42 / 756
婚姻式の日 ~証立ての儀・グレース~
しおりを挟む
ーいやぁっ!離してぇ!ひどい事しないでぇ!ー
室内は婚姻式が済んだばかりの新妻の悲鳴混じりの叫び声が響いている。
ベッドの上に引き上げられ、体を捩ってなんとか振りほどこうとしている。
ーそのまま押さえつけろ。ー
「あいつ……正気か?」
「パトリクス様っ……」
パトリクスの呟きは最もだった。
おそらく、この小部屋に居る全員が思ったであろう。
義娘達はそれぞれの伴侶に縋るよう、身を寄せた。
最早、言葉1つ身動き1つも取れない程だった。
室内に居る従僕達の顔は青く強張っているのが見てとれる。
ジークフリートがベッドに上がり、あの娘の太股あたりに乗ると夜着を力任せに引き裂いた。
ーいやぁぁぁぁぁぁっっ!ー
なんて無体な……あれでは荒くれ者と変わらないじゃない………
「王子とは名ばかりの荒くれ者に成り下がったか……」
王たる夫の初めて聞く失望に満ちた声に涙が溢れる。
「申し訳ありません陛下………私が至らないばかりに…………」
言葉が紡げない………悲しくて悔しくて………
「良い………私も同罪だ…………」
そう、仰有ると夫は私の肩を優しく抱き寄せて下さいました。
ーおいっ!お前達!お前達は足を持て!1人片足ずつだ!ー
ーいやっ!いやぁ!やめてっやめてぇ!こんなのいやぁ!ー
ー持ったか?持ったな!俺が退いたら拡げろ。ー
ーいやぁぁぁぁ………!ひどい………ひどいよぉっ………ひっう……こんなのないよぉ………離してよぉっ………ー
ーあぁ、愛してるよマリアンヌ。でも、逆らうのは良くないな。おいっ!そっちのベッドに上がってマリアンヌの口を塞げ、興が冷める。ー
ーやだっふ……んむーっっ!むーっんーっ!ー
息子は勢いよくガウンを脱ぎ捨て、ベッドに上がりあの娘の足の間に膝立ちした。
腹につくほど反り返った逸物を見せつけ、今から犯すのだとゲスな笑みをこぼす男に反吐が出そうになる。
ー殿下、滞りなく行えるよう蜜水を預かっております。ー
ー気が利くな。よこせ。ー
侍女頭が蓋を取ったガラス瓶を、ジークフリートに手渡すと己の逸物とあの娘の秘穴へと掛けてゆく。
瓶の中身を全て使い切ると、空になった瓶を侍女頭に手渡した。
ーんっ………んむーっっー
あの娘のくぐもった叫び声と……………
甘い香りが…………あの蜜水だろうか?………初めて嗅ぐ香り…………
不意に強い視線を感じて、その視線を探るために顔を向けた瞬間キャロラインと目があった。
僅かばかり見詰め合った後、キャロラインは目線を下げ室内を凝視し始めた。
何だと言うのだろう?先程まで不安げにしていたのに、今では落ち着いて見ている?
何故に?この香りを嗅いだから?
私は疑問を胸に、室内へと視線を戻した。
室内は婚姻式が済んだばかりの新妻の悲鳴混じりの叫び声が響いている。
ベッドの上に引き上げられ、体を捩ってなんとか振りほどこうとしている。
ーそのまま押さえつけろ。ー
「あいつ……正気か?」
「パトリクス様っ……」
パトリクスの呟きは最もだった。
おそらく、この小部屋に居る全員が思ったであろう。
義娘達はそれぞれの伴侶に縋るよう、身を寄せた。
最早、言葉1つ身動き1つも取れない程だった。
室内に居る従僕達の顔は青く強張っているのが見てとれる。
ジークフリートがベッドに上がり、あの娘の太股あたりに乗ると夜着を力任せに引き裂いた。
ーいやぁぁぁぁぁぁっっ!ー
なんて無体な……あれでは荒くれ者と変わらないじゃない………
「王子とは名ばかりの荒くれ者に成り下がったか……」
王たる夫の初めて聞く失望に満ちた声に涙が溢れる。
「申し訳ありません陛下………私が至らないばかりに…………」
言葉が紡げない………悲しくて悔しくて………
「良い………私も同罪だ…………」
そう、仰有ると夫は私の肩を優しく抱き寄せて下さいました。
ーおいっ!お前達!お前達は足を持て!1人片足ずつだ!ー
ーいやっ!いやぁ!やめてっやめてぇ!こんなのいやぁ!ー
ー持ったか?持ったな!俺が退いたら拡げろ。ー
ーいやぁぁぁぁ………!ひどい………ひどいよぉっ………ひっう……こんなのないよぉ………離してよぉっ………ー
ーあぁ、愛してるよマリアンヌ。でも、逆らうのは良くないな。おいっ!そっちのベッドに上がってマリアンヌの口を塞げ、興が冷める。ー
ーやだっふ……んむーっっ!むーっんーっ!ー
息子は勢いよくガウンを脱ぎ捨て、ベッドに上がりあの娘の足の間に膝立ちした。
腹につくほど反り返った逸物を見せつけ、今から犯すのだとゲスな笑みをこぼす男に反吐が出そうになる。
ー殿下、滞りなく行えるよう蜜水を預かっております。ー
ー気が利くな。よこせ。ー
侍女頭が蓋を取ったガラス瓶を、ジークフリートに手渡すと己の逸物とあの娘の秘穴へと掛けてゆく。
瓶の中身を全て使い切ると、空になった瓶を侍女頭に手渡した。
ーんっ………んむーっっー
あの娘のくぐもった叫び声と……………
甘い香りが…………あの蜜水だろうか?………初めて嗅ぐ香り…………
不意に強い視線を感じて、その視線を探るために顔を向けた瞬間キャロラインと目があった。
僅かばかり見詰め合った後、キャロラインは目線を下げ室内を凝視し始めた。
何だと言うのだろう?先程まで不安げにしていたのに、今では落ち着いて見ている?
何故に?この香りを嗅いだから?
私は疑問を胸に、室内へと視線を戻した。
174
あなたにおすすめの小説
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます
珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。
そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。
そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。
ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる