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第一側妃アンネローゼ 5(注意!このお話は少し未来のお話です。)
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窓の外は夕暮れ。今、私の部屋の居間には多くの箱が運び込まれている。
と言っても侍女三人が運べる箱の数なんて知れてるけど、とにかく頑張って運んだのだと分かる……
「旦那様がこのあたりであれば、くれてやれと仰いまして……」
ばあやが持って来た大きな箱には、私が小さい頃気に入らないと使いもしなかった毛布や敷布が入っていた。お父様が思い込みだけで作らせた派手派手しいピンク……あれはお母様も固まったのよね。
「今見ても無理だわ。どうしてお父様はこんな目に痛々しい色の寝具を作ったのかしら……」
「旦那様は苦々しいお顔でした、殿下の好きなピンク色を好きになって貰いたかった……と。」
「それにしても、この色はないわ。まぁ、でも良いわ……正妃様のペラペラの毛布よりは上等だわ。」
思い返して思わず眉を顰める。薄い毛布を二枚重ねていた……敷布も木綿で……でも、枕を巻いていた布は上等な物だったわ。誰かから頂いたのかしら?ニーナが開けた箱には毛織物のガウンやマント、ショールやストールが入っていた。あら?
「覚えの無い物も入っているわ。」
「はい、奥様が頂いたけど使わずに仕舞っていた物を持っていくように……と仰って。」
あぁ、これもきっとお父様からの贈り物ね……お父様、センスが無いのだからご一緒に行けば良いのに勝手に作らせた物を持ってくるから使われ無いのよね。お母様は私よりも好みの幅が狭い、しかも気に入らないと見向きもしないのに……
「では、かなりお母様からの物があるのね。」
「はい……」
適当な箱に詰められたのだろう、仕方ないと次の箱を開ける。
「あら、これもお母様からね。」
まぁ……とかホゥ……とか侍女達が感嘆の声やため息が聞こえる。悪くは無いし、良い物だと分かる物だけどコレ……お祖母様からの贈り物なのよね。お祖母様もご趣味は良いのだけど、お母様とは好みが違うのよね。一度でも夜会に付けて行けば、お祖母様は上機嫌になるから見覚えはあるのよね。
美しい毛織物の肩掛けは冬のドレスを華やかにするお飾りの一部に捉えられるものの、冷えから肩や胸元……物によっては首まで温かい。
「あら……これ、素敵ねぇ……」
思わず手に取った物は首までの物で手触りも良かった。
「これ、私が貰うわ。」
「よろしいので?」
「あら、お母様は要らなくても私は欲しいわ。思ったより寒いんですもの、普段使い出来る物もあるし……要らない物を正妃様にあげれば良いでしょう。かなりの数もあるし……」
新調した物を幾つも持って来たけれど、今日持って来た物にも良い物は幾つもある。数枚の肩掛けを抜き出しばあやに渡す。
まだ、かなりの数が残っている……これを全部、あの正妃様に渡す?嫌だわ。
「ねぇ、ばあや。私が今渡した物は私が使おうと思うのだけど、ばあやは使わない?」
「使って良ければ幾つか頂きたい物はあります。」
そう言ってチラリと動く目に、やっぱりね……と思う。
私は今渡した肩掛けから一枚手に取り、ナナに目をやる。すぐさまナナが私の手から肩掛けを受け取り、私の肩に掛ける……ニーナが消え、再び現れる。
掛けられた物は首まで温める物で、実に温かい。ニーナがブローチで首元を止めてくれる。ナナがばあやから肩掛けを受け取り、クローゼットへとしまいに消える。
「ふふっ……温かい。」
私が選んで抜いた物はどれもが高級品で、首まで温める物ばかり。手触りも良くて上等な毛織物だと分かる物ばかり。染めも刺繍も上品で、様々なドレスと合わせ易い。
「ばあやも何枚かどうぞ。寒いより良いでしょう。」
「では、ありがたく……」
やはり首まで温める物ばかり、数枚選んで手に取る。
「ニーナ、ナナ貴女達もよ。」
ナナが戻って来たので声を掛ける。どちらも残った中から首までの物を選ぶ、これで首までの物は無くなった。まだそれなりに残ってるし、侍女達に一枚ずつ選ばせ残った物をあの正妃様にあげれば良いわね。
「さて、大分減ってしまったけれど貴女達にも一枚ずつ持っていって貰っても良いと思ってるの。無理にとは言わないわ、好みがあるものね。侍女長からどうぞ。」
「ありがとうございます。まぁ…………どれもこれも、なんて上等なの……」
頬を紅潮させ瞳をキラキラと輝かせて選ぶ姿は、何となく見ている私の気持ちを高揚させる。一枚ずつ手触りを確かめ、嬉しそうに一枚手に取る侍女長は少女のようだと感じた。
「アンネローゼ様、私こちらが良いですわ!」
