婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

春が来た! 44

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「まあ!オホホホホ……エリーゼは私を喜ばせるのが上手ねぇ。でも、そのお飾り……私が若い細工師に強請って造らせた物だから、本当に嬉しいわ」

「うむ!昔からお飾りやドレスに関しては、本当に煩かったからな!一切妥協せぬ姿に何人もの職人が躍起になっておったな!おかげで領内の職人達の腕は王都の者達よりも上だと言われる様になったのだぞ!」

お祖母さまラブのお祖父さまが胸を張ってお祖母さま自慢してます。
巨体で胸を張られると威圧感増しますし、広い筈の食堂が狭く感じるからちょっと控えて欲しいですがお祖父さまにソレを言ってはいけませんね。

「おやめ下さい。暑苦しいですわ、さ……胸を張らずにお寛ぎ下さいませ」

「うむ……」

お祖母さまがサッとお祖父さまを止めました。さすがです!お祖母さまの言葉にお祖父さまはスッと力を抜き、楽しそうにワインに口をつけました。
いつもこんな風なのでしょうか?
お父様とお母様はお祖父さまとお祖母さまを見て微笑んでます。
あー……何か幸せだなぁ……

「遅くなりましたか?」

食堂に入ってきたルークがそう声をかけて来ました。

「大丈夫よ」

「良かったです」

そう言って私の隣に座るとジッと見てきます。何でしょう?

「春の妖精の様で見蕩れてしまった」

クッ!何を言ってますの、このイケメンは!殺し文句ですか?死にませんよ!

「春の妖精て……」

「いや、本当に。こんなに美しくて可愛い方と婚姻するのかと思うと、俺は本当にラッキーだな……と」

「ラッキーは使われてないのよ……」

とりあえず小声でルークのラッキー発言を注意しておきます。

「あ……ゴメン」

「良いって事よ」

小声でコソコソやり取りしてるのを

「仲が良いのは良いけど、当てられてしまうわね」

と言うお母様の言葉で二人して、ピャッ!となってしまいました。

「お父様とお母様の仲の良さには負けますわ!」

ええ!本当に。お父様とお母様のラブラブッぷりには勝てません。

「当たり前でしょう。夫婦なんですもの、仲が良くて当然です」

お母様がドヤ顔です!

「私も早く婚姻したいです!お父様とお母様みたいな夫婦、憧れます!ね、ルーク!」

ルークがキメ顔で私を見つめてます……照れますよ……

「俺も憧れてます。いつまでもエリーゼと共に在りたい。いついつまでも……」

ルークの言葉が重いです……
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