婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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戻ったよ……って!

キンダー侯爵領領主館での話し合いも終わり、領主館の者に先導され客室に戻る。
疲れたし眠たい。何よりもノエルとルチルに癒されたい。あの小っちゃくてふわふわのモフモフをギュッと抱き締めたい。
ルチルも寝ぼけてなければ、丸くてモコモコで堪らなく可愛い。ノエルは言わずもがなだ!天使だよ、天使!俺の中じゃ天使なんだよノエルは!柔らかくってフワモコで青いクリクリの目で俺を見上げるノエルの可愛さ!堪らんね!ついつい抱っこして抱き締めちゃうね!親バカとか言われるかもしれんけど、可愛いから仕方ないんだよ!
……ふぅ……可愛さのあまり興奮しちゃったよ。

「どうぞ。」

静に開けられた扉の奥、茶色の革張りの大きなソファに眠る二匹の姿を確認して胸熱になったね!
何だよ、滅茶苦茶可愛いじゃないか!

「案内ありがとう。」

一応礼を言って中に入る。
ソロソロと静に近寄るとノエルの鼻がヒクヒクして、うっすらと目が開く。

「ウニャ……ご主人にゃ?……」

クタンと丸くなるように、ルチルが入ってる籠を抱えるように寝ていたノエルとそのノエルのお腹辺りに頭を寄せて寝ているルチルの可愛さはこの世に降りてきた天使以外のナニモノでもない!

「待ちきれなくて寝てしまって、私がお守りするような事もありませんでした。」

気配を殺して近寄ってきたのは、お留守番を見て貰えるように頼んだ男……従者見習いの若い彼は、丁寧な物腰でそう告げてきた。
愛おしそうにノエルとルチルを見つめる目は、優しく甘く蕩けそうだった。
俺の天使達を見ていたのか……やはり天使!ノエルとルチルは天使!誰がどう見ても天使なんだよ!どこに出しても可愛らしい立派な天使なのだ!

「いや、無理に起きてるより寝ていた方が良いだろう。君もありがとう、休んでくれ。」

彼は一つ礼をすると「失礼致します。」と小さな声で挨拶を述べ、静にこの部屋から出ていった。
ノエルを抱き上げ、寝室のベッドに寝かせてからソファに戻り籠毎ルチルを持ち上げてソファで寝ていたようにくっつける。
晩餐の為に着ていた服を脱いではクリーンの魔法を掛けてから無限収納にしまう。殆ど中世ヨーロッパの洋服なので、パンツの類は無くシャツとパンツが一体型のアレで正直ツライ。フルチンでのパジャマは気持ちいいから気に入ってるが、昼間の収まりの悪さは頂けない。真っ裸でそんな事を考えてたら冷えてしまうな、多分ウールのパジャマを収納から出して着付ける。うん、あったかい。

「ご主人……まだかにゃ……」

「ピカ……」

寝言か?待ってろ、今すぐベッドに入るからな!
しずかーに!しずかーに!ベッドに上がり分厚い毛布に潜り込み、ノエルと同じ姿勢で寄り添って寝るとグリグリと頭を擦り付けてくるノエル!マジ天使!片手をノエルの首の辺りににもぐり込ませ、もう片方はルチルの籠の上に置く。完璧だ!俺は今、二匹同時に腕の中に閉じ込めてる!
癒される!

「ご主人にゃ……ご主人のニオイがするにゃ……」

「すきピカ……ご主人……ピカ……」

ああ、俺の天使はどこまでも可愛い……可愛……い…………
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