婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

新天地を! 165

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「ご主人!リンゴヤキにゃ!アツアツのうちにたべるにゃ!」

そうトラジが叫びながら焼きリンゴの入ったお皿を持ってトテトテとやって来た。
トラジの持つお皿を受け取るとタマはルークへとお皿を差し出した。
勿論ルークはタマからお皿を受け取り「ありがとな」と声を掛けていた。

「トラジ、ありがとね」

「いいにゃ!ご主人はつがいとなかよくするといいにゃ!」

番……間違ってないから訂正しません!
トラジとタマはトテトテとコンロの方へと戻って……戻った先にはゴッツい隊員達が満面の笑みで膝をついて待っていた。
……何だあの小さきモノの下僕感……正にニャンコの下僕じゃないの……

「エリーゼ。とりあえず焼きリンゴ食べようか」

「ええ。バターが熱い内に食べましょう。ニャンコの下僕の事は後回しです」

「……そうだな……」

熱々の焼きリンゴは甘酸っぱくて美味しかったです。
絶妙な甘さとバターの香りが最高です。
焼きリンゴだけはこちらで採れる酸っぱい物の方が美味しいです。
生食用のリンゴは八丈島産の物の方が甘くて良いのだけど、加熱するとなるとやっぱり酸っぱい方が美味しい。

「酸味があるけど、甘さと酸味のバランスが良いな」

「ええ。この焼きリンゴは多分こちらで採れた物だと思うわ。前世を思い出して初めて食べたリンゴが酸っぱくて……紅玉に似た味だったわ。生食で食べてたリンゴはフジとかの甘い品種だから……」

「そうか」

「生食用の果物の甘い物は島で作った物ばかりよ。まだまだ品種改良とかは殆ど出来てないみたいだから」

「じゃあここで栽培する果物は王国と帝国のトップになるな。一大産業だな」

白桃もイチゴも甘さはピカイチ。でも生食用として輸出なり販売に出すにはちょっと……

「輸送に掛かる時間がな……」

「マジックバッグ的な物で送れば良くないか?」

「あー!通函か!」

「は?かよいばこ?」

「知らない?箱を輸送専用にして捨てたりそのまま使ったりしないようにする箱よ。会社同士で部品とかやり取りしてる所が取り入れてるシステムよ。知り合いが内職で通函で仕事してたのよ。うん、通函でしかやり取りすれば必ず箱は帰って来るもの安心ね」

「へぇー……内職って何の?」

「ああ、車の部品とか配線ね。外に出られないお母さん達がやってたのよ。まぁ、大葉もだけどね……大葉は手がかぶれるから人気なかったわね」

「そうか……」

同級生や後輩の女の子達は器用に内職しながら喋ってたっけ。
子供達もあんまり手が掛からないけど、外に出ると義理親煩いからねって笑ってたっけ。
皆元気にやってるかな……
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