婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

文字の大きさ
43 / 756

婚姻式の日 ~証立ての儀・グレース~

この小部屋まで届く香りは、恐らく室内はもっと強い香りなのだろう。
甘くむせ返る程に強い香りは、僅かだが頭がぼんやりする程香ったのだった。

ーお前達、足を高く持ち上げて腰を浮かせろ。ー
ーんっふ!むっう……んーっ!んーっ!ー
ー可愛いマリアンヌ、今からだ!ー

静まり返る室内と小部屋に、ジークフリートの声がやけに大きく響く。
ヒタと自分の手で己の逸物をあの娘の秘穴に押し付ける。
あの娘のくぐもった叫びが室内に響く。

ーマリアンヌ、愛してるよ。ー

下卑たニヤケ顔で囁き腰を進める男の姿から目が離せない。

ーこの蜜水ってのは凄いな、マリアンヌ苦しいだろう?だから一気に貫くぞ。ー

え?あの男は何を言っているの?
どれだけ非道な事を告げたの?
一気に貫くなんて、正気の沙汰じゃない!

ーハハッいくぞ!オラァッ!ー
パァンッッ!
ーふぐーーーーッッ!!!ー

肉と肉のぶつかる音が聞こえる程、一気に腰を進め貫いた非道な男と大きく体を反らし見開いた目から涙を零し叫んだ女の姿に全身の力が抜けそうになる。
夫が肩を強く掴んでくれてなかったら、まともに立っていられなかっただろう。

「パトリシアッ」

パトリクスの小さい叫びに見やると、パトリシアはぐったりとしパトリクスの腕の中抱きかかえられていた。
キャロラインを見やれば、柳眉を逆立てて室内の男を睨んでいた。

ーくくくっ……マリアンヌ、やったぞ!お前の純血だ!ー

大きな声で嬉しそうに叫ぶと、力任せに引き抜いた。
四肢を押さえ込んでいた従僕達は、顔を背けソッと四肢から手を離した。
グッタリと力無く、まるで投げ出された人形の様な姿で止めどなく涙を溢すあの娘の足の間で、引き抜かれた逸物は真っ赤な血と蜜水でテラテラと卑しく濡れていた。

ー私ジークフリートの妻マリアンヌの純血は無事王家に捧げられた!この証でもって王家の皆様に認めていただきたい!ー

男がお決まりの文句を高らかに叫ぶ。
その宣言に室内に居る従者達は青い顔を見合わせ、息を合わせる。

ー正妃様の純血、確かに見届けました!ー

これもお決まりの文句を高らかに叫ぶ。
侍女達も強張った顔のまま頷き、息を合わせる。

ー正妃様の純血、確かに見届けました!ー

侍女達もお決まりの文句を高らかに叫んだ。
夫は国王の顔になり、胸を張り一度瞠目すると私の顔を見て頷いた。
私も王妃の顔を貼り付け、国王陛下を見つめてから室内へと顔を向けた。

「その宣言、確かに受け取った。」

私は王妃として、従者と侍女の言葉を受け取った。
感想 3,411

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

いや、あんたらアホでしょ

青太郎
恋愛
約束は3年。 3年経ったら離縁する手筈だったのに… 彼らはそれを忘れてしまったのだろうか。 全7話程の短編です。

「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです

ほーみ
恋愛
 「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」  その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。  ──王都の学園で、私は彼と出会った。  彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。  貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。