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学校へ
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ジリリリリ...
朝を告げる時計が鳴っている。
バン!
俺は時計を乱暴に止めて起き上がる。
「はぁ...」
朝が来てしまったのだとわかり、溜息が出てしまう。
それも全ては今まで受け続けてきたある行為のせいなのだが、それは別の時に話そうと思う。
高校に入学して2ヵ月、既に学校に行きたくないという思いでいっぱいになっている。
「カイトー、ご飯できてるわよー降りてきなさーい。」
そうな事を思っていると、下から母さんの俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「はーい、すぐに行くからー!」
俺は直ぐにリビングに向かう。
リビングに着くと既に仕事の服であるスーツに着替えている母さんが
「おはよう。早く食べちゃって!」
と言ってきた。まぁ働いている母さんは忙しいから仕方のないことなのだが、朝はゆっくりと食事をしたいものである。
「わかったよ母さん」
そう言って黙々とご飯を食べる俺。
「もぐもぐ」 ゴックン
10分かけてようやく食べ終わり、食器を洗い場に持っていこうとすると母さんが
「母さんもう仕事に行くけど、ちゃんと学校に行くのよ」
そう笑顔で言ってきた。
その姿を見て何も知らない母さんは悪くないのだが、イライラしてしまう。
「わかってるよ」
なるべく顔に出ない様にしながらそう返す。
母さんが仕事に行くと、ソファーに座り、今日も学校で受けるであろうある行為について考えてしまった。
「はぁ」
また溜息が出てきた。
朝から嫌な気分になりたくないのだが、これがここ最近の日課になりつつある。
そんなことを考えていても仕方がないと思い、学校に行く準備をする。
「これと、これを入れれば終わりか」
通学用の鞄に教科書を入れると学校に行くのに丁度良い時間になっていた。
「はぁ...行くか」
溜息を出しながらも玄関を出る。
「言ってきます」
そう言って玄関のドアを閉じた。
家から学校までは、歩いて20分程かかる。
家を出て少し歩いていくと後ろから
「おっす、カイト!」
と元気な声が聞こえてくる。後ろを向いてみると、やはりというか俺のたった2人しかいない友達の内の1人であり、幼馴染みの望月健人が走ってきていた。
ちなみに健人は金髪で整った顔のせいで学校1のイケメンと言われている。
「おっす、健人」
そう返すと、健人はニッコリと微笑み俺の隣を歩きだした。
「今日は彩香はいないの?」
そう聞くと
「彩香は風邪で休むらしい」
と言われた。彩香が風邪なんて珍しい。
彩香の本名は秋山彩香といい、これまた水色の髪に、はっとするほど整った顔で10人いれば10人が振り返るであろう顔である。
ちなみに幼馴染みである。
そんなことを考えていると学校に着いてしまった。
校門を潜ると、いや校門を潜る前から俺達2人に視線が集まっていた。
学校1番のイケメンと違う意味で1番である俺が一緒にいるのだ、注目を集めないわけがない。
ヒソヒソ 「ねぇ、今日もアレと健人様が一緒にいるわよ」
そんな話し声が聞こえ、俺は健人に対する罪悪感でいっぱいになってしまったが、顔に出さないように注意する。健人が気付いて心配をかけてしまうのは嫌だ。
健人には聞こえなかったらしく、いつものように下駄箱に向かう。
靴を履き替えた俺達は、クラスが違うのでここで別れた。
「じゃーな、また後で!」
そう言って自分の教室がある方へと歩いていく。それを見届けてから俺も自分の教室へと向かう。
魔の扉である教室の扉が見えてきた。ここに来るまでの、周囲の方々から聞こえてくる話し声のせいで心が痛かったが、これから開けようとしているのは、更に心が痛めつけられる教室の扉だと思うと、このまま帰りたくなった。
が、勇気を振り絞って扉を開け、中へと入っていく。最も嫌いな奴らがいる教室へと。
するといきなり上から水が落ちてくる、女子も男子もクスクス笑っている。何もできないので大人しく席に着き眠った。もう何も見ないように、聞かないようにするために。
朝を告げる時計が鳴っている。
バン!
