力無き能力者

それでも少年は助けようと思う

ﾄﾞｶｯﾊﾞｷｯｸﾞｼｬ…

 暴行を受ける俺。
 今日は初めに俺に暴行を加えた2人がそれぞれ殴る蹴るを繰り返している。
何人かそれを見に来ている者もいる。





 眠りから覚めた俺は、授業を受けていた。


ｺﾂｯ


 何かが頭に当たる、だが気にする気は無いどうせ後ろの方の奴らが丸めた紙なんかを投げているからである。


～いつもいつも飽きない奴らだな


 そんなことを思っていると


ｽﾄﾝ


 紙飛行機が机の上に落ちてきた。
 何か文字が書いてあるようなので開いてみるとそこには綺麗な文字で


今日は屋上に来い！


 と書かれていた。


 その紙を丸めて投げ、また眠った。
～これ以上相手してらんない
 そんなことを思ったからである。


 その日放課後カイトは学校の屋上に来ていた。


 学校の屋上は花が育てられていたり、ベンチが置かれていたりしてなかなかに良い場所なのだが、今からここで受けることを考えると死刑執行場所のように思える。


 後ろから話声が聞こえてくる。
～この声は俺を初めてイジメた奴らだ。
 もう声だけで誰がくるかわかるようになってしまった。


「おっ！いるじゃーん！今日もよろしくねー！」


何がよろしくねー！だよ、今から俺の体に傷をつけていくだけのクズどもが！


「それじゃあ早速」


ﾄﾞｺﾞｯ!


「うぐっ！ハァハァ」


殴られたことでよろめき後ろに後退する。


ｶﾞｼｬﾝ


屋上のギリギリまで後退していたらしい。
～あっぶね！フェンスが無かったら落ちてたぞ！  そう思いフェンスを見てみると錆び付いていてネジも外れており壊れなかったのが奇跡のように思える。



これ以上フェンスに力をかけるのは流石にやばい！フェンスが壊れてしまう！そうなれば俺は落ちて死んでしまうだろう。


暗い顔をした俺がおかしかったのだろう２人ともニヤニヤしながらこっちを見ている。