で、彼女は何かを思い出して口を抑える。
「まだ、紫珠輪の"守"を、茶室に敷いていませんでしたね、ごめんなさい」
ユリはそう言うと、首に巻いた首輪状の首飾りに嵌められため、紫色の宝玉に触れ、何事かをブツブツと呟くと、その呟きに応える様に、紫の宝玉は淡く光り出した。
「はい、終わりましたぁ~!」
「――それが、歴代の大巫女に伝わる神具……紫珠輪ですか」
何事かを終え、紫珠輪から手を離すユリを、ソウタはジッと見詰めながら尋ねた。
「ええ、これで、この茶室には、"紫珠輪の結界"が敷かれました――この結界に因り、今は誰もこの茶室には出入り出来ません。
会話が外に漏れる事もありませんから、要は、御所の神言の間と同等の機密性を、この茶室は有したのです」
ユリは、紫の宝玉を光りが消えるまで見据え、自分が今していた事の意味を語り――
「――それと、きっとご存知なのでしょうけど、一応、知らせておきましょう。
この紫珠輪が敷く結界は、たとえ貴方の"光刃を持ってしても"、破って出入りする事は叶いませんから♪」
――と、結構重要な事柄を、思い出した様にユリはサラッと付け加えた。
「――てぇコトは、同時に俺は、大巫女様にこの部屋の中に封じられたって、ワケですね?」
ソウタは、冷静に腕組みをし、怪訝とした表情を浮べながら再度問うた。
「うふふ♪、本当に、当世の刀聖は物分りの良いコト……ええ、そのとおりです。
刀聖の、光刃が"比類無き矛"ならば、大巫女の紫珠輪が周りに敷く結界は、光刃ですらも破れない"比類無き盾"――私たち大巫女の身が、その紫珠輪の力で常に護られているのと同時に、大巫女とは、絶対的な武力である刀聖を抑止出来る、唯一無二の存在なのです。
私たちは、こうして、友好的に茶などを交わしてはいますが――考え様に因っては、天敵同士なワケですね、うふふ♪」
ユリは、口元を抑え、楽しそうに笑う。
「さあ、結界もちゃんと敷きましたから、貴方がヤマカキでの事変に遭遇し、コウオウ戦役にも参じての、貴方の見解を聞かせて貰いましょうか?」
――
――――
――――――
「――そう、ノブタツ様とも……」
「ええ、街道で出会いまして」
ソウタは、コウオウ戦役の顛末に加え、先日のノブタツとのやり取りについても、ユリへ話した。
「貴方が邪と断じた、スヨウの振る舞いについては――当世の大巫女として、一分一厘の否すら無く、貴方の決断を支持します。
それに、皇様――そして、刀聖の御意思のとおり、神言の真実を晒す事になり兼ねない、スヨウの真の目的の露呈も……避けるべきでしょうね」
ユリは、グッと唇を噛み、もどかしい気持ちを表す。
「――とはいえ、此度のスヨウの行いに関しては、確かに断罪するに値すると思いますが……今のツクモは、この"世界の真実"を知る、私たちだけで……各国を、民の意思を、一枚岩にする事は出来ないでしょうね」
「ええ――今、この世界の"主権"を有するのは、"神言を知る君主たち"ではなく、"事実を知らない大勢の民"――ソコに踏み込もうとすれば、どんな事柄であっても、必ず反対する者が出て来て、円滑にはモノゴトが定まらない。
きっと、それを成すには、スヨウの真意を、何れは神会の秘密そのものも、晒す必要が出て来ます……そうなれば、数千年に渡って根付いた、この世界の秩序は崩壊へと傾く事になるでしょう」
ユリが、25年前と今との状況の違いを説くと、ソウタはそれを早々に察して補足した。
「……モノ解りが良い刀聖って、何だか、可愛げが無いわね」
ソウタの利発な面を目の当たりにし、ユリは口を尖らせて拗ねて見せ、そんな事を呟く。
「へっ?!、そんなぁ……」
ソウタは、ユリのその軽口に対し、困惑した表情を浮べる。
「うふふ♪、冗談ですよ、利発な刀聖というのも、混沌に浸る今の世にとっては良いコトです。
それにしても――"民意という名の怪物"ですか……ノブタツ様も、随分と言い得て妙な事を」
そう言って、ユリは顔をしかめ、軽く溜め息を吐く。
