婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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説明と説明後(ルーク)

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夕食も済ませ、ノエルとルチルを連れて青い天幕を目指す。天幕の前にはトールとフレイの二人が立っていた。

「天幕の説明に来た。初めてだろう?」

天幕自体は初めてじゃあないが、シュバルツバルト製は初めてだから、少し気にはなるな……

「ああ……」

「うちのはちょっと違うからな。」

そう言ってバサリと重なるように誂えられた入り口から入っていく二人に、俺達も後を付いて入っていく。
一歩入って天幕内がほんのり温かい事に驚く。

「風が無いだけで温かいだろ。その絨毯は靴とか脱いで上がるんだ。そこの椅子があるだろ、そこに座って脱ぐと楽だぞ。」

それよりも気になるのはベッドの大きさだよ……

「天幕に使われてる組み立て材は全て強力な魔物除けが施されてるから安心してくれ。」

やはり魔物除けが施されてるのか。

「分かった。」

「そっちのテーブルとかは飲食出来るように置いてある。で、ベッドの脇にハンガーあるだろ。、アレに武装を掛けて置けよ。ベッドヘッドは武器が置けるように出来てる。」

「なる程。」

立て掛ける系じゃないんだな……

「基本、ベッドは側近と一緒に寝るように出来てる。その内ルークにも側近が出来るから、まぁ……上手くやれ。」

「うまくって……」

仲良くやれなのかヤレなのか……

「ん?分からない訳じゃないよな?」

「ルーク様は帝国出身です。あまり無理は言うものではありません。」

フレイのフォローにどうやって返せば良いのやら。

「いや、分かってる。ただ戸惑ってるだけだ。」

いや、ホントにね。俺だけが転生してて良かった……あいつがいたら滅茶苦茶ネタにされたな……何てったってあいつの最推しに転生しちゃってるからな。何か背筋がゾクゾクするわ。

「なら良い。抱く抱かないは個人の自由だが、その辺りを含めて選ばないとお互い不幸になる。最初に選ばれて来る奴等が一番優秀だからな。二番手三番手になると質が落ちる。」

「奴等って事は数人ですよね。そんなにも選ばれるんですか?」

「大体三人から四人だからな。領地内選りすぐりのやつだ、この選りすぐりから選べないと二番手になるが二番手は選りすぐりじゃなくなるから後々困るようになる。何せ仕事も一緒にやってくからな。」

「分かってる。」

「まぁ、若い内は大抵やるからこれ位大きくないと休まらないからな。」

これ位って……クィーンとかのサイズだろ……普通に寝たら三人は余裕だろ……

「寝心地も良いから、ゆっくり休まるだろ。まぁ、ノエルとルチルがいるから大きくても寂しく無いか。」

「寂しくなんて無いですよ。」

「枕元の魔石で灯りの調節が出来るから態々起き上がる事無いからな。ま、こんな所か。後何かあるか?」

「いや、十分だ。助かった。」

「いや、良い。多分この先一緒に大型討伐に行く事になるだろうからな。」

「そうか。」

「じゃあ、お休み。」

「お休みなさいませ。」

そう言ってトールとフレイは天幕から出て行った。
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