力無き能力者

カスケード

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過去から現在へ②

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 着いた場所は校舎の裏の薄暗い場所であった。
 そこで前を歩いていた2人が立ち止まると、後ろを振り返り、1人が鳩尾を殴ってきた。

ドゴッ!

「ガ、ガフッ!」

 見事に鳩尾に入り唾と一緒に変な声が出てしまう。

「ガハッ、何で・・・こんな・・・ことを?」

必死に痛みを堪えながら聞く。

「俺達よー、E組になったってだけで他の奴らから笑われてよー。ストレス溜まってんだよ!」

そう1人が言う。するともう1人が

「俺なんて、兄弟にさんざん馬鹿にされて親に怒られたよ“我が家の面汚しってなー“」

そんなことを言ってきた。

「それと俺を殴ることは関係ないじゃないか!」

 必死に言い返す。

「確かになー。けどお前は能力も使えずそれがどんなのかもわかってないんだろ?」

 そこまで言うと最初に殴ってきたやつが

「能力もわからないとかこの学校にいる意味ないじゃん!ここは能力者が能力を磨くための学校なんだぜ!もしかしたらお前は間違えてこの学校に呼ばれたのかもしれないしよー。だから俺達がお前にストレス発散マシーンとして、この学校にいる意味を作ってあげようと思ってさー」

 この言葉は俺の心に深く突き刺さった。
 そう、能力もわからない自分はもしかしたら何の能力も持っていないかもしれないのだ。

ドカッ、バキッ・・・・・

 しばらく殴る蹴るを繰り返され俺の頭は朦朧とし、地面に横たわり動けなくなっていた。
そんな俺を見て満足したのか

「じゃーなー、明日から俺らの特訓(ストレス発散)に付き合えよー。ギャハハハ!」

 二人とも笑いながら自分の家へと帰っていく。
 
「あいつら・・・・・服で隠れた・・・・・場所・・・・・ばかり・・・・・痛めつけ・・・・・やがって」

 腹は痣が無数についており、胸からは鈍い痛みがしている。

 朦朧とする頭でなんとか立とうとするがうまくいかない。
 何度も何度も倒れてしまうが、やっとのことで立ち上がり、校舎の壁に手をついて、震える足を必死に動かし校門を出て帰路についた。

 家に帰るとまだ母さんはいなかった。
 居なくて良かったと思う。
 母さんは直ぐに俺の異変に気付いてしまうから。

 よろよろとした足取りで自分の部屋に入り、ベッドに横になる。

ポタポタ・・・・・

 目から涙が出てくる。

「うあああぁぁぁぁぁ・・・・・」

 力を持たない自分が悔しくて悔しくて、そんな自分が嫌になって、みんなが羨ましくて、傷が痛くて…
 色々な感情が入り交じり、もう心の中はぐちゃぐちゃだった。


 その日はいつの間にか眠ってしまっていた。
 次の日から放課後になると2人に呼び出され暴行を受けた。
 クラスの人が助けてくれるということを期待していたが、そんなことはなくむしろ1人また1人と俺をイジメるやつは増え、いつの間にかクラス全体になっていた。

で、今に至るのだ


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