婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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婚姻式の日 ~証立ての儀・グレース~

ーいやぁっ!離してぇ!ひどい事しないでぇ!ー

室内は婚姻式が済んだばかりの新妻の悲鳴混じりの叫び声が響いている。
ベッドの上に引き上げられ、体を捩ってなんとか振りほどこうとしている。

ーそのまま押さえつけろ。ー

「あいつ……正気か?」
「パトリクス様っ……」

パトリクスの呟きは最もだった。
おそらく、この小部屋に居る全員が思ったであろう。
義娘達はそれぞれの伴侶に縋るよう、身を寄せた。
最早、言葉1つ身動き1つも取れない程だった。
室内に居る従僕達の顔は青く強張っているのが見てとれる。

ジークフリートがベッドに上がり、あの娘の太股あたりに乗ると夜着を力任せに引き裂いた。

ーいやぁぁぁぁぁぁっっ!ー

なんて無体な……あれでは荒くれ者と変わらないじゃない………

「王子とは名ばかりの荒くれ者に成り下がったか……」

王たる夫の初めて聞く失望に満ちた声に涙が溢れる。

「申し訳ありません陛下………私が至らないばかりに…………」

言葉が紡げない………悲しくて悔しくて………

「良い………私も同罪だ…………」

そう、仰有ると夫は私の肩を優しく抱き寄せて下さいました。

ーおいっ!お前達!お前達は足を持て!1人片足ずつだ!ー
ーいやっ!いやぁ!やめてっやめてぇ!こんなのいやぁ!ー
ー持ったか?持ったな!俺が退いたら拡げろ。ー
ーいやぁぁぁぁ………!ひどい………ひどいよぉっ………ひっう……こんなのないよぉ………離してよぉっ………ー
ーあぁ、愛してるよマリアンヌ。でも、逆らうのは良くないな。おいっ!そっちのベッドに上がってマリアンヌの口を塞げ、興が冷める。ー

ーやだっふ……んむーっっ!むーっんーっ!ー

息子は勢いよくガウンを脱ぎ捨て、ベッドに上がりあの娘の足の間に膝立ちした。
腹につくほど反り返った逸物を見せつけ、今から犯すのだとゲスな笑みをこぼす男に反吐が出そうになる。

ー殿下、滞りなく行えるよう蜜水を預かっております。ー
ー気が利くな。よこせ。ー

侍女頭が蓋を取ったガラス瓶を、ジークフリートに手渡すと己の逸物とあの娘の秘穴へと掛けてゆく。
瓶の中身を全て使い切ると、空になった瓶を侍女頭に手渡した。

ーんっ………んむーっっー

あの娘のくぐもった叫び声と……………
甘い香りが…………あの蜜水だろうか?………初めて嗅ぐ香り…………
不意に強い視線を感じて、その視線を探るために顔を向けた瞬間キャロラインと目があった。
僅かばかり見詰め合った後、キャロラインは目線を下げ室内を凝視し始めた。

何だと言うのだろう?先程まで不安げにしていたのに、今では落ち着いて見ている?
何故に?この香りを嗅いだから?
私は疑問を胸に、室内へと視線を戻した。
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