「では、それは貴女が持っていきなさい。さて、残った物から一枚ずつ貴女達が選んで持っていきなさい。早い者勝ちよ。」
キャアキャアと嬉しそうにテーブルの上に広げられた肩掛けを、一斉に囲み手触りを確認しアレかしら?コレかしら?と選ぶ姿は学園時代を思い出させ懐かしく感じる。
それぞれが手に取り、選び終わった事を確認する。
テーブルに残った肩掛けは三枚だが、これだけあれば部屋で過ごすのに問題は無いでしょう。
「さて、ばあや。この残り物の三枚を正妃様に差し上げに行きましょうか。後は時間が時間だし、明日にしましょう。ニーナ、ナナ。貴女達は手分けして、その大きな箱に入っていた物を持ってきて頂戴。侍女長、案内を……って早速付けたのね。どう?」
「とても……とても温かいです。こんなに温かいと手放せなくなりそうです。」
あまり邪魔にもならなさそうだし、大きさもあまり変わらない。見回して見ても侍女達も殆ど変わらない……
「どうやら、全員大きさに問題はないようね。ばあや、揃いの肩掛けを頼む事は出来て?」
「問題はありません。何か?」
「私の侍女全員、揃いの肩掛けを頼んで頂戴。首元からの物を。せっかくの肩掛けだけど、気になって仕事の邪魔になるより揃いの物なら皆同じだから邪魔にはならないでしょう。」
「では、今から仕立て屋に行って頼んで参りましょう。何、この時間ならば大丈夫で御座いましょう。早速行きます故、お付きはお許し下さい。」
「構わないわ、早く頼んだ方が早く仕立てられるでしょ。行って頂戴。」
一礼し部屋から消える。
「ニーナ、ナナ。どちらでも良いわ、肩掛けも持って来て頂戴。侍女長、案内を。」
与えられた肩掛けを付け、意気揚々と先導する侍女長と共に階上へと向かう。正妃の部屋に通されると、あの正妃の目が私達の肩掛けからニーナとナナが持つ物へと移った。
「私の家から持って来た物です。無いよりはマシでしょう。毛布に敷布、ショールにストール。それと肩掛けですわ。」
「あっ……ありがとう…………こんな……沢山…………」
両手がドレスを鷲掴みし、泣きながら礼を述べる彼女を見て私は……この娘は本当に何一つ知らずにこの王宮に来たのだと思った。
「寝具は早速付けてらっしゃい。」
私の言葉で正妃付きの侍女達が慌てて受け取り消える。私は肩掛けを一枚と大判のストールを選びとる。残った物を別の侍女に渡すとニーナが私から肩掛けを受け取り、正妃様へと掛け前のリボンを可愛らしく縛りあげ形を整える。
「あったかい……あったかいよぅ…………」
ナナがストールを三角に折り、正妃様の腕に掛ける。
「これも……う……ふ…………っ……ありがとうございます……ありがとうございます、アンネローゼ様……」
泣きながら礼を述べられた。
どれ程寒かったのだろう……体に巻きつけるようにストールを掴んでいる。
貧しい男爵令嬢、しかも準備期間も一月……私達の数年がかりとは訳が違う。
殿下の我が儘には私達はほとほとあきれてはいた。
言い出したらきかない殿下にあれこれ言う事に疲れ果てていた私達は、もっと殿下を諌め諭しお考えを改めて頂けるように努力するべきではなかったか?と今思う。
でも……でも既に時遅しだわ。
「これで少しは過ごしやすくなるでしょう。私達はこれで失礼いたします。また、何かありましたら来ます。よろしいですね。」
「はひっ……お願い………しますっ……」
「戻りましょう。」
私達は寒々しい部屋から早々に引き上げ、温かい部屋へと戻って来た。
エリーゼ様はここまでの事を考えて、あっさりと婚約破棄を受け入れた訳では無いと思う。私だって、そう。誰が想像すると言うのだろう……私達の誰も想像しなかった。この由々しき問題をお父様は何と捉えるだろう……ドゥルテ男爵…………余りにも愚かなあの男…………己の娘を何だと思っているのか…………
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ばあやが持って来た大きな箱には、私が小さい頃気に入らないと使いもしなかった毛布や敷布が入っていた。お父様が思い込みだけで作らせた派手派手しいピンク……あれはお母様も固まったのよね。
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「それにしても、この色はないわ。まぁ、でも良いわ……正妃様のペラペラの毛布よりは上等だわ。」
思い返して思わず眉を顰める。薄い毛布を二枚重ねていた……敷布も木綿で……でも、枕を巻いていた布は上等な物だったわ。誰かから頂いたのかしら?ニーナが開けた箱には毛織物のガウンやマント、ショールやストールが入っていた。あら?
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「はい、奥様が頂いたけど使わずに仕舞っていた物を持っていくように……と仰って。」
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「では、かなりお母様からの物があるのね。」
「はい……」
適当な箱に詰められたのだろう、仕方ないと次の箱を開ける。
「あら、これもお母様からね。」
まぁ……とかホゥ……とか侍女達が感嘆の声やため息が聞こえる。悪くは無いし、良い物だと分かる物だけどコレ……お祖母様からの贈り物なのよね。お祖母様もご趣味は良いのだけど、お母様とは好みが違うのよね。一度でも夜会に付けて行けば、お祖母様は上機嫌になるから見覚えはあるのよね。
美しい毛織物の肩掛けは冬のドレスを華やかにするお飾りの一部に捉えられるものの、冷えから肩や胸元……物によっては首まで温かい。
「あら……これ、素敵ねぇ……」
思わず手に取った物は首までの物で手触りも良かった。
「これ、私が貰うわ。」
「よろしいので?」
「あら、お母様は要らなくても私は欲しいわ。思ったより寒いんですもの、普段使い出来る物もあるし……要らない物を正妃様にあげれば良いでしょう。かなりの数もあるし……」
新調した物を幾つも持って来たけれど、今日持って来た物にも良い物は幾つもある。数枚の肩掛けを抜き出しばあやに渡す。
まだ、かなりの数が残っている……これを全部、あの正妃様に渡す?嫌だわ。
「ねぇ、ばあや。私が今渡した物は私が使おうと思うのだけど、ばあやは使わない?」
「使って良ければ幾つか頂きたい物はあります。」
そう言ってチラリと動く目に、やっぱりね……と思う。
私は今渡した肩掛けから一枚手に取り、ナナに目をやる。すぐさまナナが私の手から肩掛けを受け取り、私の肩に掛ける……ニーナが消え、再び現れる。
掛けられた物は首まで温める物で、実に温かい。ニーナがブローチで首元を止めてくれる。ナナがばあやから肩掛けを受け取り、クローゼットへとしまいに消える。
「ふふっ……温かい。」
私が選んで抜いた物はどれもが高級品で、首まで温める物ばかり。手触りも良くて上等な毛織物だと分かる物ばかり。染めも刺繍も上品で、様々なドレスと合わせ易い。
「ばあやも何枚かどうぞ。寒いより良いでしょう。」
「では、ありがたく……」
やはり首まで温める物ばかり、数枚選んで手に取る。
「ニーナ、ナナ貴女達もよ。」
ナナが戻って来たので声を掛ける。どちらも残った中から首までの物を選ぶ、これで首までの物は無くなった。まだそれなりに残ってるし、侍女達に一枚ずつ選ばせ残った物をあの正妃様にあげれば良いわね。
「さて、大分減ってしまったけれど貴女達にも一枚ずつ持っていって貰っても良いと思ってるの。無理にとは言わないわ、好みがあるものね。侍女長からどうぞ。」
「ありがとうございます。まぁ…………どれもこれも、なんて上等なの……」
頬を紅潮させ瞳をキラキラと輝かせて選ぶ姿は、何となく見ている私の気持ちを高揚させる。一枚ずつ手触りを確かめ、嬉しそうに一枚手に取る侍女長は少女のようだと感じた。
「アンネローゼ様、私こちらが良いですわ!」
「では、それは貴女が持っていきなさい。さて、残った物から一枚ずつ貴女達が選んで持っていきなさい。早い者勝ちよ。」
キャアキャアと嬉しそうにテーブルの上に広げられた肩掛けを、一斉に囲み手触りを確認しアレかしら?コレかしら?と選ぶ姿は学園時代を思い出させ懐かしく感じる。
それぞれが手に取り、選び終わった事を確認する。
テーブルに残った肩掛けは三枚だが、これだけあれば部屋で過ごすのに問題は無いでしょう。
「さて、ばあや。この残り物の三枚を正妃様に差し上げに行きましょうか。後は時間が時間だし、明日にしましょう。ニーナ、ナナ。貴女達は手分けして、その大きな箱に入っていた物を持ってきて頂戴。侍女長、案内を……って早速付けたのね。どう?」
「とても……とても温かいです。こんなに温かいと手放せなくなりそうです。」
あまり邪魔にもならなさそうだし、大きさもあまり変わらない。見回して見ても侍女達も殆ど変わらない……
「どうやら、全員大きさに問題はないようね。ばあや、揃いの肩掛けを頼む事は出来て?」
「問題はありません。何か?」
「私の侍女全員、揃いの肩掛けを頼んで頂戴。首元からの物を。せっかくの肩掛けだけど、気になって仕事の邪魔になるより揃いの物なら皆同じだから邪魔にはならないでしょう。」
「では、今から仕立て屋に行って頼んで参りましょう。何、この時間ならば大丈夫で御座いましょう。早速行きます故、お付きはお許し下さい。」
「構わないわ、早く頼んだ方が早く仕立てられるでしょ。行って頂戴。」
一礼し部屋から消える。
「ニーナ、ナナ。どちらでも良いわ、肩掛けも持って来て頂戴。侍女長、案内を。」
与えられた肩掛けを付け、意気揚々と先導する侍女長と共に階上へと向かう。正妃の部屋に通されると、あの正妃の目が私達の肩掛けからニーナとナナが持つ物へと移った。
「私の家から持って来た物です。無いよりはマシでしょう。毛布に敷布、ショールにストール。それと肩掛けですわ。」
「あっ……ありがとう…………こんな……沢山…………」
両手がドレスを鷲掴みし、泣きながら礼を述べる彼女を見て私は……この娘は本当に何一つ知らずにこの王宮に来たのだと思った。
「寝具は早速付けてらっしゃい。」
私の言葉で正妃付きの侍女達が慌てて受け取り消える。私は肩掛けを一枚と大判のストールを選びとる。残った物を別の侍女に渡すとニーナが私から肩掛けを受け取り、正妃様へと掛け前のリボンを可愛らしく縛りあげ形を整える。
「あったかい……あったかいよぅ…………」
ナナがストールを三角に折り、正妃様の腕に掛ける。
「これも……う……ふ…………っ……ありがとうございます……ありがとうございます、アンネローゼ様……」
泣きながら礼を述べられた。
どれ程寒かったのだろう……体に巻きつけるようにストールを掴んでいる。
貧しい男爵令嬢、しかも準備期間も一月……私達の数年がかりとは訳が違う。
殿下の我が儘には私達はほとほとあきれてはいた。
言い出したらきかない殿下にあれこれ言う事に疲れ果てていた私達は、もっと殿下を諌め諭しお考えを改めて頂けるように努力するべきではなかったか?と今思う。
でも……でも既に時遅しだわ。
「これで少しは過ごしやすくなるでしょう。私達はこれで失礼いたします。また、何かありましたら来ます。よろしいですね。」
「はひっ……お願い………しますっ……」
「戻りましょう。」
私達は寒々しい部屋から早々に引き上げ、温かい部屋へと戻って来た。
エリーゼ様はここまでの事を考えて、あっさりと婚約破棄を受け入れた訳では無いと思う。私だって、そう。誰が想像すると言うのだろう……私達の誰も想像しなかった。この由々しき問題をお父様は何と捉えるだろう……ドゥルテ男爵…………余りにも愚かなあの男…………己の娘を何だと思っているのか…………
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