婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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婚姻式 16

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うう……美味しい……ほんのちょっと前まで塩味とほんのり甘い物しか無かった残念食生活が嘘みたい……
濃厚バターを使ったムニエルも上質な魔物肉のステーキ(ニンニク醤油のソースがけ)も柑橘の風味が爽やかなサラダも何もかもが美味しい。
……上品に盛り付けてあるけど豚カツがあるし、エビフライもあるけど宴会料理としてはメジャーだし目を瞑ろう。
謎なのは凄く可愛い器に肉じゃがが盛られてたり、ガラスのおちょこみたいな器にエビとキュウリの柑橘和えがあったりする事よ。
うん、やっぱり宴会料理みたいなコースだわ。
じゃあ、食事が済んだらデザートって事かしら?
つい美味しくてモリモリ完食してしまいましたわ。
満腹だわー♡とか思ってたら、食後の紅茶が運ばれてきた。
ん?紅茶だけ?

カラカラカラ……

ワゴンが目の前に……って大きいケーキが乗ってました!
ウエディングケーキ!フルーツと生クリームたっぷりの!
あわわわわ……カロリーモンスター……

「うふふ……凄いでしょ!エリーゼが婚姻式には大きなケーキを婚姻した二人が初めて一緒にケーキを切って、初めての共同作業ですってやるんだって言ってたから、お母様凄く見たくて作って貰ったのよ!さ、エリーゼ。二人の共同作業を皆の前で行って頂戴」

まさかのウエディングケーキ入刀のサプライズですか……いや、違う……これはお母様が巨大ケーキが見たかっただけに違いない!
そして思い切り食べたいのだと、私知ってますから!

「エリーゼ……大広間のあちこちにカットされたケーキが準備されてる。目の前のウエディングケーキはおそらくだが、家族で食べる用だ……」

ルークも気が付いてる!見渡せば確かに各テーブルに配る様に準備万端だわ……
女は度胸よ!やってやろうじゃないの!

「ルーク!初めての共同作業よ!そして家族に切り分けるわよ!」

「応!」

立ち上がった瞬間。

「エリーゼ、お母様お皿いっぱい食べれますからね」

クッ!お母様から、サイズ指定入りましたぁ!

「ああ、俺の可愛いお姫様。俺もお皿いっぱい余裕だからな、何ならお代わりも出来るから安心すると良い」

キャスバルお兄様ぁ!

「何、お父様も沢山食べれるから乗せれるだけ乗せて良いからな」

お父様まで……

「そうそう、山盛りでも大丈夫だからね」

トールお兄様までぇ……大食いファミリーに栄光あれ!
私とルークは無事入刀作業を済ませ、私とルーク以外はモリモリに盛ったケーキを嬉しそうに食べてました。
え?私とルークはショートケーキサイズで終了です。
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