婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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その頃のユキ (ユキ)

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そこはご主人様の魔力に包まれた不思議な場所。
でも、まだ私の縄張りじゃない。地に足がついた瞬間蹴った……蹴って蹴って全速力で駆ける。

〈私の声が聞こえますか?〉

(ダレ?)

〈私はこの島の管理者でナビと申します。〉

(私はユキ。)

〈存じ上げております。この島はマスター、私達のご主人様のお力に寄って出来た島です。危険はありませんが、どうぞ気の済むまで見て回って下さい。〉

(ご主人様の?スゴい!)

見た事の無い大きな水たまりに大きな木ご沢山はえてる森や山。ゴツゴツした岩にキレイな水がドウドウと大きな音を立てて落ちてる場所。白くてサラサラした水たまりのキワはいつも走る所と違って面白かった。広い広い畑にいろんな果実が実ってた。
全速力で走ってるのに、まだまだ見れない場所が沢山ある!
ある所を境に島の感じが変わった。

(え?なんか違う!)

〈こちらもマスターの島ですよ。〉

肉球から感じる地面が温かい……走ってるからか喉が渇く。いつも見るような水たまりがある。近づいて飲もうとして、ちょっと驚く。この水たまり……あったかい!どうしよう!

〈ユキさん。そちらは温泉と言うものです。喉ご渇いたならば、そのまま進んで下さい。〉

(こっち?)

〈はい。音が聞こえますか?冷たくてキレイな水が飲めますよ。〉

教えて貰った所に本当にキレイな水が岩の天辺から落ちて小さな水たまりが出来ていた。飲もうと舌先を入れて驚いた。冷たくて少し甘く感じる……おいしい水。
あっちこっちから色んな匂いがする。甘い匂い、甘くない匂い。また走る。
小さなヒトを沢山見かける。色んなコトをしている。

「あ!ユキさんですね!採れたての果物です!食べますか?」

小さなヒトから見た事もない果物を差し出された。

(食べて良いの?)

「はい、どうぞ!こちらは収納しない物なので、食べて良いんですよ!」

良く分からないけど、食べて良いならと思って食べた。黄色の果肉はうんと甘くて瑞々しかった!初めて食べる果物だけど、スゴく甘くてビックリした!いくつも食べてからまた走った。
走って走って走った。ご主人様の島はうんとうーーーーんと広かった。
グルリと走って皆と合流する。何かヘンな感じかした。
あの黄色いやつがトボトボと大きな水たまりの近くに行って座った。
何だろう?嫌われ者なのか?困ったやつだけど、話を聞いて見よう。うん、そうしよう!
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