婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 135

「エリーゼ。きっと領民達は貴女の婚姻式の日はうんとお祭り騒ぎになるわよ。領主から祝いの振る舞いが出されるし、王家から解放され優秀な婿を迎えたって……ふふっ私達も嬉しいし、婚姻式が楽しみだわ」

お母様が本当に嬉しそうに言うから、涙も止まってしまって……笑うしかない。

「私……早くルークと一緒になりたいです……」

「無理よ。お客様の予定は急には変えられないのだから」

「そうですよね」

「そうよ」

お母様との攻防は負けっぱなしです。まぁ、そりゃそうか。帝国から何日と日数を掛けて来る訳だし、領内から多くのお客様も来る。
あれ？帝国からのお客様ってどれ位来るのかしら？客室足りるのかしら？

「帝国からのお客様……泊まりきれるのかしら……？」

ピクリとお母様の腕に力が入った。

「それね……何も護衛の者達含めて泊める訳ではないから……護衛の者達の事は失念していたわね……」

えー……お母様、大丈夫なの？

「まあ、領主隊のように天幕張って貰えば良いかしら？湯の館もあることだし気にしなくても良いかしら？」

「勿論です」

お母様とエミリはあうんの呼吸で色々決めてくわね。普段もああやって決めていくのかしら？お母様の決断力を私もつけないといけないわね！

「さすがお母様です。皆様邸に泊まられると思ってましたが、そうですよね護衛のの方達ならば天幕にも慣れてらっしゃるわね」

パン！と軽く手を叩いてニッコリ笑う。お母様もエミリも笑顔で頷いてくれる。うん、良かった。

「そうですよ、護衛の兵士や騎士は野営にも慣れてるし心配する事無いわ」

そんなやり取りをして楽しくお喋りしながらアニスとソニアを待つ。
やがて戻ってきた二人は笑顔が輝いていた。

「エリーゼ様、どうですか？！」

どうですか……だと？アニスよ……そのお仕着せは胸部が少し余裕があるデザインだか、今はさっきよりパッツンしてるやないか。
ソニアもアニスのお仕着せ着て、パッツン感は無くなったが何か……気のせいかも知れんが大っきくなつてないか？

「エリーゼ様が以前寄せる為にコルセットの布で脇を固めると良いって言ってたの思い出したんです！そしたら、ほら！良い感じになりました！」

エグい程の技術で寄せて上げおった……ソニアの笑顔もシャレにならないレベルです。
前世のブラジャーの威力の恐ろしさをまざまざと知らされたわ……