俺は時計を乱暴に止めて起き上がる。
「はぁ...」
朝が来てしまったのだとわかり、溜息が出てしまう。
それも全ては今まで受け続けてきたある行為のせいなのだが、それは別の時に話そうと思う。
高校に入学して2ヵ月、既に学校に行きたくないという思いでいっぱいになっている。
「カイトー、ご飯できてるわよー降りてきなさーい。」
そうな事を思っていると、下から母さんの俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
「はーい、すぐに行くからー!」
俺は直ぐにリビングに向かう。
リビングに着くと既に仕事の服であるスーツに着替えている母さんが
「おはよう。早く食べちゃって!」
と言ってきた。まぁ働いている母さんは忙しいから仕方のないことなのだが、朝はゆっくりと食事をしたいものである。
「わかったよ母さん」
そう言って黙々とご飯を食べる俺。
「もぐもぐ」 ゴックン
10分かけてようやく食べ終わり、食器を洗い場に持っていこうとすると母さんが
「母さんもう仕事に行くけど、ちゃんと学校に行くのよ」
そう笑顔で言ってきた。
その姿を見て何も知らない母さんは悪くないのだが、イライラしてしまう。
「わかってるよ」
なるべく顔に出ない様にしながらそう返す。
母さんが仕事に行くと、ソファーに座り、今日も学校で受けるであろうある行為について考えてしまった。
「はぁ」
また溜息が出てきた。
朝から嫌な気分になりたくないのだが、これがここ最近の日課になりつつある。
そんなことを考えていても仕方がないと思い、学校に行く準備をする。
「これと、これを入れれば終わりか」
通学用の鞄に教科書を入れると学校に行くのに丁度良い時間になっていた。
「はぁ...行くか」
溜息を出しながらも玄関を出る。
「言ってきます」
そう言って玄関のドアを閉じた。
家から学校までは、歩いて20分程かかる。
家を出て少し歩いていくと後ろから
「おっす、カイト!」
と元気な声が聞こえてくる。後ろを向いてみると、やはりというか俺のたった2人しかいない友達の内の1人であり、幼馴染みの望月健人が走ってきていた。
ちなみに健人は金髪で整った顔のせいで学校1のイケメンと言われている。
「おっす、健人」
そう返すと、健人はニッコリと微笑み俺の隣を歩きだした。
「今日は彩香はいないの?」
そう聞くと
「彩香は風邪で休むらしい」
と言われた。彩香が風邪なんて珍しい。
彩香の本名は秋山彩香といい、これまた水色の髪に、はっとするほど整った顔で10人いれば10人が振り返るであろう顔である。
ちなみに幼馴染みである。
そんなことを考えていると学校に着いてしまった。
校門を潜ると、いや校門を潜る前から俺達2人に視線が集まっていた。
学校1番のイケメンと違う意味で1番である俺が一緒にいるのだ、注目を集めないわけがない。
ヒソヒソ 「ねぇ、今日もアレと健人様が一緒にいるわよ」
そんな話し声が聞こえ、俺は健人に対する罪悪感でいっぱいになってしまったが、顔に出さないように注意する。健人が気付いて心配をかけてしまうのは嫌だ。
健人には聞こえなかったらしく、いつものように下駄箱に向かう。
靴を履き替えた俺達は、クラスが違うのでここで別れた。
「じゃーな、また後で!」
そう言って自分の教室がある方へと歩いていく。それを見届けてから俺も自分の教室へと向かう。
魔の扉である教室の扉が見えてきた。ここに来るまでの、周囲の方々から聞こえてくる話し声のせいで心が痛かったが、これから開けようとしているのは、更に心が痛めつけられる教室の扉だと思うと、このまま帰りたくなった。
が、勇気を振り絞って扉を開け、中へと入っていく。最も嫌いな奴らがいる教室へと。
するといきなり上から水が落ちてくる、女子も男子もクスクス笑っている。何もできないので大人しく席に着き眠った。もう何も見ないように、聞かないようにするために。
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