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お喋り雀達(シュバルツバルト侯爵家のメイド達)
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女三人寄れば姦しいとはよく言ったもの。
今日も今日とてシュバルツバルト侯爵家のメイド達は元気にお喋りに興じていた。
「ねぇねぇ!見た?次期様の婚約者様!」
「見た見た!可愛らしい方よね!」
「本当ね!あんなに可愛らしいと、ここでやっていけるか不安になっちゃうわよね?」
「そうよね!だって帝国のお嬢様でしょ?あんなに線も細くてらっしゃって!」
「ねー!」
午前中の仕事を終え更に幾つかの仕事を終え、使用人棟でかなり遅い昼食を取りながら今日来たばかりの次期領主キャスバルの婚約者であるラーラルーナ嬢の事を喋っている。
いずれ自分達の仕える女主人となるのだが、何せ現女主人のフェリシアと我等のエリーゼ姫様を間近に見て過ごしているもんだからついつい見比べてしまう。
どちらも女傑と言って差し支えないのだが、毎日見てると自分達の女主人が女傑だと認識出来なくなってしまう……という病に犯されていた。
決してラーラルーナ嬢は線が細い訳でもなく、頼りない訳でもないのだけど比べる対象があの女傑で、前女主人の大奥様も見た目に反して中々の頑固者であの大旦那様を言い負かす事もあった事から、メイドを始め使用人達はさすがシュバルツバルト侯爵家の女性は負けておらぬ!と誇っていた。
言い換えれば、強くなければシュバルツバルト侯爵家でやっていけぬ!とも思っている。
「それにしても帝国はあまり良い布が無いとは聞いていたけどね……」
「あー……そうね。あれはちょっと可哀想だったわ」
「そうよね。私達ですらお下がりとかで色々出来るし、結構徳してるから……ね……」
「そうねぇ。でも奥様も大奥様も姫様も婚約者様の事を気に入ったみたいだから何とかするんじゃない?」
「そうよね!だって姫様の婚姻式があるから、次期様だって気を遣う筈よね」
「まぁ、次期様の事だからね。気を遣えなければ奥様が何するか……」
「ですよね!」
そう。シュバルツバルト侯爵家では奥様が絶大な権力を持っている。誰が何と言おうと奥様が最強なのだ。
その奥様が気に入ってるなら、何も問題は無い。
奥様が気に入るなら姫様も大奥様も気に入る。大抵の事はそうなのだ。
「婚約者様、ここの事好きになってくれると良いなぁ……」
「大丈夫じゃない?王国一と言っても良い位の領よ、ここが気に入らなきゃどこも気に入らないわよ」
「それもそっか!」
「そうそう!うちが一番よ!」
「決まってる!」
メイド達は不揃いのイチゴを口に放り込みながら笑う。
ピカピカの赤いイチゴは領主一家の食堂に、その次に美味しそうなのは上級使用人達に、それ以外の小さい物や形の悪い物は使用人達に。
領都にもその不揃いなイチゴは販売されているが、まだまだ高価だ。でも、その不揃いのイチゴは領主館で働く者達は好きなだけ食べて良い。
この領主館で働く者達は、このシュバルツバルト侯爵家が一番安全で一番美味しい物が食べれて、キレイなお仕着せを着て楽しく仕事が出来る夢みたいな場所だと信じてる。
皆が嫌がる様な洗濯女の子たちの仕事すら、考えられない程楽チンで高いお給料が貰えて不安な事なんて一つも無い。
メイド達は楽しげに笑い、イチゴを堪能した後食器を片付け午後の仕事の為にお仕着せを着替える為にそれぞれの部屋へと向かって行った。
今日も今日とてシュバルツバルト侯爵家のメイド達は元気にお喋りに興じていた。
「ねぇねぇ!見た?次期様の婚約者様!」
「見た見た!可愛らしい方よね!」
「本当ね!あんなに可愛らしいと、ここでやっていけるか不安になっちゃうわよね?」
「そうよね!だって帝国のお嬢様でしょ?あんなに線も細くてらっしゃって!」
「ねー!」
午前中の仕事を終え更に幾つかの仕事を終え、使用人棟でかなり遅い昼食を取りながら今日来たばかりの次期領主キャスバルの婚約者であるラーラルーナ嬢の事を喋っている。
いずれ自分達の仕える女主人となるのだが、何せ現女主人のフェリシアと我等のエリーゼ姫様を間近に見て過ごしているもんだからついつい見比べてしまう。
どちらも女傑と言って差し支えないのだが、毎日見てると自分達の女主人が女傑だと認識出来なくなってしまう……という病に犯されていた。
決してラーラルーナ嬢は線が細い訳でもなく、頼りない訳でもないのだけど比べる対象があの女傑で、前女主人の大奥様も見た目に反して中々の頑固者であの大旦那様を言い負かす事もあった事から、メイドを始め使用人達はさすがシュバルツバルト侯爵家の女性は負けておらぬ!と誇っていた。
言い換えれば、強くなければシュバルツバルト侯爵家でやっていけぬ!とも思っている。
「それにしても帝国はあまり良い布が無いとは聞いていたけどね……」
「あー……そうね。あれはちょっと可哀想だったわ」
「そうよね。私達ですらお下がりとかで色々出来るし、結構徳してるから……ね……」
「そうねぇ。でも奥様も大奥様も姫様も婚約者様の事を気に入ったみたいだから何とかするんじゃない?」
「そうよね!だって姫様の婚姻式があるから、次期様だって気を遣う筈よね」
「まぁ、次期様の事だからね。気を遣えなければ奥様が何するか……」
「ですよね!」
そう。シュバルツバルト侯爵家では奥様が絶大な権力を持っている。誰が何と言おうと奥様が最強なのだ。
その奥様が気に入ってるなら、何も問題は無い。
奥様が気に入るなら姫様も大奥様も気に入る。大抵の事はそうなのだ。
「婚約者様、ここの事好きになってくれると良いなぁ……」
「大丈夫じゃない?王国一と言っても良い位の領よ、ここが気に入らなきゃどこも気に入らないわよ」
「それもそっか!」
「そうそう!うちが一番よ!」
「決まってる!」
メイド達は不揃いのイチゴを口に放り込みながら笑う。
ピカピカの赤いイチゴは領主一家の食堂に、その次に美味しそうなのは上級使用人達に、それ以外の小さい物や形の悪い物は使用人達に。
領都にもその不揃いなイチゴは販売されているが、まだまだ高価だ。でも、その不揃いのイチゴは領主館で働く者達は好きなだけ食べて良い。
この領主館で働く者達は、このシュバルツバルト侯爵家が一番安全で一番美味しい物が食べれて、キレイなお仕着せを着て楽しく仕事が出来る夢みたいな場所だと信じてる。
皆が嫌がる様な洗濯女の子たちの仕事すら、考えられない程楽チンで高いお給料が貰えて不安な事なんて一つも無い。
メイド達は楽しげに笑い、イチゴを堪能した後食器を片付け午後の仕事の為にお仕着せを着替える為にそれぞれの部屋へと向かって行った。
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