婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

春が来た! 15

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「エリーゼ様?」

私の態度のせいなのか、アニスがひょっこりと私の顔を覗き込んできました。
カーワイイわねぇ。

「アニス。ちょっとお父様のお部屋に行って、ルークに馬車の中に掛けるタペストリーはどんな柄が良いか聞いてきて頂戴」

笑顔でアニスに言えば、アニスはシャキーンと気合いが入ったようで背筋を伸ばしてから頭を下げて「聞いて参ります」と言うとサッと身を翻して部屋から出て行きました。
キースに会えるから足早に行ったわね~
ま、分かるけど。

「誰か刺繍を刺すから布と糸を持ってきて頂戴」

私の一言でザッと侍女達が糸やら布やらワサワサと持ってやって来ました!一体どこから出したのでしょう……と思う程ですが、棚からです。
思ったより収納スペースありますから!
あ~何色の布に刺そうかな~

「迷うわね……タペストリーにするにはどれが良いかしら?」

私の言葉に侍女達がキャイキャイ言いながら、あれが良いこれが良いと勧めてきます。
ですが総じて厚めの布を勧めてきます。ウール的なやつです。

「刺繍枠はこちらが良いですね」

うん。張り切ってますね。
最初は自分の馬車用を刺しましょう。確か、私の馬車の内装は大まかにですが落ち着いた色合いだった気がします。ならば華やかな色合いの刺繍が良いと思うのよ~。
地の色は緑系にしましょう。

「他の色は下げて頂戴」

緑系ばかりの布で迷っていたけど、モスグリーンの落ち着いた緑色はちょっと良いかもです。

「これにしましょう」

厚手のモスグリーンの布のタペストリーに色とりどりの花々を刺して、センターに真っ白いユニコーンを刺したら如何にも乙女な感じがして良いかも。
……いや、私……その頃、乙女じゃないじゃん。
婚姻式が済んだら、その日の晩は初夜じゃん。大事な夜だし、乙女じゃなくなる夜よ!
どっ……どんな感じになるのかしら?前世でも清い人生歩んでたから、本当の所は分からないんだけど……ルークは前世、そういったお付き合いとかあったのかしら?
まさかDTでこちらに転生したって訳じゃないわよね?
それに、それに帝国だって閨教育とかしてるわよね?何かあったら困るものね。
うん、そうよ!ルークは経験者の筈よ!私のように、女の身であれば総おいそれと閨教育なんて……ねぇ……
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