「北コクエの選挙の後から――矢継ぎ早に、クリ社や大巫女への進言が、沢山ヒコザ様から送られて来ているのですが、民を"潤すため"にと――宅地取引の自由化、統一通貨の廃止と国ごとの独自通貨の導入など、どれも、アマノツバサノオオカミ様が禁忌として久しい、人心を乱す悪手な経済活動への変革を求めるモノばかり。
そんな戒律を理由に、突っ撥ねた後は……"それが、北コクエの民の意思にございます故"と、古からの戒めが通用しない勢い――確かに、その様は"御し難き怪物"と言えなくもありません」
ユリは、口を強く結んで、もう一度溜め息を吐いた。
「ソウタ、利発な当世の刀聖と見込んで尋ねます――貴方は、南北コクエやハクキ連邦へ、ノブタツ様が抱く危惧――どう考えています?」
ユリは、手の平をソウタへ向け、発言を促した。
「そうですね……それが、ヒトが暮らしを紡ぐ世界に取って、必ず通らなければならない通過儀礼だと考えれば、仕方ないコトかもしれないと思います」
ソウタは身を正して目を瞑り、ユリの問いに答え始める。
「――でも、それらが、このツクモを"かつての世界"の様に、滅びへ向かわせるとしても……それは、まだまだ遠い未来の話では、とも思っています」
「私も――まったく同じ意見ね。
"かつての世界"との決定的な違いは……まだ、ツクモには、映像に出ていた様な、大地を焼き払う鉄の怪鳥を造る事や、ヒトを獣と混ぜて造り変える様な、神掛かった技術を得るには至っていない――滅びに向かうのなら、それぐらいに至っていなければ無理でしょうし、至っていない今なら、相応の対処も出来る――と、私はノブタツ様に言ったわ」
ソウタの主張に、ユリはまたも同意したが、含みのある語尾を残して、残っていた茶を一口飲む。
「でも、ノブタツ様は、去り際にこれを付け加えたわね――『ただし、ツクモには、その"かつての世界"からの遺産である"天船"と、かつての世界には無かった"界気"があるコトをお忘れなく』――と」
ユリは、茶碗を退かせた口を結んで、険しい表情を浮べる。
「――なら、それに俺も付け加えましょうか?」
ユリの返答を聞き終え、ソウタも茶を一口含んで喉を潤し、呟く様にそう言うと――
「――"刀聖と光の刀"も、ツクモには居る。
それがこの……何かを、誰かを"滅ぼす事しか出来ねぇ"――この力の意味じゃないですかね?
そのために、刀聖は、こんなヒトが持つには過ぎた、ムダな力ってのを持たされてるんだと」
――ニヤッと笑って、溜め息を吐きながら、光の刀を収めた鞘を掲げた。
「解りました。
私の用向きはこれで終わり――ソウタ、私の召喚に応じてくれて、どうもありがとう」
ユリは、ソウタの強い言葉に応じる様に、小さく会釈をして、彼を労う言葉を言って――
「――で?、貴方はこの後……どうするつもりなのです?」
――と、この後の事を尋ねた。
「う~ん……スヨウが、直ぐにもコウオウへ再侵攻したり、山越えして、他国に攻め入るなんて事は、流石に考え難いでしょうから――しばらくは、また宛ての無い流者としての生活でしょうね」
ソウタは、顎に手を置いてそう語る中、心中に――
『いつか、一度は帰って、安心させてやれよ?』
――という、スグルの言葉が頭を過ぎる…
「――せっかく、テンラク様まで来たので、一度、ツツキに顔を出すのも良いかと」
ソウタがそう言って、何気無く近々の予定を吐露すると、ユリは、驚きと喜びが交じった表情をして口を覆う。
「あらっ?!、なんて奇遇!
丁度、ツツキに、使節団を送る予定があるのよ!」
ユリは、パンッと手を叩き、嬉しそうにソウタへにじり寄る。
「同行――お願い出来ない?
まあ、クリ社からの仕事は給金が安いって、流者たちには不人気なんだろうけど……」
腕組みをし、自虐染みた事を言うユリは、突然ピッと指を立て――
「――使節を務めるのはシオリなので、"あの"超絶美女と、給金貰いながら旅が出来る特典付きよ♪、如何かしら?」
――と、楽しげに、そして、ニヤニヤと笑いながら言った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる