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側妃達 注意!このお話は少し未来のお話です!
朝だ……だっるぅ~腰が。
ぼんやりした頭で体を起こし、侍女を呼ぶ。見慣れた顔が寝室に入ってきてガウンを手に取り、やって来る。
のそりとベッドから降りて立ち上がるとガウンを掛けてくれる。
「湯あみしたい。」
「畏まりました、ではすぐにお支度を致します。」
一礼して侍女が下がる。広い寝室には一人がけのソファとテーブルを置いた。フカフカの柔らかいクッションが効いてるソファは私のお気に入り、バフン!とソファに座り目を閉じる。
「失礼致します。紅茶をお持ち致しました。」
ほんのりと甘い花の香りと爽やかな紅茶の香り、私が家から持って来た物だわ。目の前に置かれた紅茶を手に取り、一口啜る。
「ふぅ……起きぬけは軽い物の方が良いわ。」
ゆっくりと紅茶を楽しみ、ゆるゆると頭を働かせる。
「ミネルバ様、お支度整いました。」
「そう、じゃあよろしくね。」
ゆったり湯に浸かってから、頭から足の先まで塩で擦られサッパリしてから再度湯に浸かる。
「上がるわ。」
湯から上がり、水気を拭き取られ寝台に寝転ぶと侍女が二人掛かりで香油を塗り込んでいく。昨日使った物とは違う香りの物が塗り込まれていく。
その間に別の侍女が風魔法で髪を乾かしていく。
「ミネルバ様、ドレスをお持ち致しました。」
白と緑のドレスに緑の靴、緑玉に彫り物をした揃いのお飾り。
持って来られた物を身に付けて貰い、居間へと移る。
ダイニングテーブルには朝食の用意がされていた。私は席につき朝食を頂く。
「今日は何か予定あったかしら?」
「先程アンネローゼ様のお付きの方が見えられまして、後程いらっしゃると。」
アンナが?何かしら?でも、アンナなら沢山お喋りしたいし良いわね。
「分かったわ。」
黙々と朝食を頂いて、ある程度充足感を感じた所で食事を終わらせる。
ソファへと移動して座り込む。
「紅茶を。後、エリーゼ様から頂いた物が届いていると言ってなかった?」
私が入宮する前に王子宮に届けられたと聞いた贈り物の事を聞くと、侍女の一人が大きな木の箱を持って来た。それは以前届けられた木の箱と同じ意匠で美しいリボンで止められていた。
「こちらでございます。」
同じ意匠ならば中身も同じ菓子なのかしら?なら後で一人で確認しようかしら。
「寝室に運んでおいて頂戴。」
「畏まりました。」
侍女が運び込む姿を見てから、紅茶を飲み干す。私付きではない侍女が一人やって来た所で、アンナが来るのだと分かり侍女を見て微笑む。
早く会いたいわ。だって話したい事は沢山あるんですもの。
「アンネローゼ様がお見えになりました。」
そう告げられ、立ち上がりアンナを出迎える。
「ミーネ、昨日はお疲れ様。お可愛らしかったでしょう?」
アンナが楽しそうに微笑む、私も楽しくて微笑む。
「ええ、アンナが言った通りだったわ。とても可愛らしかったわ。」
アンナにも紅茶が差し出され、私には新しい紅茶が出された。
ひとしきり最近の話をした後にアンナは真剣な顔になった、嫌だわ……何か嫌な事を言う気だわ。
「聞きたくないのだけど。」
「ダメよ。聞いて頂戴。正妃の事よ……」
内心ゲンナリだわ。あの子、王宮に入っても問題児なのかしら?
黙って頷いて、アンナの言葉を待つ。
「ミーネ……あの子、王室典範見たことないんですって。」
「はぁっ!そんな訳ないでしょう!」
「ミーネ、言葉が荒くなってよ。でも本当に知らなさそうなのよ。」
体から力が抜ける。一月は婚約期間があったのだから、一度位は見たことあるでしょうに……でも、なんでアンナはそんな事を知っているのかしら?
「何故、お知りに?」
「偶然ですわ。と言っても、きっかけはあの子が私の所に来たからだわ。…………驚いたわ、黄色の薄いドレスで現れて……とんでもないと思って、正妃様のお部屋に行ったのよ。」
「まあ!早速行かれたの!」
思わず前かがみになってしまったわ。それにしても春の装いで訪れるとかバカなのかしら?
「凄いのよ!何にも無くて!備え付けのソファにダイニング、クローゼットの中はスッカスカ!まともなドレスが一着も無いんですもの!寝具は薄い毛布が二枚だけ!さすがに死んじゃうって思って慌てたわ。」
アンナが驚くなんて早々無いわ!でも、それじゃあ……
「では王室典範は男爵家に?侍女は何をしているの?」
「男爵家縁の侍女は入ってないわ。」
「困った時どうするのよ、連絡取れないじゃない。」
「だからよ。あまりにもおかし過ぎるでしょ、どうしようも無いからエリーゼ様に手紙を書いて現状をお知らせしたわ。助けて下さいって。」
「そう……エリーゼ様なら助けて下さるでしょうね。」
二人してため息を付いて紅茶をのむ。
「あの子、殆ど身一つで輿入れしたみたい。私、実家から使わない物を回して貰ったわ。ほら、お父様からの贈り物とか使えないから。」
アンナのお父様が昔、自信満々でドレスを見せに来た事があったけど凄かったのよね……ケバケバしいピンクのフリルとレースがどっちゃり付けられたドレス……数日夢にまで出て来て飛び起きた程のドレス…………なんで12才にもなろうと言う娘に持ってくるのか、本気で分からなかったわ。
結局あのドレス、解体されてバラバラになって初めて役にたったのよね。
「ミーネの所にも要らない物がありそうなら、受け口が出来たって事で。」
「…………そうね、おば様あたりなら色々下さるかも……」
おば様の旦那様がちょっとご趣味がね……少女趣味というか、おじ様と合わないっていうか……見るだけの物も時間が経てば見る事も無くなるから、しまわれてお終いだもの。手紙を出しておきましょう。
「とにかくあまりにも酷いから、後で見に行きましょう。」
アンナったら、悪い顔!でも面白そう!
「良いわね。見てみたいわ!何も無いなんて見た事無いもの!」
私達はクスクスと笑い合い、この一月の話へと花を咲かせた。
ぼんやりした頭で体を起こし、侍女を呼ぶ。見慣れた顔が寝室に入ってきてガウンを手に取り、やって来る。
のそりとベッドから降りて立ち上がるとガウンを掛けてくれる。
「湯あみしたい。」
「畏まりました、ではすぐにお支度を致します。」
一礼して侍女が下がる。広い寝室には一人がけのソファとテーブルを置いた。フカフカの柔らかいクッションが効いてるソファは私のお気に入り、バフン!とソファに座り目を閉じる。
「失礼致します。紅茶をお持ち致しました。」
ほんのりと甘い花の香りと爽やかな紅茶の香り、私が家から持って来た物だわ。目の前に置かれた紅茶を手に取り、一口啜る。
「ふぅ……起きぬけは軽い物の方が良いわ。」
ゆっくりと紅茶を楽しみ、ゆるゆると頭を働かせる。
「ミネルバ様、お支度整いました。」
「そう、じゃあよろしくね。」
ゆったり湯に浸かってから、頭から足の先まで塩で擦られサッパリしてから再度湯に浸かる。
「上がるわ。」
湯から上がり、水気を拭き取られ寝台に寝転ぶと侍女が二人掛かりで香油を塗り込んでいく。昨日使った物とは違う香りの物が塗り込まれていく。
その間に別の侍女が風魔法で髪を乾かしていく。
「ミネルバ様、ドレスをお持ち致しました。」
白と緑のドレスに緑の靴、緑玉に彫り物をした揃いのお飾り。
持って来られた物を身に付けて貰い、居間へと移る。
ダイニングテーブルには朝食の用意がされていた。私は席につき朝食を頂く。
「今日は何か予定あったかしら?」
「先程アンネローゼ様のお付きの方が見えられまして、後程いらっしゃると。」
アンナが?何かしら?でも、アンナなら沢山お喋りしたいし良いわね。
「分かったわ。」
黙々と朝食を頂いて、ある程度充足感を感じた所で食事を終わらせる。
ソファへと移動して座り込む。
「紅茶を。後、エリーゼ様から頂いた物が届いていると言ってなかった?」
私が入宮する前に王子宮に届けられたと聞いた贈り物の事を聞くと、侍女の一人が大きな木の箱を持って来た。それは以前届けられた木の箱と同じ意匠で美しいリボンで止められていた。
