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嫁入り支度 94
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元から座ってるお母様は静かにふぅ……とため息を溢すと、キッ!と何かを決意したかのお顔で私を見詰めて来ます。
うん、嫌な予感(笑)
「毎日でなければ良いのよね!」
うわ……何か、一日おきとか言いだすのかしら?それもさきまわりして止めておきます。
「そうですね、一日おきとか二日おきとかでなければ」
ズーン……と音が聞こえそうな程、お母様のお顔が落胆に満ちてしまいました。分かりやすくて好きです、お母様のそういう所。
「み……三日おきなら良いのかしら……?」
「そうですね。三日おきならぷくぷくにならないと思いますけど……でも、まだ新しい甘味が生まれるかも知れませんし……」
白桃のシロップ漬けを使ったパイやケーキはまだ作ってませんし、パフェもまだですしね……
パフェか……イチゴパフェに白桃のパフェ、チョコレートパフェ……色んなパフェがあるし、この先フルーツが色々出来てきたら大変よお母様。
「新しい……?何かあるのかしら?」
クスクスと笑いお母様を見詰める。ああ……お母様が年近い令嬢だったら、こんな風に甘味の事をお喋りしたりしてずっと毎日楽しく過ごせたかも知れない……
「いえ、まだ特には。ですが今から色々な果物が出来てきますし、きっと新しい甘味がどんどん出て来ますわよ。だってジムも頑張ってくれてるもの。私が求める物よりも遥かに美味しい物を作ってくるのよ、驚きと興奮に包まれる事が増えてきたのよ」
「まぁ!」
お母様は私の言葉に驚いてから、嬉しそうに微笑む。
「あ……」
気がついたらお皿の上に乗っていたメレンゲは終わり、僅かに残った黄桃ジャムの小皿が少しだけ寂しそうに映った。
ソーサーに載ったティースプーンを手に取って、小皿に残った黄桃ジャムを掬い取りカップに入れる。所謂、ロシアンティーだけどこちらでは余り見ない飲み方……と言うか殆ど見ない飲み方になる。
帝国でも南の方ではあるらしいと本に書いてあった程度だけ。
「あら?珍しい事を知っているわね」
「お母様?」
「帝国の南ではね、甘いジャムを紅茶に入れて飲む方達がいるのよ。南と言っても砂漠の方達だけどね……」
砂漠……砂漠でロシアンティーって珍しくない?
「暑いと甘い物や塩っぱい物が美味しく感じるんですって。でも、暑くなくても甘い物は美味しいわよね」
少女の様に笑いながら言うお母様可愛い!でも甘い物が美味しいお母様は単なるスイーツ女子なだけだと思います!
うん、嫌な予感(笑)
「毎日でなければ良いのよね!」
うわ……何か、一日おきとか言いだすのかしら?それもさきまわりして止めておきます。
「そうですね、一日おきとか二日おきとかでなければ」
ズーン……と音が聞こえそうな程、お母様のお顔が落胆に満ちてしまいました。分かりやすくて好きです、お母様のそういう所。
「み……三日おきなら良いのかしら……?」
「そうですね。三日おきならぷくぷくにならないと思いますけど……でも、まだ新しい甘味が生まれるかも知れませんし……」
白桃のシロップ漬けを使ったパイやケーキはまだ作ってませんし、パフェもまだですしね……
パフェか……イチゴパフェに白桃のパフェ、チョコレートパフェ……色んなパフェがあるし、この先フルーツが色々出来てきたら大変よお母様。
「新しい……?何かあるのかしら?」
クスクスと笑いお母様を見詰める。ああ……お母様が年近い令嬢だったら、こんな風に甘味の事をお喋りしたりしてずっと毎日楽しく過ごせたかも知れない……
「いえ、まだ特には。ですが今から色々な果物が出来てきますし、きっと新しい甘味がどんどん出て来ますわよ。だってジムも頑張ってくれてるもの。私が求める物よりも遥かに美味しい物を作ってくるのよ、驚きと興奮に包まれる事が増えてきたのよ」
「まぁ!」
お母様は私の言葉に驚いてから、嬉しそうに微笑む。
「あ……」
気がついたらお皿の上に乗っていたメレンゲは終わり、僅かに残った黄桃ジャムの小皿が少しだけ寂しそうに映った。
ソーサーに載ったティースプーンを手に取って、小皿に残った黄桃ジャムを掬い取りカップに入れる。所謂、ロシアンティーだけどこちらでは余り見ない飲み方……と言うか殆ど見ない飲み方になる。
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「あら?珍しい事を知っているわね」
「お母様?」
「帝国の南ではね、甘いジャムを紅茶に入れて飲む方達がいるのよ。南と言っても砂漠の方達だけどね……」
砂漠……砂漠でロシアンティーって珍しくない?
「暑いと甘い物や塩っぱい物が美味しく感じるんですって。でも、暑くなくても甘い物は美味しいわよね」
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