婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

春が来た! 54

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「そんなに海温が違うのか?」

「え?いえ……確かに違うかしら……子供の頃一度遊びに行った時にカラフルな魚が出て来て驚いた事あってもの……」

「カラフルね、何色だったか思い出せるか?」

「青いのと赤いのよ。エビ……派手な色の伊勢エビみたいなのもあったわ」

うん。ん?沖縄とかで獲れる魚に似てない?……似てる……と言うかまんまだったわよ!

「沖縄辺りで獲れる魚に酷似してるって事か。この辺だと海温低めの魚が多いからな」

「良く分かるわね」

魚料理とか少ないのだけど。前世では魚好きだったのかしら?そう言えば旅の間でも魚介類出した時はテンション高かったような……

「肉も好きだけど魚介類も好きなんだよな!帝国は川魚意外は中々食べれなかったし、エリーゼのおかげで出汁もあるから楽しみなんだよな!」

……そんなに出してないのに……魚介類……

「これからはもう少し魚介類出して貰いましょう。ルークが魚介類好きだって知らなかったわ……」

ここは素直に反省です。好きな人に我慢させてたのかしら?私も魚介類は嫌いじゃないのに、お肉メインばっかりだったわ……

「そんな顔しなくて良いよ。若いと肉の方が体は喜んだりするから」

……じじむさい事言ったわよ……

「そう?そうね……若いとお肉食べても胃にもたれないし、こう……コッテリしててもヘッチャラって言う……」

ババくさい事言っちゃったわ。うう……でも、こっちの世界って今まで脂モノとか少なかったからコッテリ系人気なのよね。
特にから揚げの広まりと人気と言ったら、信じられない位なのよね。

「そうだな!から揚げは大人気で今は領内、どの街に行っても食べれるんじゃないかな?行商人も油も肉も魚も飛ぶように売れて笑いが止まらないらしいぞ」

「それは初耳よ。どう言う事?」

「菜種油は領都でしか今の所取り扱いしてないし、魚でも肉でもから揚げは売れるからあちこちに行っては屋台で作って売って。更に興味があるならってレシピの売買と材料の菜種油をメインに粉とスパイスを売るらしい。肉や魚は傷みが出る前に売り切って、新しい肉を仕入れて……って事らしい」

「作って売って、更に広めてるのね……で次の街にって事?」

パンパンと軽く抱いた肩を叩いて「その通りだ」と言ったルークの顔が近付いてチュッと私の頬にキスをした。
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