婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新しい日々 64

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「まさかと思うけど、魔物の血とか取り込んだの?」

ちょっと怖いけど、ここは聞いておきたい。

「そうなのだ!同じ液体だし問題無いと思ったら魔力も上がった!なのでピカ太郎が戦ってる間にこう……伸ばして突き刺した後血を取り込んでいたのだ!」

ミョーンとストローの様に伸びたスラ道のボディの一部に思わず凝視してしまう。この……吸血スライムめ……待てよ、じゃあピカ太郎を囮にして吸血行動とってたって事?

「今一度聞くけど、止めをさしたのはピカ太郎?スラ道?どっちなの」

「主にピカ太郎だ!うっかり取り込み過ぎてしまった時もあったが、大体はピカ太郎が止めをさしたから安心すると良い!」

スラ道め……策士か?いかにもピカ太郎の為に動いてるようで、しっかり自分の目的を達成している。

「ふぅん……でも、上手くピカ太郎が止めをさせるように魔物の血を取り込んでいたのよね?」

「その通りだ!ボクに悪い所は何一つ無い!」

堂々と言った!スラ道め!

「嘘言うな!」

スラ道の目が少し逸らされた。やっぱり……

「だいじょうぶピカ!」

思わぬピカ太郎からの助太刀。まあ、止めをさすとボーナスついてレベルアップするもんね、ピカ太郎はどこか自信満々な笑顔。

「まあ、ピカ太郎も強くなったようなら良い……わ」

このメンバーの時に一つ大きいマーカーが来た。
トールお兄様達はチョロギーと一緒にこちらに向かってる……なら、少しこちらから合流するか。

「向こうと合流するわよ!」

「はい!」

アニスもカワイコちゃん達も一緒にトールお兄様達に向かって走る。
マップに表示される大型のマーカーは徐々にこちらに近づいている。
私達が駆け寄って来た事でトールお兄様の顔が少し険しくなった。

「エリーゼ、どうした?」

「大型が近づいて来ます」

私の一言にトールお兄様だけじゃなくフレイも顔が険しくなりました。

「そろそろ姿が見える筈です」

今は木々に隠れて見えないけど、そろそろ出て来る筈。
ザザザッと木々を揺らして出て来たのは極彩色の大きな猿でした。

「食べれない!」

思わず出た言葉はコレでした。猿で食べれるのって脳味噌だけじゃなかったっけ?でもあの毛皮とか爪は素材としたアリかな?

「来るぞ!気をつけろ!」

イラつきます。どうせ私達狙いでしょ、ならば!

「タマ!罠を私達の前に!」

「わかったにゃ!」

さすがタマはスチャッ!と罠を設置しました。

「できたにゃ!」

「タマ、罠ずっと設置で!」

「にゃっ!」

これで良し!後は真っ直ぐヤツが突っ込んで来るのを待つだけよ。
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