「こちらでございます。」
同じ意匠ならば中身も同じ菓子なのかしら?なら後で一人で確認しようかしら。
「寝室に運んでおいて頂戴。」
「畏まりました。」
侍女が運び込む姿を見てから、紅茶を飲み干す。私付きではない侍女が一人やって来た所で、アンナが来るのだと分かり侍女を見て微笑む。
早く会いたいわ。だって話したい事は沢山あるんですもの。
「アンネローゼ様がお見えになりました。」
そう告げられ、立ち上がりアンナを出迎える。
「ミーネ、昨日はお疲れ様。お可愛らしかったでしょう?」
アンナが楽しそうに微笑む、私も楽しくて微笑む。
「ええ、アンナが言った通りだったわ。とても可愛らしかったわ。」
アンナにも紅茶が差し出され、私には新しい紅茶が出された。
ひとしきり最近の話をした後にアンナは真剣な顔になった、嫌だわ……何か嫌な事を言う気だわ。
「聞きたくないのだけど。」
「ダメよ。聞いて頂戴。正妃の事よ……」
内心ゲンナリだわ。あの子、王宮に入っても問題児なのかしら?
黙って頷いて、アンナの言葉を待つ。
「ミーネ……あの子、王室典範見たことないんですって。」
「はぁっ!そんな訳ないでしょう!」
「ミーネ、言葉が荒くなってよ。でも本当に知らなさそうなのよ。」
体から力が抜ける。一月は婚約期間があったのだから、一度位は見たことあるでしょうに……でも、なんでアンナはそんな事を知っているのかしら?
「何故、お知りに?」
「偶然ですわ。と言っても、きっかけはあの子が私の所に来たからだわ。…………驚いたわ、黄色の薄いドレスで現れて……とんでもないと思って、正妃様のお部屋に行ったのよ。」
「まあ!早速行かれたの!」
思わず前かがみになってしまったわ。それにしても春の装いで訪れるとかバカなのかしら?
「凄いのよ!何にも無くて!備え付けのソファにダイニング、クローゼットの中はスッカスカ!まともなドレスが一着も無いんですもの!寝具は薄い毛布が二枚だけ!さすがに死んじゃうって思って慌てたわ。」
アンナが驚くなんて早々無いわ!でも、それじゃあ……
「では王室典範は男爵家に?侍女は何をしているの?」
「男爵家縁の侍女は入ってないわ。」
「困った時どうするのよ、連絡取れないじゃない。」
「だからよ。あまりにもおかし過ぎるでしょ、どうしようも無いからエリーゼ様に手紙を書いて現状をお知らせしたわ。助けて下さいって。」
「そう……エリーゼ様なら助けて下さるでしょうね。」
二人してため息を付いて紅茶をのむ。
「あの子、殆ど身一つで輿入れしたみたい。私、実家から使わない物を回して貰ったわ。ほら、お父様からの贈り物とか使えないから。」
アンナのお父様が昔、自信満々でドレスを見せに来た事があったけど凄かったのよね……ケバケバしいピンクのフリルとレースがどっちゃり付けられたドレス……数日夢にまで出て来て飛び起きた程のドレス…………なんで12才にもなろうと言う娘に持ってくるのか、本気で分からなかったわ。
結局あのドレス、解体されてバラバラになって初めて役にたったのよね。
「ミーネの所にも要らない物がありそうなら、受け口が出来たって事で。」
「…………そうね、おば様あたりなら色々下さるかも……」
おば様の旦那様がちょっとご趣味がね……少女趣味というか、おじ様と合わないっていうか……見るだけの物も時間が経てば見る事も無くなるから、しまわれてお終いだもの。手紙を出しておきましょう。
「とにかくあまりにも酷いから、後で見に行きましょう。」
アンナったら、悪い顔!でも面白そう!
「良いわね。見てみたいわ!何も無いなんて見た事無いもの!」
私達はクスクスと笑い合い、この一月の話へと花を咲かせた。
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